評     価  

 
       
File No. 1374  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年02月05日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ブラッド・アンダーソン  
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー   「闇」が人類を粛正する。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ヘイデン・クリステンセン [as ルーク]
タンディ・ニュートン [as ローズマリー]
ジョン・レグイザモ [as ポール]
ジェイコブ・ラティモア [as ジェームス]
テイラー・グルーサイス [as ブリアナ]
ジョーダン・トロヴィリォン [as 売店の女性]
アーサー・カートライト [as 警備員]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    夜のデトロイト。シネコンの映写技師・ポールは、突然の停電にロビーへと飛び出して愕然とした。ロビーには人一人見当たらず、あたりにはまるで人間だけが蒸発してしまったかのように衣服が散乱していた。そして、ただ一人の生存者と思われる警備員さえも、暗闇に何かを見つけて近寄った瞬間に、ポールの目の前で叫び声と衣服を残して消えてしまった。
 理学療法士のローズマリーは、明かりがすべて消えた病院内を駆け回っていたが、どこを探しても衣服が残されているだけで人影は全く見当たらなかった。ましてや、家から消えた彼女の赤ん坊・マニーの姿など、どこにもあるはずはなかった。
 その翌朝、TVレポーターのルークが目覚めると、外に出て我が目を疑った。辺り一面に衣服が散らばっているが歩行者の姿はなく、車はあちこちで事故を起こしているがドライバーの姿はなく、自分だけが別世界へ連れ去られたような無人の光景が目の前に広がっていたのだ。
 それから72時間後。午前11時頃だというのに太陽は昇らず、しかも電気が止まったままのために辺りは一面の闇に覆われた中、ルークは一軒の光が漏れるバーにたどり着いた。そこだけは非常用発電機のおかげで灯りが点いていたのだった。バーの中では黒人の少年ジェームスがひとり母の帰りを待っていた。そこへやってきたのは、夫が店の常連だったローズマリーで、マニーを夫が誘拐したのだと思い込みたくて店を訪れたのだった。さらに、外から助けを求める声が聞こえ、助けに向かったルークが連れ帰ったのは、頭から血を流し「奴らが来る」と怯えたポールだった。
 ポールの容態は思わしくなく、非常用発電機も間もなく力尽きようとしている中、ルークは停電した無人のTV局で突如受信された映像を思い出していた。それはシカゴからの放送で、男が「ライトを手放すな。闇から誘う声に騙されるな」と訴えていたのだ。生存者がいるかもしれないシカゴへ行くべきだと決意したルークは、6ブロック先に放置されているトラックを店まで押してきて店の発電機で充電しようと提案した。そして、ポールとジェームスを店に残し、ローズマリーと2人でトラックへと向かったが、2人の留守中にポールが闇の誘惑に負けて消失してしまい、ローズマリーもまた闇にかき消されてしまう・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    2月5日の公開だったこの作品、地元の劇場で公開される3月5日まで待っていたら今度は地震に見舞われ、結局終了間際になってやっと観ることができたのだが・・・・・残念ながら典型的なB級サスペンス作品だね、これは。登場人物が最小限に抑え込まれて、同様にCGも最近の作品にしては控えめ。主演が『ジャンパー』のヘイデン・クリステンセンだったから観ようと思ったわけで、もし彼ではなくもっと無名の俳優が主演だったら、劇場で観ようとは思わなかったかもしれない。
 謎を次々と提供するだけしておいて、何の解決もないのは不満が残る。果たして、人々を連れ去ったのは異星人なのか、それとも次元の裂け目や時間の裂け目といった超自然現象なのか。どう観ても何らかの意思が働いていることは明らかなので、おそらくは異星人というのが最もふさわしい回答だとは思うものの、だったらいったい何の目的があって人々を連れ去ったのか、また、何の理由があってある朝突然姿を消して(という表現が適切かは疑問だが)しまったのか。この怪奇現象が起きていたのは舞台となった7番街だけなのか、それともデトロイト全体なのか、あるいはミシガン州すべてなのか、さらにはアメリカ全土に及んでいるのか、それすらも不明だ。そして、最後に残ったのがなぜあの2人(どの2人なのかはもちろんここで書くわけにはいきません)なのか。謎を膨らませるだけ膨らませておいて筋道の通った理由付けが何もないとは、それを見せられたものには釈然としない思いだけが残るのも仕方ないだろう。
 ただ、闇の中から何者かが襲ってくる中、残された4人がどうなるのか、予断を許さない展開が観る者を退屈させない作品ではある。尺も91分と短めなのもその一因だろう。ひとつ注文をつけさせてもらえるならば、ジョン・レグイザモ扮するポールが、タンディ・ニュートン演じるローズマリーを「美人だ」と賞賛するのだが、だったらせめてロザリオ・ドーソンクラスの美人をキャスティングして欲しかったな。ヒロインが美人であればあるほど、彼女が襲われはしないかというハラハラ感が否が応でも高まるから。