評 価
File No.
1354
製作年 / 公開日
2010年 / 2011年01月29日
製 作 国
アメリカ
監 督
ロベルト・シュヴェンケ
上 映 時 間
111分
公開時コピー
それは、アメリカが最も恐れた危険なオヤジたち・・・
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ブルース・ウィリス
[as フランク・モーゼス]
モーガン・フリーマン
[as ジョー・マシスン]
ジョン・マルコヴィッチ
[as マーヴィン・ボッグス]
ヘレン・ミレン
[as ヴィクトリア]
カール・アーバン
[as ウィリアム・クーパー]
メアリー=ルイーズ・パーカー
[as サラ・ロス]
ブライアン・コックス
[as アイヴァン]
ジュリアン・マクマホン
[as ロバート・スタントン副大統領]
リチャード・ドレイファス
[as アレクサンダー・ダニング]
レベッカ・ピジョン
[as シンシナ・ウィルクス]
クリス・オーウェンズ
アーネスト・ボーグナイン
[as ヘンリー(資料保管係)]
ジェームズ・レマー
[as ガブリエル・シンガー]
ドミトリー・チェポヴェツキー
マシュー・オルヴァー
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あ ら す じ
かつては超一流のCIAエージェントだった
フランク・モーゼス
は、今はもう現役を退いて田舎町で平穏な生活を送っていた。そんな彼の唯一の楽しみはと言えば、顔も知らない役所の年金課のOL・
サラ・ロス
と電話で交わす会話だった。彼女と話がしたいがために、届いていた年金の小切手を破り捨てて「年金が届いていない」などと、彼女との会話のきっかけを作っては電話する、そんなフランクだった。
ある日フランクは、自宅に3人の侵入者があることを察知した。最新の銃火器で武装した敵をいとも簡単に倒したフランクは、さらに外から機関銃で一斉射撃を仕掛けてきた敵4人をも倒すと、車でサラの住むカンザスシティへと急行した。彼とサラの電話が盗聴されていたことを察し、サラの身にも危険が及ぶ可能性が大きいことをフランクは経験上熟知していたのだ。そして、サラの家に忍び込んだフランクは帰宅したサラに事情を説明するが、彼女はフランクの話をにわかには信じられず、やむなくフランクは力ずくでサラを車に押し込んで出発した。
ニューオーリンズを訪れたフランクは、かつての上司である
ジョー・マシスン
を訪ね、フランクを襲った男たちの身元の調査を依頼した。そして、彼らグループがNYタイムズの女性記者を亡き者にしたことを知ると、フランクはサラを伴ってニューヨークのチャイナ・タウンにある記者の実家を訪ねた。そして、記者が隠した1枚のメモにたどり着いたフランクは、そのメモに記載された暗殺のターゲットの中に自分の名前があることを知った。
2人は次に、リストに名前があったフランクのかつての同僚であり宿敵でもある
マーヴィン・ボッグス
を訪ねる。少々イカれ気味のマーヴィンだったが、彼は暗殺者のリストを見て1981年にグアテマラで遂行された特殊任務に携わった者のリストであることに気づく。そこでフランクは、CIA本部に侵入してグアテマラに関する機密資料を手に入れるが、逃走の際に撃たれて負傷してしまう。やむなくフランク、サラ、マーヴィンの3人はかつてMI6で超一流のスナイパーとして鳴らした
ヴィクトリア
に助けを求めるのだった。
介護施設を抜け出してきたジョーも加わり、サラも加えた5名は巨大軍需企業の代表
アレクサンダー・ダニング
邸を訪れ、グアテマラのミッションの裏にダニングがいたこと、そしてサラに彼の背後には副大統領の
ロバート・スタントン
がいたことを知らされる。そこで、ダニングへ直接接触するために一案を講じる彼らだったが・・・・・。
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たぴおか的コメント
タイトルの『RED』とは、“
R
etired
E
xtremely
D
angerous
”の頭文字をとったもの、つまりは「引退した超危険な奴」という意味だ・・・・・なんて解説は、多分このサイトに訪れる人にとっては百も承知の余計なお世話かもしれないが、一応形式的に書いてみた。それにしてもよくもこれだけの豪華キャストをそろえたものだと、その点にまず感心させられた。ブルース・ウィリス(55)、ジョン・マルコヴィッチ(57)、モーガン・フリーマン(73)、ヘレン・ミレンら(65)が、さすがにベテランらしく余裕たっぷりの演技で飄々と演じているのが観ていて気持ちいい。他のキャストはと見てみると、リチャード・ドレイファス(63歳:『ジョーズ』にフーパー役で出演していた時はなんと28歳!時の流れは恐ろしい)、アーネスト・ボーグナイン(93歳!)、ヒロインのサラ・ロスを演じたメアリー=ルイーズ・パーカーさえ40代後半と、年齢層も高いがギャラも高そうなキャスティングだ。ちなみに、モーガン・フリーマンはともかく、ブルース・ウィリスやジョン・マルコヴィッチを“ジジイ”呼ばわりするにはまだ時期尚早のような気はするが。
そんな中で私が最も気に入ったキャラクターは他でもない、ジョン・マルコヴィッチ扮するマーヴィンだ。登場の仕方からブチ切れていて猜疑心の塊、時としてはそれが役に立つものの得てしてトラブルメーカーになりがち。REDの中のRED、取り扱いには最新の注意が必要な危険物(笑)で、こんな役をこなせるのはハッキリ言ってジョン・アmルコヴィッチをおいて他にはいと思う。それに対して大御所モーガン・フリーマンは、他のキャストに比べると見せ場が少ないのが寂しく、あんな終わり方ではあまりにもったいない。スケベジジイぶりはちょっとお茶目だったけどね。意外だったのはヘレン・ミレンで、今までのエリザベス女王やトルストイの妻といった、地位のあるいわゆる貴婦人的な役柄と打って変わって、今回は凄腕のスナイパーを演じているのだが、これがミスマッチのように思えて実は非常に適役だったりする。本人も「こういう役柄を演じてみたかったわ!」と言わんばかりに嬉々として演じているように私には見えた。
最近のCIAを舞台にしたスパイ物は『ナイト&デイ』『キス&キル』のように軽いタッチのコミカル路線に走る傾向があるような気がするが、そういう意味ではこの作品も前2作と同じ路線にあると言っていいだろう。辛いことや悲惨な出来事が多い今の世の中、せめて映画の中だけでもすべてを忘れて気楽に楽しめる作品の方が受け入れられ易いのかもしれない。