評     価  

 
       
File No. 1372  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年02月25日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ロジャー・ミッシェル  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   「私にはムリ」って、思ってない?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   レイチェル・マクアダムス [as ベッキー・フラー]
ハリソン・フォード [as マイク・ポメロイ]
ダイアン・キートン [as コリーン・ペック]
パトリック・ウィルソン [as アダム・ベネット]
ジェフ・ゴールドブラム [as ジェリー・バーンズ]
ノア・ビーン [as 最初のデートの相手]
ジェック・デヴィッドソン [as 犬の散歩をする近隣の人]
ジョン・パンコウ [as レニー・バーグマン]
マット・マロイ [as エミー・アップルビー]
パティ・ダーバンヴィル [as ベッキーの母]
タイ・バーレル [as トニー・マクビー]
ヴァネッサ・アスピラーガ [as アンナ]
ジェフ・ヒラー [as サム(9chプロデューサー)]
リンダ・パウエル [as ローアンヌ]
カーティス・“50 Cent・ジャクソン” [as Himself]
トニー・イエイヨー [as Himself]
ロイド・バンクス [as Himself]
 
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あ ら す じ    ローカル局で情報番組のプロデューサーを務めるベッキー・フラーは、ある日突然TV曲をクビになってしまう。そんな彼女にibsテレビから救いの手が差し伸べられ、願ってもない大チャンスが訪れたとばかりにベッキーは必死の思いで採用を勝ち取った。ところが、彼女がプロデューサーを担当することとなったのは、局のお荷物とも言うべき低視聴率の朝の情報番組“デイブレイク”だった。
 番組を立て直すためにメインキャスターのポールをクビにしたベッキーは、後任のキャスターとしてピューリッツァー賞、エミー賞をはじ受賞歴を誇る伝説の報道キャスター、マイク・ポメロイに白羽の矢を立てる。報道一筋に生きてきたプライドの高いマイクが朝の情報番組を引き受けるはずがない、誰もがそう思う中、ベッキーは局とマイクの契約書を利用して、見事マイクの大抜擢に成功する。
 ベッキーは一躍局の中でも注目を浴びることとなり、女性社員憧れのプロデューサー、アダム・ベネットからデートの誘いを受ける。そして、アダムに言わせるとマイクは世界中でイヤな奴第3位らしい。アダムの評価はまんざら嘘ではなく、プライドばかり高いマイクは報道以外の仕事はすべて拒否、パートナーのキャスター、コリーン・ペックは完全に無視する始末。、おかげで番組の雰囲気は最悪で視聴率は下がる一方、おまけに上司のジェリー・バーンズからは6週間で視聴率を回復しなければ番組を打ち切ると宣言されてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    タイトルには『恋とニュースの』とあるが、観てみると実は恋にはほんの添え物程度のウエイトしか置かれておらず、それよりもハリソン・フォード扮する過去のプライドから抜け出せないキャスターのマイクと、レイチェル・マクアダムス扮するプロデューサーのベッキーが、反発しながらも次第に絆と信頼を築いていくプロセスがメインに描かれていた。親子ほども歳の離れたこの2人じゃ恋に落ちるはずもなく、その辺りを補ううえでもパトリック・ウィルソン扮するアダムの存在は不可欠だったわけだね。
 『きみに読む物語』でお目にかかって以来注目していたレイチェル・マクアダムスがやっぱり抜群にいい。どちらかと言えばおとなしい役柄が多い彼女だが、この作品のベッキーのような活発な役柄の方が生き生きしていて、彼女の魅力が遺憾なく発揮されていると思う。そんな彼女の脇を固めるのが、ハリソン・フォード、ダイアン・キートンというベテラン勢だ。ハリソンにが偏屈なキャスターのマイクを好演していて・・・・・、と言うよりも、もしかしたら地で演じているのかもしれない、なんて思ったりする(笑)。『6デイズ/7ナイツ』のクインといい今回のマイクといい、彼のこれからの路線はこれに決まり!なんてね。
 また、ダイアン・キートンが、そんな自分勝手この上ないマイクにおそらくは「ムカッ!」としながらも番組を壊すことなく冷静に務めあげるコリーンという女性キャスターを見事に作り上げているね。マイクとコリーンが自分こそが番組を締めくくろうと“Bye”を繰り返すシーンには思い切り笑った。そう言えば、かの有名な映画評論家・淀川長治さんが最後に必ず「サイナラ、サイナラ、サイナラ」と3回繰り返して締めていたが、実は最初は回数が決まっておらず、視聴者が「今日は何回言うか」なんて賭の対象にしたために3回に固定したとか。そんなエピソードを思い出させるシーンでもあった。
 そんなマイクとコリーンに後押し(妨害?)されながらもせわしく動き回るベッキーが、観る者を全く飽きさせない。そして、最後にはやっぱりコリーンはもちろん、マイクも単に嫌な奴ではなかったというオチは、わかっていてもホロッとさせてくれる。アドリブでいきなりフリッターを作り出すマイクには驚かされたが、ベッキーのためについにプライドを捨てた彼には惜しみない賞賛を贈りたいね。