評     価  

 
       
File No. 1380  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年03月18日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョエル・コーエン / イーサン・コーエン  
       
上 映 時 間   110分  
       
公開時コピー   天罰なんか待ってられない  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジェフ・ブリッジス [as ルースター・コグバーン]
ヘイリー・スタインフェルド [as マティ・ロス]
マット・デイモン [as ラビーフ]
ジョシュ・ブローリン [as トム・チェイニー]
バリー・ペッパー [as ラッキー・ネッド・ペッパー]
ブルース・グリーン [as ハロルド・パーマリー]
デイキン・マシューズ [as ストーンヘイル]
ジャーラス・コンロイ [as 葬儀社経営者]
ポール・レイ [as エメット・クィンシー]
ドーナル・グリーソン [as ムーン]
エリザベス・マーヴェル [as 40歳のマティ]
レオン・ラッサム [as 保安官]
 
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あ ら す じ    14歳の少女マティ・ロスは、父親を雇い人のトム・チェイニーに撃ち殺されたとの知らせを受け、オクラホマ州フォートスミスへ遺体を引き取りに訪れた。そして、わずか2枚の金貨のために父を殺したチェイニーに罪を償わせることを誓ったチェイニーは、そのままフォートスミスに留まり彼女に力を貸してくれそうな“トゥルー・グリット(真の勇者)”を探し始めた。
 噂によるとチェイニーは、お尋ね者の悪党・ラッキー・マッド・ペッパーの仲間に入り、今は住民の区域に潜んでいるという。そんなチェイニーを探し出すという危険な仕事を依頼する相手として彼女の目に留まったのは、酒浸りの連邦保安官ルースター・コグバーンだった。マティはコグバーンにチェイニーの捕獲を頼んでみたが、コグバーンはマティを子供扱いして全く聞く耳を持たなかった。一方で、マティを訪ねてテキサス・レンジャーのラビーフと名乗る男が現れる。彼は別の罪でやはりチェイニーを追っていたのだ。しかし、彼の目的はチェイニーをテキサスへ連れ帰りテキサスの州法に則って裁くことで、どうしても父親を殺した罪で罰したいマティは、さらに強くコグバーンを説き伏せようと決意した。
 彼女の思いが通じてか、コグバーンはチェイニーを探すことを承知し、マティは彼に自分も同行することを条件に前金の50ドルを支払う。ところが当日の朝、マティがコグバーンを訪ねるともぬけの殻で、すでに彼は出発したという。マティは急いでコグバーンを馬で追い、ラビーフと連れだっていたコグバーンに追いつくのだった。こうして、奇妙な組み合わせの3人組のチェイニーを探し求める過酷な旅は始まるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    スティーヴン・スピルバーグの制作総指揮の下、『ノーカントリー』のコーエン兄弟がメガホンを取った作品。ゴールデングローブ賞では全くノミネートすらされなかったにもかかわらず、アカデミー賞では作品賞・主演男優賞を筆頭に何と10部門でノミネートされ、でも蓋を開けてみたらやっぱり1部門も受賞できなかったという、ことアワードに関しては訳のわからない評価を受けているようだ。
 個人的にはこういう作品は嫌いじゃない。ジェフ・ブリッジスはこの作品のような酒とタバコをこよなく愛するアウト・ローといった役柄が実にハマリ役で、彼以上にこの役柄にふさわしい俳優は考えつかないほどだ。古きよき時代のアメリカのノスタルジックな人間臭さ、それが彼ジェフ・ブリッジスの最大の持ち味だ。そして、『ザ・ファイター』のメリッサ・レオは当然ながらまだ観ていないものの、この作品を観たら助演女優賞は是非この作品のヘイリー・スタインフェルドに獲らせてあげたい、そう思わずにはいられないほど新人離れした堂々としたマティの演技は圧巻だ。個人的には正直に好みと言いかねるルックスが玉に瑕だけどね(笑)。
 強烈なインパクトのある2人に挟まれて、マット・デイモンがやけにおとなしく見えてしまう。ジェフが「動」であるのに対して「静」といった立場に甘んじてはいるものの、やっぱりクライマックスでの見せ場はちゃんと心得ているようだ。コグバーンがマティを抱きながら歩き、やっと灯りが見えた・・・・・ところで終わりにした方が私個人としては良かったように思える。なぜって、年老いてしかも片腕を失ったマティの姿は見たくなかったから。それに、子供の頃にあれだけ可愛かったマティが、40歳になってああなるとはとうてい思えない。もちょっと、美人の女優を選べなかったものだろうか。