評     価  

 
       
File No. 1396  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年04月23日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   佐藤 信介  
       
上 映 時 間   141分  
       
公開時コピー         

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   二宮 和也 [as 玄野計]
松山 ケンイチ [as 加藤勝]
吉高 由里子 [as 小島多恵]
本郷 奏太 [as 西丈一郎]
夏菜 [as 岸本恵]
千阪 健介 [as 加藤歩]
白石 隼也 [as 桜井弘斗]
緑 友利恵 [as 山本真子]
玄覺 悠子 [as 坂野理沙]
若葉 竜也 [as 高橋光輝]
阪田 マサノブ [as 小林新一]
越村 友一 [as 中村孝太]
橋本 まつり [as 玉男]
綾野 剛 [as 黒服・壹]
水沢 奈子 [as 黒服・参]
奥瀬 繁 [as 黒服・弐]
平野 靖幸 [as 黒服・肆]
大石 将史 [as 黒服・伍]
神威 杏次 [as 黒服・陸]
戸田 菜穂 [as 北倉玲子]
伊藤 歩 [as 鮎川映莉子]
田口 トモロヲ [as 鈴木良一]
山田 孝之 [as 重田正光]
 
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あ ら す じ    加藤勝岸本恵を失ったおこりんぼ星人との戦いから5ヶ月が経過し、“100てんめにゅ〜”で死んだ者を生き返らせることができると知った玄野計らは、誰も失わない戦いを続けながら点数を積み重ねていた。そしてある日、100点まであと一歩まで迫った玄野は、自分が100点を取って生き返らせようと思っていた加藤と再会し、その不可解な復活に疑問を感じる。
 トップモデルでもあり女優としても活躍する鮎川映莉子の元に、ある日小さな黒い玉が送られてきた。そして映莉子は、その黒い玉、ガンツボールに命じられるがままに“鍵”を一つずつGANTZの元へと送り届けていく。3つの“鍵”を送った映莉子が次に命じられた4つ目の“鍵”、それは玄野の大学の同級生であり、玄野を慕う小島多恵だった。映莉子はガンツボールから教えられた場所へ、4つ目の“鍵”である多恵を探しに向かう。果たしてガンツボールの目的は何なのか。そして、4つの“鍵”とは何なのか。
 新たに3名のメンバーが加わった玄野たちに下された次のミッションは、黒服星人を倒すことだった。ところが、転送された先は地下鉄の車内で、駅に着いた電車には大勢の乗客が乗り込んできた。そしてその中には、多恵と彼女を追ってきた映莉子、そしてどこからともなく集まってきた謎の黒服の一団もいた。黒服の一団は玄野たちGANTZのメンバーを見つけるや否や、相手が一般客であろうが誰であろうが容赦なくマシンガンを撃ちまくってくる。応戦するGANTZのメンバーと黒服のバトルは未だかつてない壮絶なものとなり、メンバーはミッションを達成したものの多くの一般人をバトルに巻き込んでしまい、膨大な数の犠牲者を生んでしまった。
 ミッションが終わりGANTZの部屋へと呼び戻された玄野たち。そこへ、映莉子が転送されてくる。彼女も何者かに殺されてGANTZに召還されたのだ。そして映莉子は驚くべきことに、GANTZに映された死者の一覧を見て、自分を殺したのが加藤だと言う。そこで、点数が100点を超えた鈴木良一が加藤を生き返らせると、加藤には自分が映莉子を殺したことはもちろん、つい先日玄野と再会したことさえ記憶になかった。もう一人の加藤は星人だったのだ。
 映莉子を含む新メンバーの4人は、自分たちがかつてGANTZの戦いを卒業し、100点を取って記憶を消されて元の世界に戻っていたことを思い出す。明らかに今までとは違うGANTZのやり方に疑問を覚えた玄野は、自分が取った100点で田中星人との戦いで死んだ西丈一カを生き返らせ、GANTZの異変についての説明を求めた。そして、玄野の質問に対する西の答えは、GANTZが電池切れ間近で間もなくストップするだろうという、驚くべきものだった。そうなってしまっては、GANTZによって生かされているメンバーは一人残らず消滅してしまう。焦る一同に対して追い打ちをかけるように立て続けにGANTZが下したミッションのターゲットは、あろうことか多恵だった。しかも、ミッションを達成した者には100点を与え、それ以外の者はすべて得点を没収されるという条件付きだった。
 こうして、一刻も早く元の世界へ戻りたい映莉子たちと、多恵を守ろうとする玄野や加藤、鈴木たちの2派に分裂し、内部抗争ともいうべき戦いが始まってしまう。一方、黒服の一派も別の目的のために、やはり多恵を追っていた。そして、多恵を連れて逃げる玄野の前に、黒服が姿を変えた偽の加藤が立ちはだかる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    前作の『GANTZ』に星8個を付けたのだが、この作品を観て初めてなぜそこまで高く評価をしたのか、その理由がやっとわかった。どうやら夏菜の存在が相当な、というよりも、極めて大きなウエイトを占めていたらしく、この作品でも彼女がどう絡んでくるか楽しみにしていたのに、ラストでほんのワンシーンだけの登場には正直ガッカリ。彼女の代わりにメイン・キャラとなった鮎川映莉子では、私にとっては今ひとつ役不足だったし(笑)。
 地下鉄の中で繰り広げられる黒服とのバトルは圧巻。表情一つ変えずにGANTZのメンバーも一般乗客もお構いなしに銃を撃ちまくり、倒されても倒されてもターミネーターのように起き上がってくる、綾野剛扮する黒服・壹がコワイ。また、『赤んぼ少女』とは打って変わった過激なバトルを見せてくれる水沢奈子もカッコよくて、彼女にはできればGANTZ側のメンバーを演じて欲しかったものだ(笑)。そして、前作の夏菜の代わりとばかりに大活躍の、吉高由里子扮する小島多恵。ああいうオドオドとした内気な女の子を演じさせると、彼女は実に上手い。瀕死の重傷を負いながら玄野へと這い寄るシーンは、思わず胸に迫るものがあった。
 それに比べて、相変わらずダメダメで興ざめも甚だしいのが西丈一郎を演じた本郷奏太の演技。あの表情の作り方の不自然なことといったら、ハッキリ言って見苦しい以外の何物でもない。彼が星人に殺された時には、思わず星人に「よくやった!」とエールを送りたくなったほどだ。言っちゃ悪いが、小学校の学芸会でももうちょっとマシな演技をすると思う。
 今回も141分と若干長めの尺だったのだが、内容を詰め込みすぎているせいか、前半は戸惑うことがしばしで理解に苦しむ点もあった。山田孝之扮する重田正光が何者なのか、彼と黒服たちはどういう関係なのか、ガンツボールが何を意味するのか、それを持つ映莉子が何者なのか、そして、戸田菜穂がどこに出演していたのか(この点については未だにわかっていない ^-^;)。また、なぜ多恵がGANTZのターゲットにされたのか、その場では納得したもののあまりにこじつけっぽくてすぐに忘れてしまった。子供も観る作品なのだから、もう少しわかりやすく説明して欲しかったが、おそらくそうなると2部作では収まりきらなかったのだろうな。
 まるで『マトリックス』シリーズの完結編『レボリューションズ』を思わせるようなラストシーンには、どうしても不満が残る。せっかくラストにこぎ着けるまでにこれでもかと言わんばかりのハードさで展開してきたのに、ああいう結末で締めくくられると、そこまでに積み重ねてきた物がすべて瓦解してしまいそうに思えるのは私だけだろうか。原作のコミックスは未だに連載中とのことだから、どうせ原作通りの終わり方でないんだから、無理矢理まとめ上げなくても良かったように思えるのだが。