評     価  

 
       
File No. 1360  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年02月05日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ベン・アフレック  
       
上 映 時 間   125分  
       
公開時コピー   ここは全米最悪、強盗と犯罪の街。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ベン・アフレック [as ダグ・マックレイ]
ジェレミー・レナー [as ジェム・コーリン]
レベッカ・ホール [as クレア・キーゼイ]
ジョン・ハム [as アダム・フローリーFBI捜査官]
ブレイク・ライヴリー [as クリスタ]
タイタス・ウェリヴァー [as ディノ・シャンパ]
ピート・ポスルスウェイト [as ファーガス・“ファーギー”・コルム]
クリス・クーパー [as ステファン・マックレイ(ビッグ・マック)]
スレイン [as アルバート・“グロアンジー”・マグローアン]
オーウェン・バーク [as デスモンド・エルデン]
コレーナ・チェイス [as クィンラン捜査官]
ブライアン・スキャンネル [as ヘンリー]
 
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あ ら す じ    ボストンの北東部に位置する、全米屈指の強盗多発地区チャールズタウン。この街に生まれ育ったダグ・マックレイは、かつては輝かしい将来を夢見ていたものの、今では気心の知れた幼馴染みたちを率いて銀行強盗を繰り返す日々を送っていた。毎回周到な準備で鮮やかに仕事をやり遂げてきた彼らだったが、ある時、やむを得ず女性支店長のクレア・キーゼイを予定外の人質にして逃走を図った。
 警察の手から逃げおおせたダグたちはクレアを無傷で解放したものの、彼女が同じ街の住人だったことを知って自分たちの正体に気づかれたかもしれないという疑心暗鬼に陥ってしまう。そこでダグは、偶然を装ってクレアに近づき、事件についてそれとなく探りを入れ始めた。クレアは事件で心に深い傷を負っており、ダグはそんなクレアに対して次第に惹かれていく自分を抑えられなかった。決して交わることのないクレアとの出会いはダグ自身を変えていき、強盗から足を洗ってクレアと2人で“タウン”を出て行こうと考えるようになった。
 そんな中、FBI捜査官アダム・フローリーはダグたちにに目を付け、執拗にダグ一味の追求を開始した。一方、仲間たちはダグが足を洗い“タウン”を出て行くことを決して許そうとはしなかった。そして、大リーグスタジアム襲撃という、未だかつて無い危険この上ない最後の大仕事へとダグ一味は向かうのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    そのモアイ顔はハリウッドの嶋田久作(と私が勝手に呼んでいるだけだが)という形容がピッタリなベン・アフレックの監督2作目となる作品だが、初監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』は日本で公開されていないようで、これが日本の映画ファンにとっては初お目見えとなる作品のようだ。映画サイトのコメントを読んでみると結構評判がいいようだが、確かにつまらない作品ではないとは思う。けれども、「どこが面白い?」と尋ねられると返答に詰まってしまいそうだ。
 骨太な犯罪ドラマ、などという形容詞も見られるが、クライム・サスペンスならばもっと徹底して悪の道をひた走って欲しいし、FBI捜査官フローリーとの手に汗握る攻防戦にも期待したい。逆に人間ドラマとして見れば、仲間は皆いなくなってしまうのだから、最後にレベッカ扮するクレアから家に来るよう言われた時に、こっそりとタウンを出て行くのではなく、FBIが張り込んでいる中を、逮捕されることを承知の上でクレアに会いに行くくらいの強い想いを見せて欲しかった。
 この作品の最大の功績はと言えば、『プレステージ』ではスカーレット・ヨハンソンの影に隠れてしまい、『フロスト×ニクソン』では記憶にすら残っておらず(ゴメンナサイ)、『それでも恋するバルセロナ』では再度スカーレット・ヨハンソンとさらにはペネロペ・クルスまで加わった2大女優のためにやはり影に追いやられたレベッカ・ホールに脚光を当てたという点ではないだろうか。確かに、『それでも恋する〜』では2大美人女優、特に蠱惑的な美しさを誇るスカーレットの前に霞んでしまったものの、この作品で彼女をじっくり観てみたら、充分に主役を張れるレベルの端正な美貌の持ち主であることがわかる。
 この作品で共演したジェレミー・レナーは、昨年は『ハート・ロッカー』でオスカー主演男優賞に、今年はこの作品でオスカー助演男優賞にノミネートされているのだが、面白いのは英国アカデミー賞だけピート・ポスルスウェイトがノミネートされている点。このオヤジ、いつもクセのある印象の強い役柄を演じているのだが、この作品でも主演のベンちゃんなどより遙かに強いインパクトを残している。“イヤな奴”としてだとはいえ。