まずは、『処刑教室』なんていう見当違いとも言うべき邦題に文句を言いたい。原題の“ASSASSINATION OF A HIGH SCHOOL PRESIDENT”は直訳すれば“高校生徒会長の暗殺”ってことになるけど、“暗殺”といっても本当に殺すわけではなく、あくまでも生徒会長という地位から失墜させるというもの。まして、処刑などという物騒な行為などは行われない。
そして、キャスティングも納得できない。ただでさえ実年齢よりも年上に見えるミーシャ・バートンが、まさか高校生を演じるなどとは夢にも思っていなかっただけに、リース・ダニエル・トンプソン演じる主人公・ボビーのクラスメイトとしてミーシャが登場した時にはまさに呆然自失、開いた口がふさがらなかった。また、ブルース・ウィリスの校長先生というのも、最後まで違和感がつきまとって仕方なかった。ちょっと偏執的な粘着質の校長という役柄であれば、私だったら間違いなくジョン・マルコヴィッチをキャスティングしていただろう。きっと、期待を上回る怪演を見せて楽しませてくれたはずと思うだけに残念だ。
扇情的な邦題とは異なり、中身はザック・エフロン(日本だったら三浦春馬かな)が主演したら似合いそうな学園物だ。「答案を盗んだ犯人は誰か?」という謎解きを基調にして展開されるストーリーは、随所にコミカルな味付けがされているものの、直接謎解きとは関係ないシーンでは中だるみを感じてしまう。そして、クドいようだがマドンナ役がミーシャ・バートンというのが許せない・・・・・つーか、ハッキリ言ってあり得ない。今が旬の女優クリステン・スチュワートあたりにフランチェスカを演じさせればもっと興味を惹かれただろうが、まぁそれは無理な相談だろうね(笑)。