評 価
File No.
1355
製作年 / 公開日
2010年 / 2011年01月29日
製 作 国
日 本
監 督
深川 栄洋
上 映 時 間
149分
公開時コピー
殺したのは、心。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
堀北 真希
[as 唐沢雪穂]
高良 健吾
[as 桐原亮司]
姜 暢雄
[as 笹塚一成]
緑 友利恵
[as 川島江利子]
中村 久美
[as 唐沢礼子]
小池 彩夢
[as 篠塚美佳]
黒部 進
[as 三枝会長]
長谷川 愛
[as 藤村郁子]
粟田 麗
[as 栗原典子]
今井 悠貴
[as 桐原亮司(子供時代)]
福本 史織
[as 唐沢雪穂(子供時代)]
田中 哲司
[as 松浦勇]
戸田 恵子
[as 桐原弥生子]
山下 容莉枝
[as 西本文代]
宮川 一朗太
[as 寺崎忠夫]
吉満 涼太
[as 桐原洋介]
古賀 久志
[as 齋藤歩]
船越 英一郎
[as 笹垣潤三]
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あ ら す じ
昭和55年。入り口をドラム缶で塞がれ密室と化した廃ビルで、質屋の主人
桐原洋介
が刺殺される事件が発生した。容疑者として彼の妻・
桐原弥生子
や質屋の店員で弥生子と密通していた
松浦勇
らの名前が挙げられる中、被害者が手土産を持参して家に訪れていたという証言から、
西本文代
が浮かび上がった。西本文代宅を訪れた所轄の担当刑事・
笹垣潤三
は、聡明で小学生とは思えない艶やかさを持つ文代の娘・
雪穂
に強い関心を持つ。事故か自殺かはっきりしないままに文代が死亡してしまい、事件は被疑者死亡のまま送検となり一応の解決を見たものの、被害者の息子・
亮司
と加害者の娘・雪穂の姿が笹垣の脳裏に強く焼き付けられて離れなかった。
事件後雪穂は茶道を教える独身女性・
唐沢礼子
の養子となり、ただひとりの友人・
川島江利子
と共に名門女子校を経て大学へ入学した。そして、ダンス部に入部した雪穂と江利子は、すぐに部長の
笹塚一成
の目に留まる。ところが、一成と付き合っていた江利子が何者かに陵辱される事件が発生し、江利子の後釜として一成と体の関係を持った雪穂は、一成と結婚して笹塚家に迎えられることとなった。
そんな経緯を注意深く見守っていたのは、昭和55年の事件を未だに根気強く追い続けていた笹垣だった。彼は雪穂と亮司が55年の事件前から知り合っていて、そのつながりは今も切れていないどころか前にも増して強く結びついているのではないかという疑念を抱いていたのだった。そして、笹垣自身も危うく毒殺され
かけるに及び、雪穂の周囲で起きた未解決の事件
高校時代に雪穂を
嫉妬していた
藤村郁子
の陵辱事件、江利子に起きた同様の事件、そして、結
婚前に笹塚家に雇われた探偵が殺害された事件
それらすべての裏に
亮司が関わっていると確信していた。そんな笹垣に、今は女手一つでバーを経営する桐原弥生子が漏らした言葉は、昭和55年の事件の驚くべき真相にたどり着くきっかけとなるのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
2006年にTBSで放送された連ドラは観ていたのだが、残念ながら途中で挫折してしまったために、映画で改めて観てみようと思い劇場へ向かったのだが、やっぱり149分という尺は長い。そして、尺が長くなった理由はもちろん内容の濃さにもあるのだが、亮司の父が殺されて雪穂の母が容疑者と目されながら死んだ事件に時間を割きすぎている点が原因でもある気がする。しかも、そこに時間をかけた割には、肝心雪穂と亮司の接点が全く描かれていないのだ。
堀北真希は悪くはないものの取り立てていい演技をしているとも思えず、高良健吾は好きじゃないし、どうしてもドラマのキャスティングの方が優れていた(綾瀬はるか>堀北真希、山田孝之>高良健吾、武田鉄矢>船越英一郎)ように思えてならない。そんな中で目に付いたのは、雪穂の少女時代を演じていた福本史織チャンで、ドラマ版の福田麻由子よりも遙かに可愛くて利発そうで、それだけに成長した堀北真希が余計に物足りなく感じてしまった。それだけではなく、どう見ても育ちのいいお嬢様にしか見えない堀北真希のイメージは、どうしても雪穂のそれと重ならないのだ。
また、ドラマでは山田孝之、綾瀬はるかの順だったキャストが、この作品では堀北真希、高良健吾という順番になったように、雪穂が登場するシーンが圧倒的に多く、亮司のエピソードは添え物程度の意味しかなしていないように思える。亮司が粟田麗扮する栗原典子と付き合って毒殺してしまう描写は、もしも彼が青酸カリで毒殺を考えるようになった布石だとすればあまりに冗長で、すべてカットしても大筋には全く影響がないような気がするのは私だけだろうか(決して高良健吾が嫌いだから言うわけではない・・・・・かな?)。