評     価  

 
       
File No. 1379  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年03月12日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ネイサン・グレノ / バイロン・ハワード  
       
上 映 時 間   101分  
       
公開時コピー       

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト
(声の出演)
  マンディ・ムーア [as ラプンツェル]
ザカリー・リーヴァイ [as フリン・ライダー]
ドナ・マーフィ [as ゴーテル]
ブラッド・ギャレット [as フックハンド]
ジェフリー・タンバー [as ビッグノーズ]
M・C・ゲイニー [as 警護隊長]
ポール・F・トンプキンス [as ショーティー]
ロン・パールマン [as スタビントン兄弟]
リチャード・キール [as バルド]
 
日本語吹替   中川 翔子[as ラプンツェル]
畠中 洋 [as フリン・ライダー]
剣 幸 [as ゴーテル]
岡田 誠 [as フックハンド]
石原 慎一 [as ビッグノーズ]
佐山 陽規 [as 警護隊長]
多田野 曜平 [as ショーティー]
飯島 肇 [as スタビントン兄弟]
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あ ら す じ    不老不死の不思議な力を持つ黄金の花を見つけた老婆ゴーテル。彼女はその力を独り占めして長い年月を生き延びてきた。ところが、王国の女王が重い病にかかってしまい、王の命令のもと差し向けられた捜索隊によって黄金の花が見つけられ、花から作られた薬によって病を克服した女王は無事女の子を出産した。
 黄金の花を奪われてしまったゴーテルは城に忍び込むと、生まれたばかりの赤ん坊の見事な金色の髪に花と同じ効力があることを知る。ところが、ゴーテルが髪を切って持ち帰ろうとすると、切り取った髪だけではなく先を切り取られて残った髪までもたちまち黒く変色してしまい、力を失ってしまった。そこでゴーテルは、女の子をさらって逃げ出し、以来ゴーテルと王女の行方を知る者は誰もいなかった。そこで王国では毎年、王女の誕生日に無数の灯りを空へ飛ばし、王女の帰還を祈るようになった。
 深い森に囲まれた高い塔のてっぺんに、ひとりの美しい少女が住んでいた。彼女の名はラプンツェル、生まれてから18年の間塔から外へ出たこともなく、母親以外の人間に会ったこともなかった。そして、彼女が母親だと思い込んでいたのは、言うまでもなく彼女を城からさらったゴーテルで、今もなおラプンツェルの髪の魔法の力を独り占めしていたのだった。そんなことを知る由もないラプンツェルは、18年もの間母親の言いつけを固く守って、塔の中で生きてきたのだった。
 そんなラプンツェルの元へ、ある日思わぬ来客が訪れる。彼の名はフリン・ライダー、城からティアラを盗んで逃げている最中に、偶然この塔にたどり着いたのだった。ラプンツェルはフリンに対して、ある取引を申し出た。それは、フリンにティアラを返す代わりに、毎年自分の誕生日に見える無数の灯りの場所まで自分を連れて行って欲しいというものだった。フリンは渋々ながらラプンツェルの頼みを聞き、彼女を連れて塔から脱出するのだった。
 ティアラを盗まれた城からの追っ手や、彼が抜け駆けした盗賊仲間のスタビントン兄弟、さらにはラプンツェルが塔を抜け出したことに気づいたゴーテルらが2人を執拗に追う中、ラプンツェルはフリンと共に幾多の危険をくぐり抜け、やがて彼女自身に隠された秘密を解き明かすことになるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    初日のレイトショーを予約していたのだが、例の地震で劇場自体が休館となったために、半ば観ることを諦めかけていたのだが、20日(土)より営業が再開となったために1週間遅れてやっと観ることができた。結論から言うと、今までに観たPIXER制作作品も含めたディズニーアニメの中で、この『ラプンツェル』が最も気に入った(『ファインディング・ニモ』なんかよりも遙かにいい)。そもそもディズニーのアニメって、キャラクターがいかにもアメコミ的で好きになれなかったのだが、この作品のラプンツェルは表情が豊かでしかも日本人の基準で評価しても間違いなく可愛い。特に、彼女のエメラルドグリーンの大きな瞳はあまりに印象的で、しばらく脳裏から離れそうもない。あいにく日本語吹替版のみの上映で、最初はラプンツェルが喋るたびにショコタンの顔が浮かんで仕方なかったが、それもすぐに気にならなくなった。
 盗賊のフリン・ライダーのナレーションで物語が進行するのだが、冒頭でいきなり「自分が死ぬまでの物語」なんてコメントがあったのにはちょっと驚いた。ディズニー作品で主人公が死んでしまうなんてことがあるのだろうか?という疑問がまず頭に浮かんだのだが、それもあっという間に物語に引き込まれて忘れてしまう。ラプンツェルとフリンが道中で出会う人々が誰も皆いい人たちばかりなのはいかにもディズニー作品らしい。そして、観ている側はラプンツェルの母がゴーテルであることを知っているから、真実を知らずに母とフリンの間で気持ちが振り子のように揺れ動くラプンツェルにやきもきさせられ、「早く気づけよ!」と言ってやりたくて仕方なくなることは請け合いだ(笑)。
 ラプンツェルが仲良くしているカメレオン(名前は忘れた)が時々ちょっとした小ネタを提供してくれるのがいい息抜きになっている。また、ティアラを追跡していた城の馬が、後半であれほどの役割を果たすとは思ってもみなかった。それにしても、CGを駆使したアニメーション技術の進歩は驚くべきで、子供の頃の私がこの作品を観たならば、実写なのかアニメなのか一瞬判別に苦しんだかもしれない。空に無数の灯りが昇っていくシーンは圧巻で、幻想的でさえある。家族連れにも自信をもって勧めることができる秀作だ。