評     価  

 
       
File No. 1381  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2011年02月05日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   パク・チンピョ  
       
上 映 時 間   121分  
       
公開時コピー   してあげたいことが、たくさんあったのに。
ありがとう ごめん 愛してる
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ハ・ジウォン [as イ・ジス]
キム・ミョンミン [as ペク・ジョンウ]
イム・ハリョン
イム・ソンミン
ナム・ヌンミ
チェ・ジョンリュル
シン・シネ
イム・ジョンユン
イム・ヒョンジュン
キム・ヨジン
カン・シニル
 
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あ ら す じ    父親が経営する葬儀社で働くジスの元へある日、亡くなった母親を送るために車椅子の青年が訪れた。ジスは気づいていなかったが、その青年ジョンウは幼い頃にジスと同じ町で暮らしていた幼なじみだった。久しぶりに再会した2人は、ジョンウがルー・ゲーリック病とも呼ばれるALSという難病に冒されていること、ジスは一度結婚を経験した出戻りであることなどを打ち明け合った。そして、ジョンウはジスに交際を申し込んだ。
 ジスはジョンウの素朴な優しさに惹かれ、彼の申し出を受け入れる。そして、藁をもすがる気持ちで中国の気功療法を受けたジョンウの病状は改善され、松葉杖の助けを借りながらも自分の脚で歩けるほどになった。しかしそれは一時的な状態に過ぎず、ジョンウは再び車椅子の世話にならざるを得なくなった。そんなジョンウをジスは鍼治療に連れて行くが、医師免許を持たない怪しげな鍼治療のためにジョンウの容態は急変し、そのまま入院することとなってしまった。そして担当医から、彼はおう動けないかもしれないという過酷な宣言を受けてしまう。
 6人部屋に収容されたジョンウの体を、ALSは無情にも確実に蝕んでいく。ジョンウの体は痩せ細り、次第に関節と内臓の筋肉も固くなって感情をコントロールできなくなるという担当医の言葉通り、ジョンウは弱音を吐き、時にジスに対して暴言を投げかけることすらあった。そして、彼の病状の進行は早く、やがて言語障害という最悪の事態が訪れるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    2006年の『デュエリスト』以来、久しぶりのハ・ジウォンの主演作で、2009年に本国で封切られたこの作品は、キム・ミョンミンが韓国で最も権威のある大鐘賞と青龍賞で主演男優賞をW受賞し、ハ・ジウォンもまた青龍賞の主演女優賞に輝いたなど、その年の映画賞を総なめしたという話題作だったのだが、個人的には1月に公開されたキム・ユンジンの『ハーモニー 心をつなぐ歌』の方が感動したし、良かったように思える。
 この作品に登場するルー・ゲーリック病とは、正式名称を筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis、通称ALS)といい、運動神経のニューロンが異変を起こし死滅するために能から筋肉へ指令が伝わらなくなり、やがて呼吸筋麻痺により死に至るという難病とのこと。現在のところ、まだ有効な治療法は見つかっておらず、人工呼吸器により延命する意外には為す術がないようだ。
 ALSという難病をモチーフにしてまで、観ている者を泣かせるためには手段を選ばないのかと揶揄したくなる韓流映画ではあるが、ウエイトを落としてまでこの役柄に打ち込んだキム・ミョンミンの迫真の演技には素直に賞賛の意を贈りたい。これが白血病や癌であればまだしも、ALSという一般的にはまだ良く知られていない病気では、演じるのにも相当な苦労を伴っただろうと思う。
 そしてやはり、ジョンウを甲斐甲斐しく支え続けたジスをの決して諦めない強さと明るさにはさすがに心を打たれる。演じているハ・ジウォンの持ち味が遺憾なく発揮されていて、これ以上はない適役と言っていいかもしれない。危篤状態のジョンウに対して婚姻届に判を押させようとするシーンや、静かにジョンウにエンジェル・メイクをするシーンは彼女の見せ場であると同時に、この作品自体の最大のクライマックスだ。