評     価  

 
       
File No. 1404  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年05月07日  
       
製  作  国   アメリカ / ド イ ツ  
       
監      督   ジャウマ・コレット=セラ  
       
上 映 時 間   113分  
       
公開時コピー   目覚めると、
妻さえも“自分”を
知らなかった

人生を奪還する闘いが、今始まる。

 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   リーアム・ニーソン [as マーティン・ハリス]
ダイアン・クルーガー [as ジーナ]
ジャニュアリー・ジョーンズ [as エリザベス・ハリス]
エイダン・クイン [as もう一人のマーティン]
ブルーノ・ガンツ [as エルンスト・ユルゲン]
フランク・ランジェラ [as ロドニー・コール]
セバスチャン・コッホ [as レオ・ブレスラー教授]
オリヴィエ・シュニーデル [as スミス]
スタイプ・エルツェッグ [as ジョーンズ]
ライナー・ボック [as シュトラウス氏]
ミド・ハマダ [as シャダ王子]
クリント・ディアー [as ビコ]
カール・マルコヴィクス [as ファージ医師]
エヴァ・ローバウ [as グレッチェン・エルフルト看護師]
ヘレン・ヴィーベンゾーン [as ローレル・ブレスラー]
メルレ・ヴィーベンゾーン [as リリー・ブレスラー]
 
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あ ら す じ    学会に出席するために妻のエリザベスと連れだってベルリンを訪れた植物学者・マーティン・ハリスは、ホテルのチェックインの際にトランクをひとつ空港に忘れてきたことに気づく。急いでタクシーを拾い、ひとり空港へと引き返すマーティンだったが、途中でマーティンの乗るタクシーは事故に巻き込まれて川へ転落してしまう。
 4日間の昏睡状態から目覚めたマーティンの持ち物は携帯電話と手帳が1冊だけで、身分を証明する手段が何もなかった。そこでマーティンは、ホテルに一人残してきたエリザベスに会いに向かう。ところがエリザベスは彼を知らないと言うばかりか、見ず知らずの男がマーティン・ハリスになりすましていた。パスポートも身分証明書も持たないマーティンの話を誰も信じてくれるはずがなく、彼はやむなくタクシー会社をたずね、事故の時にタクシーを運転していた女性ドライバーの所在を突き止めた。
 彼女ジーナは正式なタクシードライバーではなく、知人ピコの車を借りてタクシー営業をしていた、不法移民者だった。マーティンはジーナの助けを借りながら、病院で彼に親身に接してくれた看護師のグレッチェン・エルフルトから紹介された、元東ドイツ秘密警察のエルンスト・ユルゲンに会い、自分の身元を証明するための助力を依頼する。
 常に何者かに命を狙われながら、マーティンはついにエリザベスとの接触に成功する。エリザベスはもちろん彼のことを本当に忘れたわけではなく、空港に忘れてきたアタッシュケースを手に入れるよう彼にこっそりと告げる。マーティンはジーナと共に空港へ向かい、見事アタッシュケースを取り戻すのだが、その中に入っていた物をみて呆然とせざるを得なかった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品を初めて知ったのはチラシでだが、そのチラシの邦題は『アンノウン』ではなく『身元不明』だった(これがそのチラシ)。ところが、『身元不明』について映画関連サイトで調べようとしたところ、なぜかどのサイトでもヒットしない。仕方なく“リーアム・ニーソン”で検索したところ、最新作に『アンノウン』とあり、観てみるとそこに掲載されていたチラシ画像は邦題だけを変えたまさに『身元不明』のものと全く同じだった。チラシを作り配布したにもかかわらず、何らかの理由があって邦題を変更したのだろうが、こんなケースは珍しいと思う。『身元不明』のチラシ、希少価値が付いたりしないかな?(笑)
 不慮の事故によって一時的に病院に収容されてしまった、リーアム・ニーソン扮するマーティン・ハリス博士だが、この予期しない事故がすべての発端となる。そして、マーティンが目が覚めた時には自分の偽物が存在していて、妻・エリザベスも自分のことを知らないという。自分の記憶が間違っているのか、それともエリザベス嘘をついているのか。嘘だとしたら、何のために?次々と疑問がわき上がってくる。そして、その謎に引きずられて迫力満点のカーチェイスあり、アクションありと、退屈させることのない内容だ。『96時間』では引退したCIA工作員という役柄で、頭脳戦はもちろん肉弾戦においても最強の戦士を演じたリーアム・ニーソンが、この作品では植物学者という至って平凡なキャラクターを演じているため、襲ってきた敵との格闘シーンでも観ていて(感じてはいけないんだけど、やっぱり)もどかしさを感じてしまう(笑)。
 この手の作品では主人公の手助けをする女性の存在が重要なのだが、この作品も例に漏れず、クレジットでは妻・エリザベスを演じたジャニュアリー・ジョーンズではなく、ジーナを演じるダイアン・クルーガーが2番目だった理由もそこにあった。ある意味彼女も事故に巻き込まれた被害者で、しかも不法移民だから現場から逃げ去ったのだが、その彼女があそこまで事件に深く関わってくるとは予想外だったけど。特に、空港で拉致されたマーティンを見つけて、タクシーを奪い取ってまで追うとは、ちょっとご都合主義に過ぎるようにも感じるが、マーティンとジーナの間にはそこまでの絆ができあがっていたということなのかな。
 最初に挙げた疑問はやがて解けるのだが、さらにその裏にもう一つ仕掛けがしてあるとは思わなかった。この作品には二重のトラップが用意されているのだ。そして、時折マーティンの記憶をよぎるブルネットの女性が何者なのかという疑問の答えも、2つ目のトラップが解けたら自ずと見えてくる。やっぱりリーアム・ニーソンが演じる役柄は・・・・・なんだよね。
 マーティンを手助けする元東ドイツの工作員のユルゲン役に『ヒトラー 最期の12日間』や『バルトの楽園』のブルーノ・ガンツ、ドイツで画期的な研究を成し遂げた植物学者・ブレスラー教授に『善き人のためのソナタ』や『ブラックブック』のセバスチャン・コッホと、ドイツの名優たちが脇を豪華に飾っている。