評     価  

 
       
File No. 1359  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年02月05日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   木村 好克  
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー   制服の下に、秘拳が眠る。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   武田 梨奈 [as 紅彩夏/池上彩夏]
飛松 陽菜 [as 紅菜月/サクラ]
中 達也 [as 紅達也]
入山 法子 [as 池上美樹]
横山 一敏 [as 武藤竜士]
リチャード・ウィリアム・ヘセルトン [as キース]
滝沢 沙織 [as 大橋怜子]
堀部 圭亮 [as 田川周]
 
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あ ら す じ    世界最強の空手家と謳われた伝説の空手家・紅宗次郎の家系に生まれた紅彩夏は、父・紅達也、妹・紅菜月と3人で、沖縄で暮らしていた。ある日、田川周が率いる謎の空手家集団に道場が襲われ、紅家が代々受け継いで守ってきた宗次郎の黒帯と共に菜月を拉致されてしまい、達也は彩夏の目の前で無残にも斬り殺されてしまう。それ以来横浜に移り住んだ彩夏は、本名を隠して空手の使い手であることも明かさずに、普通の女の子として暮らしていた。
 田川は空手家たちを育成し、企業などから依頼があれば彼らを派遣する組織を運営しており、宗次郎の黒帯は彼の組織が正当な宗次郎の空手の後継であることの証となっていた。ところが、その黒帯が偽物であることに気づいた田川は、部下に命じて本物の宗次郎の黒帯を血眼になって探していた。そんなさなか、一つの小さなニュースが田川の目に留まった。それは、横浜のシネコンでひったくり事件が起きた際、女性スタッフが空手の技で犯人2名を撃退したという報道だった。田川は彼女の名前が池上彩夏ということを知ると、彼女が実は紅彩夏であり宗次郎の黒帯も彼女が持っていると考えたのだ。そして、彼女の身辺を探るために2人の若い空手家を彩夏への刺客として差し向けた。その刺客のひとり・サクラは、あろうことか幼い頃に彩夏と生き別れになった菜月だった。
 彩夏とサクラは、戦いに際して互いに同じ“紅の構え”をとったことから、すぐにサクラが妹であること、彩夏が姉であることに気づいた。しかし、組織を抜けようとした菜月は捕らえられてしまい、田川は菜月を人質にとって宗次郎の黒帯を要求してきた。妹を救い出すために、彩夏は紅空手の封印を解き、たったひとりで大勢の空手家たちが待ち受ける組織に乗り込むのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ハイキック・ガール!』で見事な空手アクションを披露した武田梨奈の主演2作目となる作品。『ハイキック』は観たいと思いながらずるずると公開終了を迎えてしまったので、私自身は彼女を観るのはこれが初めてだった。さすがに実際に空手の有段者だけあって、『松林少女』の柴咲コウのアクションなどとは比較にならない(あれと比較しちゃ失礼この上ないな)本物のアクションにはしびれる。そして、主演の武田梨奈よりも不気味なほどの将来性を感じる、彩夏の妹・菜月を演じた飛松陽菜チャン、彼女と一緒に空手部を襲った青年を演じた、おそらく武田梨奈の実弟・武田一馬くんだと思われる青年、皆がメッキではなく本物であるだけに、寸止め無し(!)だと思われるアクションは観ていて背筋がぞくぞくするほどの興奮を覚える。残念なのは、この作品より先にジージャーの『チョコレート・ファイター』に出会ってしまったことで、もし順番が逆だったら、もっとこの作品の評価は高くなっていただろう。
 父親の空手の試合を観戦に行って、そこで父親が負けたのが悔しくて、敵討ちをするために空手を始めたという武田梨奈の動機は、いかにも子供らしいエピソードで微笑ましい。まぁ、動機はどうあれ彼女には父親譲りの空手の才能があったのは間違いなく、だから8年も空手を続けて今では黒帯という実力を身につけることができたわけだ。それにしても、ジージャーもそうだったが、腕を使う技よりも圧倒的に脚技を使う割合が高いことに気がついた。“空手”というからには、専ら瓦割りに代表されるような手刀がメインであるように錯覚しがちだが、実は脚が最も重要な武器であり防具となるようだ。事実、シネコンで彩夏がひったくり犯を撃退した時も、クライマックスで敵の最強の空手家キースを倒した時も、ほとんど脚技だけで戦っていたようだ。
 『チョコレート・ファイター』もそうだったが、これだけの本格的なアクションが観られれば、ハッキリ言ってストーリーの細かい粗などどうでもよくなってしまう。武田梨奈本人は、空手アクションに限定されない、もっと幅広い役柄を演じられる女優を目指しているかもしれないが、観ている側から言わせてもらえるならば、あれだけのアクションをこなせる女優が他にいない以上、それを最大の売り物として今後も胸のすくようなアクションを見せて欲しいものだと切に願う。