評     価  

 
       
File No. 1370  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年02月25日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   マイケル・アプテッド  
       
上 映 時 間   112分  
       
公開時コピー   誰も知らないナルニアへ。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジョージー・ヘンリー [as ルーシー・ペベンシー]
スキャンダー・ケインズ [as エドマンド・ペベンシー]
ウィル・ポールター [as ユースチス・ペベンシー]
ベン・バーンズ [as カスピアン王]
ティルダ・スウィントン [as 白い魔女]
ローラ・ブレント [as リリアンディル]
ゲイリー・スウィート [as ドリニアン]
ビリー・ブラウント [as コリアキン]
テリー・ノリス ブルース・スペンス
アナ・ポップウェル [as スーザン・ペベンシー]
ウィリアム・モーズリー [as ピーター・ペベンシー]
シェーン・ランギ
アーサー・エンジェル
アアベラ・モートン
レイチェル・ブレイクリー
スティーヴン・ルーク
ナサニエル・パーカー
 
声 の 出 演   リーアム・ニーソン[as アスラン]
サイモン・ペッグ[as リーピチープ]
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あ ら す じ    ピータースーザンが両親と共にアメリカに渡ってしまい、残されたエドマンドルーシーのぺベンシー兄妹は、従兄弟であるユースチスの家に預けられていた。意地悪なユースチスとそりの合わないルーシーとエドマンドが居心地の悪い思いをしていたある日、2人の部屋に掛けられた帆船の絵が動き出し、絵からあふれ出してきた水に2人はユースチスもろとも飲み込まれてしまった。
 必死で水面に浮かび上がったそこはナルニアの海の上で、そんな3人に手を差し伸べてくれたのは今は立派な王となったカスピアンだった。カスピアンの船はナルニアを離れて消息を絶った亡き父の友人である七卿を探すために、彼らが消えた離れ島諸島へ向かう途中だった。こうして、ユースチスをも巻き込んでぺベンシーの3人は新たな冒険に乗り出すことになったのだった。
 離れ島諸島のいりみなと町に到着した一行は、町を支配していた奴隷商人に捕らえられ投獄されてしまうが、獄中で七卿のひとりベルン卿を見つける。ベルン卿によると、東の海に現れる緑色の霧に飲み込まれた人々が消失してしまうこと、そしてその霧の招待を調べるために他の六卿が船出したままやはり姿を消してしまったことを知らされる。そして、ベルン卿から父王が七卿に1本ずつ与えたというナルニアの剣を受け取ったカスピアンは、残る六卿を探し出すことを約束して、一行は次なる島へと向かった。
 一行が次に到着したのは、魔法使いのコリアキンが暮らす声の島だった。コリキアンは一行に、霧の向こう側には悪が潜んでいること、アスランのテーブルに7本のナルニアの剣を並べれば悪の魔法が解けること、そして、アスランのテーブルがあるラマンドゥの島へ行くには、目印となる青い星を見つける必要があることを告げられる。こうして一行は、果たして見つけることができるかもわからない青い星を探す当てもない航海に出るのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    第1章の『ライオンと魔女』、第2章の『カスピアン王子の角笛』はディズニー配給だったのに、なぜかFOXの配給に鞍替えをした今回の第3章。う〜ん・・・・・回を重ねるごとに作品がだんだんスケールダウンしているように感じるのは気のせいだろうか。もちろん、今回がシリーズ初の3Dとなった映像は、さすがに3D映画が氾濫している今では特に目新しく感じることもないものの、かと言って文句をつける筋合いもないのだが、問題は作品の中身だ。そもそも1作目でペベンシー兄弟姉妹のうち長女のスーザンが気に入ったと思ったら、彼女と長男のピーターは2作目でお役ご免、そのうえどうやらルーシーとエドマンドも次回作には登場しないとは・・・・・こうまで主人公が変わってしまうシリーズ作品も珍しい。ちなみに、おそらく次作では今回初登場したユースチスが主人公となりそうなのだが、あの小憎らしい顔つきがどうしても好きになれない(笑)。
 WBのファンタジー大作『ハリー・ポッター』シリーズがいよいよ今年の7月に完結し、『エラゴン』は1作で打ち切りの様相を呈しているし、『ライラの冒険』もすでに忘れ去られようとしている中、この『ナルニア国物語』も製作意欲が薄れてしまっているようにさえ思える。特に今回の3作目は今まで以上にCGに依存する割合が高く、おそらくは制作費も1作目に比べればかなりの割安で出来上がっているのは間違いないだろう。そして、ことにファンタジー作品となればCG抜きにしてはもはや製作は無理だとは百も承知の上で、それでもなお何から何までCGに頼るのはいかがなものかと思う。
 『ハリー・ポッター』のハリーとロン、ハーマイオニーのような決定的なヒーロー、ヒロインの存在が欠如しているのもこのシリーズの弱いところだ。いくら3作すべてに登場しているとはいっても、それがライオンのアスランではさすがに観客を引き留めるのは無理。カスピアン王(前作では王子だった)はルックスも悪くないが、残念ながら脇役。観客が観たいと思うのは「ナルニアがどうなるか」ではなく、「その登場人物がどういう冒険でどういう活躍をするか」なのだから、その興味の対象が作品ごとに変遷するようでは興味を持ち続けるのは難しいし、その辺りに「作品がスケールダウンしている」と感じた一因もあると思う。今のままではこのシリーズを最後まで観たいと思えるかどうかも怪しくなってきたし、それ以前に続編製作打ち切りなんてことにもならないとは言い切れない、そんな不安を感じたシリーズ3作目だった。