t 『ガリバー旅行記』 in たぴおかの雑の鉄人

 
       
       
評     価  

 
       
File No. 1393  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年04月15日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ロブ・レターマン  
       
上 映 時 間   85分  
       
公開時コピー   そこは、本当の大きさを
教えてくれる国。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジャック・ブラック [as レミュエル・ガリバー]
エミリー・ブラント [as メアリー王女]
アマンダ・ピート [as ダーシー・シルバーマン]
ジェイソン・シーゲル [as ホレイショ]
ビリー・コノリー [as セオドア王]
クリス・オダウド [as エドワード将軍]
T・J・ミラー [as ダン]
ジェームズ・コーデン [as ジンクス]
キャサリン・テイト [as イサベラ女王]
エマニュエル・カトラ [as レオポルド王]
オリー・アレクサンデル [as オーガスト王子]
 
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あ ら す じ    ニューヨークの新聞社でメール配達係をするレミュエル・ガリバーは、失敗を恐れるあまり何事も挑戦する前に諦めてしまう生き方が染みついてしまっていた。記者になるという夢も、密かに片想いをしているダーシー・シルバーマンに思いを告げることも。そんなガリバーに、ある日思ってもないチャンスが訪れる。Webや旅行ガイド誌からパクッた記事がダーシーの気に入り、彼女からバミューダ・トライアングルの取材を任されたのだ。
 颯爽と意気込んで単身バミューダ・トライアングルに訪れたガリバーだったが、そこで竜巻のような強烈な海のうねりに飲み込まれて遭難してしまう。ガリバーがたどり着いたのは、小人たちの王国リリパットで、エドワード将軍からケダモノ扱いされたガリバーは牢に繋がれてしまう。そしてそこで、メアリー王女に対して愛を告白した罪で囚われていたホレイショと仲良くなる。そして、敵国が襲撃してきた折、体の大きさを生かして王を助け出したガリバーはホレイショと共に解放され、一転して英雄扱いを受けるようになった。そして、小心者のガリバーは、リリパットの人々から尊敬されるほどに図に乗って、ますます態度が大きくなっていくのだった。
 ところがある日、敵国に寝返ったエドワード将軍が、巨大なロボットを操ってリリパットに攻め入ってきた。大きな態度でこれを迎え撃つガリバーだったが、いとも簡単にロボットに対して負けを認めてしまい、王国中の信頼を失ったガリバーは筏に縛られて海へと追放されてしまう。そして、ガリバーがたどり着いた島は、リリパットとは逆の巨人の島で、ガリバーはそこで女の子の玩具として囚われの身となってしまう。そんな折、ガリバーを追うようにダーシーがリリパットに漂着する。ホレイショはそのことを知らせにガリバーの元へとたどり着き、もう一度王国を救うために立ち上がるよう説得するのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ご存じ『ガリバー旅行記』をジャック・ブラックを主演に据え、最新のCG技術を駆使してリリパットの世界を描いた3Dコメディ作品。この作品を観るにあたっては、古典の『ガリバー旅行記』そのままを想像してはいけない。なぜなら、ジャック・ブラックが主演のみならず制作総指揮にも名を連ねているのだから、彼のアクの強い演技が満載の“オレ流ガリバー”になっていることは、容易に想像がつくから。
 ニューヨークでは新入社員にも追い抜かれてしまううだつの上がらないメール配達係だったガリバーが、憧れの人ダーシーに対していい格好をしようとして嘘をついて・・・・・というのはよくあるパターンだが、そんな人間として小さなガリバーがリリパットの国で文字通り大きな人間になってしまい、態度までデカくなっちゃう。英雄気取りで国をどんどん自分の思うように変えてしまい、リリパットがまるでブロードウェイであるかのように様変わりしてしまうのは面白い。でも、敵国のロボットの前にプライドもかなぐり捨てていとも簡単に降参してしまう辺りは、やっぱり元の小さいままのガリバーなんだよね。
 ガリバーがついた下手な嘘はすぐバレるもので、そのためにダーシーから愛想を尽かされてしまうのだが、そのダーシーまでがリリパットの国にやって来るとは全くの予想外だった。でもそうなったからこそガリバーがリリパットで体験した事実を信じてもらえただろうし、ダーシーと仲直りするばかりか恋人になることもできたわけだ。もしダーシーが訪れていなかったら、NYに戻ったガリバーはダーシーにとっては誇大妄想の大嘘つきでしかなかっただろうから。
 エミリー・ブラントのちょっとわざとらしくも思える演技が、いかにもリリパットの王女といった風情で似合っている。普通はヒロインは主人公と結ばれるものだが、さすがにガリバーとメアリー王女ではサイズが違いすぎる(笑)。そこでガリバーは、図体はデカイがちょっと女々しいホレイショと王女のキューピッド役に徹するわけで、王女に対して横恋慕してくるエドワードも絡んで、こちらの恋の行方からも目が離せない。
 作品がFOXの配給だから、『タイタニック』や『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』をあんな風に使えるのも面白く、ガリバーの大嘘とも相まって思わず笑ってしまった。