評     価  

 
       
File No. 1400  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年04月29日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   リサ・チョロデンコ  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   青空の下、共に生きる。
家族になる。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジュリアン・ムーア [as ジュールス]
アネット・ベニング [as ニック]
マーク・ラファロ [as ポール]
ミア・ワシコウスカ [as ジョニ]
ジョシュ・ハッチャーソン [as レイザー]
ヤヤ・ダコスタ [as タニヤ]
クナル・シャーマ [as ジャイ]
エディ・ハッセル [as クレイ]
ゾーシャ・マメット [as サーシャ]
ホアキン・ガリード [as ルイス]
レベッカ・ローレンス [as ブルック]
リサ・アイズナー [as ステラ]
エリック・アイズナー [as ジョエル]
サーシャ・スピルバーグ
ジェームズ・マクドナルド
 
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あ ら す じ    女医のニックとその患者だったジュールス、その2人が結婚し、今では18歳の娘・ジョニと15歳の息子・レイザーとの4人で暮らしていた。ジョニは大学進学が決まり、寮生活を送ることが決まっていたため、この夏は家族4人で過ごす最後の夏だった。
 ある時レイザーは、18歳になって自分の出生について知る権利を得たジョニに、自分たちの父親を知りたくないかと持ちかける。ニックとジュールスの気持ちを考えたジョニはレイザーをたしなめたものの、結局は父親の存在が気になりレイザーと2人で会う約束を取りつけてしまう。初めて会った生物学上の父親・ポールは、レストランを経営する気ままな独身男性で、ジョニは気さくなポールとすぐに打ち解けた。
 子供たちがポールと会っていることを知ったニックとジュールスは、そのことで子供たちと揉める前に先手を打ってポールを食事に招くことにした。持ち前の明るさと気さくさで家族に溶け込んでいくかのようなポールを不安な思いで見るニックをよそに、ジュールスはポールから自宅の庭の造園の仕事を依頼されて快くこれを引き受けた。
 ところが、ポールの家で仕事をすることになったジュールスは、ニックからは得られない男の魅力に屈して、ポールと体を重ねてしまう。しかも、家族4人でポール宅のディナーに訪れた時にニックは、ひょんなことからジュールスがポールと浮気をしていることに気づいてしまい、心に深い傷を負ってしまうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    クレジットではトップだったジュリアン・ムーアが、ゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞にははアネット・ベニングと共にWノミネートされたのだが、結局ゴールデン・グローブ賞で女優賞を受賞したのはアネット・ベニングで、その他のアワードでもアネット・ベニングのみが主演女優賞にノミネートされた作品。レズビアンの母親2人とその子供2人という家族構成はアメリカならではで、日本ではまずお目にかかることはできないだろう。しかも、母親2人のスパーム・ドナーが同一人物というのはどういうことだ?2人が同時に妊娠したのならわかるが、生まれた子供のジョニとレイザーは明らかに2〜3歳の年齢の開きがあるのに。
 “家族”がテーマのこの作品、親がいて子がいてそれで家族かといえば決してそうではなく、家族とはそこに“ある”ものではなく、寄り集まったメンバーが“育て上げる”ものであること、家族となるには時間が必要であることを教えられる。長い時間をかけて培ってこそ、家族の絆が生まれる。そこへ割って入った、生物学的にはジョニとレイザーの父親であるマーク・ラファロ扮するポールの気持ちは、同世代の独身男性として、お世辞じゃなくよくわかる。そして、もしかしたら運良くそのまま彼らの家族になれたかもしれない。しかし、時期尚早であるにもかかわらず、彼は不用意に家族でしか立ち入ることのできないいわば聖域に踏み込んでしまったのだ。そして、永遠に彼らの家族となる機会を失ってしまう。繰り返すが、家族となるには時間が必要なのだ。
 それにしても、やはりどうしてもジュリアン・ムーアは苦手で、近く『クロエ』でまたもや彼女にお目にかかると思うとちょとツライものがある(笑)。ただ、今までジュリアンのコメディを観たことがなかったのだが、この作品を観て意外とコミカルな演技が似合っていると感じた。アネット・ベニングはさすが手慣れたもので、自分よりも目上の彼女こう言っちゃ失礼に当たるかもしれないが、彼女の言動には常に可愛らしさが伴う。ジョニを演じたミア・ワシコウスカは、どこまで観た顔だと思ったら、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスだったんだね。『アリス』では特に気にも留まらなかったのだが、この作品のような等身大の役柄を演じさせると魅力的に見える。そして、レイザーを演じた『テラビシアにかける橋』で主演のジョシュ・ハッチャーソンだが・・・・・相変わらず肥えた体型だけは立派で、今のうちに節制しておかないと、将来はハリウッドの内山信二か??