評 価
File No.
1365
製作年 / 公開日
2010年 / 2011年02月11日
製 作 国
日 本
監 督
曽利 文彦
上 映 時 間
131分
公開時コピー
日本中が熱狂した、魂の傑作漫画完全映画化
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
山下 智久
[as 矢吹丈]
伊勢谷 友介
[as 力石徹]
香里奈
[as 白木葉子]
香川 照之
[as 丹下段平]
勝矢
[as 西寛一]
モロ諸岡
[as 食堂の親父]
西田 尚美
[as 食堂の女将]
杉本 哲太
[as 安藤洋司]
虎牙 光揮
[as ウルフ金串]
中野 裕斗
[as 安藤の子分]
高橋 努
[as 安藤の子分]
畠山 彩奈
[as サチ]
倍賞 美津子
[as 花村マリ]
津川 雅彦
[as 白木幹之介]
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あ ら す じ
ドヤ街で暮らす元ボクサーの
丹下段平
は、ヤクザ者相手に大立ち回りを演じた流れ者の青年・
矢吹丈
のパンチに光るものを感じた。前科があったため刑務所送りとなった丈は、刑務所内でも収監早々に騒ぎを起こす。しかし、そこで彼のパンチが全く通用しない相手に出会うことになる。白木大財閥の会長・
白木幹之介
の孫娘・
白木葉子
が運営するボクシングジムのボクサー、
力石徹
がその相手だった。
ある時刑務所内でボクシングの模範試合が行われることとなり、丈は初めてリングの上で力石に相対することとなった。所詮はプロボクサーと素人、その実力の差は歴然だったが、力石のパンチを浴びて何度もダウンした丈だったが、段平から伝授されたただ一つの必殺技・クロスカウンターを放って、かろうじて相打ちの引き分けで試合を終えることになった。この日以来、丈と力石はいつか決着を着けるべく、互いにしのぎを削るようになるのだった。
出所した力石は圧倒的な強さで勝ち続け、一方の丈は、刑務所入りのきっかけとなったヤクザ者
西寛一
と共に段平が丈のために開設した丹下拳闘クラブで本格的にボクシングを始めることとなった。そして、伝家の宝刀とも言うべきクロスカウンターでデビュー戦をKO勝ちして以来、丈もまた負け知らずで勝ち上がり、2人の試合に強く反対する葉子をも押し切って、ついに丈と力石はリングの上で雌雄を決する時が訪れる・・・・・。
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たぴおか的コメント
スポーツを題材にした作品には弱く、しかもあの『あしたのジョー』となればそれだけですべてが許せる・・・・・なんて言いかねない私なのだが、なぜかこの作品は一度も熱くなることなく終始冷めた気分で観戦、じゃなくて鑑賞。確かに山ピーと伊勢谷友介の鍛え方はハンパじゃないし、そして何よりも香川照之のメイクはまさに丹下段平そのもので笑っちゃうくらい。白木葉子も、香里奈というよりは仲間由紀恵タイプの方が原作に近いイメージだと思ったが、観ているうちに彼女に感じる違和感も消えていった。にもかかわらず、なぜか熱くなれなかったのだ。
それにしても、伊勢谷友介の力石徹がこれほど様になっているとは思いもしなかった。なんでも力石さながらの減量に取り組んだとのことで、撮影が終了した途端、1日で5kgも体重が戻ったとか。ちなみに、作画担当のちばてつや氏がボクシングをよく理解せずに、力石徹を丈より大柄に描いてしまったため、設定の都合で力石徹に減量が必要になってしまったことが後に判明している。力石は本来のウェルター級の66kgからフェザー級の57kgまで、さらにそこからバンタム級の53kgまで、合わせて13kg以上という驚異の減量を行ったことになる(Wikipediaより)。そんな力石徹だが、一部ファンの間では絶大な人気を誇り、連載当時には講談社(少年マガジン連載のため)主催で実際に力石の葬儀も行われたというエピソードは有名だ。
原作者のちばてつや氏(正確には前述の通り作画担当だが)も絶賛したというこの平成版『あしたのジョー』だが、やはり帰着するのは果たして山ピーが矢吹丈として適役だったかという点だと思う。伊勢谷友介の力石は充分に合格点だし、香川照之の丹下段平に至ってはこれ以上のキャスティングはないのでは?とさえおもえるのだが、肝心の矢吹丈がやはり・・・・・彼なりに熱演しているのはわかるのだが、一生懸命に演じる熱意と役柄にふさわしいかというのは、申し訳ないが全く別物。もしかして冷静に分析すれば、単に私が山ピーを好きじゃないだけかもしれないが、彼を丈だと思えないのは事実なのだから仕方ない。とは言うものの、決して頭ごなしに「観る価値なし」なんて切り捨てるような作品ではなく、力石徹と丹下段平を観るだけでも結構鑑賞に堪え得る作品ではある。