評     価  

 
       
File No. 1376  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年03月05日  
       
製  作  国   アメリカ / フランス  
       
監      督   フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー   華麗な旅人には、危険な謎がある。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジョニー・デップ [as フランク・トゥーペロ]
アンジェリーナ・ジョリー [as エリーズ・クリフトン・ワード]
ポール・ベタニー [as ジョン・アチソン警部]
ティモシー・ダルトン [as ジョーンズ主任警部]
ルーファス・シーウェル [as 英国人男性]
スティーヴン・バーコフ [as レジナルド・ショー]
クリスチャン・デ・シーカ
アレッシオ・ボーニ
ジョヴァンニ・グイデッリ
ラウル・ボヴァ
ブルーノ・ウォルコウィッチ
 
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あ ら す じ    パリ。警察の絶え間ない監視にさらされながら、エリーズ・クリフトン・ワードはカフェで恋人アレクサンダー・ピアースからの手紙を受け取ると、警察の尾行を振り切って地下鉄に乗り込んだ。彼からの手紙には、リヨン駅発8:22の列車に乗り込み、自分に似た背丈の男と行動を共にしろと書いてあったのだ。
 列車の中でエリーズの目に留まったのは、アメリカ人のツーリストフランク・トゥーペロだった。エリーズは早速フランクに声をかけ、フランクもこの突然の同伴者に戸惑いながらも、2人は共に水の都・ベニスを目指すことになった。しかし、その列車の中にも警察の目が光っており、フランクの顔写真はすぐさまパリ警察へ転送された。ある事件で指名手配をされたピアースはその後整形手術を受けており、警察はもちろんのことエリーズさえもピアースの現在の顔を知る者はいなかったのだ。ところが、その顔写真を警察が照会した結果、彼はアレクサンダー・ピアースとは縁もゆかりもないアメリカ人の数学教師であることが判明した。
 ところが、ここで手違いが起きる。パリ警察内にはギャングの大物・レジナルド・ショーの内通者がおり、フランクの写真をピアースのものだとしてショーに送ってしまったのだ。ベニスに着いたエリーとフランクは、彼女が予約していた最上級のホテルのスイートに泊まることとなった。そして、23億ドルもの大金を持ち逃げされたためにピアースを血眼で探していたショーもまたベニスを訪れ、2人の行動はショーの手下の監視下に置かれることとなった。
 翌朝フランクが目を覚ますと、エリーズは既にホテルをチェックアウトした後だった。そしてそこへ、銃を持ったショーの手下2人が襲ってきた。パジャマのままで窓から逃げ出したフランクは、かろうじて追っ手を振り切ったが、地元の警察に拘束されてしまう。そしてそこでフランクは、自分がギャングのショーから23億ドルを奪って逃走したアレクサンダー・ピアースという男に間違われて追われていることを知らされるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの共演だけが売りという印象が強く、中身にはあまり期待していなかったのだが、いい意味で期待を裏切ってくれた作品ではあった。ただ、帰宅してから調べてみたところ2005年のフランス映画『アントニー・ジマー』(日本未公開)のリメイクであることを知り、せめてこれだけ話題の2人が初共演するのだから、作品もリメイクなどではなくオリジナルを提供してほしかったものだと思う。ちなみに、もしこれから『ツーリスト』を観ようと思っているならば、極力オリジナルの『アントニー・ジマー』は観ずに劇場に臨むことをお勧めしたい。
 ジョニー・デップ扮するフランクがエリーズに一目惚れして、何も役に立たないのにもかかわらず自ら危険へと飛び込んでいくお人好しというかバカな男、そして対するアンジー扮するエリーズは謎を秘めたミステリアスさでフランクを手玉に取る、これが冒頭からの2人の関係なのだが、クライマックスではとんでもないどんでん返しが用意されていて、そこがこの作品の最大の見所となっている。もっとも、勘が働く人であれば、もっと早い時点でこの作品の陥穽を見抜けるかもしれないが、警察のデータという権威に盲従してしまった私はまんまと一本取られた形となってしまった。
 舞台となったベニスの景観が美しく、そんな風情のある背景で血なまぐさい殺人は似つかわしくない。というわけで、殺しのシーンも少なくしかも血を見るシーンが一切ないというのは、この作品がやはりサスペンス作品と言うよりも二大スターが競演する娯楽大作として観るべきだ。まぁ、個人的にはトム・クルーズとキャメロン・ディアスの『ナイト&デイ』の方が好きだけどね。