評 価
File No.
1409
製作年 / 公開日
2010年 / 2011年05月14日
製 作 国
アメリカ
監 督
ゲイリー・ウィニック
上 映 時 間
105分
公開時コピー
50年分の愛を抱えて、あなたに会いに来ました。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
アマンダ・セイフライド
[as ソフィ]
クリストファー・イーガン
[as チャーリー]
ガエル・ガルシア・ベルナル
[as ヴィクター]
フランコ・ネロ
[as ロレンツォ]
ヴァネッサ・レッドグレーヴ
[as クレア]
マルシア・デボニス
[as ロレイン]
ルイーザ・ラニエリ
[as イサベラ]
マリナ・マッシローニ
[as フランチェスカ]
リディア・ビオンディ
[as ドナテラ]
ミレーナ・ヴコティッチ
[as マリア]
ルイーザ・デ・サンティス
[as アンジェリーナ]
ファビオ・テスティ
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あ ら す じ
ニューヨーカー誌の調査員の
ソフィ
は、フィアンセの
ヴィクター
との結婚を間近に控えて、彼がオーナーシェフとなるレストランの新規開店のために食材を仕入れるため、ヴィクターと共にイタリアのヴェローナへと訪れた。そして、忙しい彼とは別行動をとったソフィは、有名なジュリエットの家をひとりで訪ねた。
壁には一面にジュリエットに宛てて世界中から寄せられた恋の悩みを綴った手紙が貼られており、それらすべてに“ジュリエットの秘書”と呼ばれる女性たちが返事を書くのだ。ソフィは偶然に、煉瓦の間に押し込まれて誰の目にもつくことのなかった50年前の手紙を見つけ、その内容に心を惹かれて、自分で返事を書きたいと“ジュリエットの秘書”たちに申し出るのだった。
ソフィが返事を書いて間もなく、英国青年の
チャーリー
が彼女が書いたジュリエットからの手紙にクレームを付けてきた。手紙の差出人である彼の祖母
クレア
が、ソフィの書いた返事に背中を押されて50年前の恋人
ロレンツォ
を探すためにイタリアへ来てしまったというのだ。恋人探しは無駄だと切り捨てるチャーリーの反対を押し切り、クレアにあったソフィは、自分もロレンツォを探すクレアに同行して、それを記事に書きたいと頼み込む。クレアはソフィの頼みを快く引き受けてくれ、こうして3人のロレンツォ探しの旅が始まった。
ロレンツォという名前だけが頼りの恋人探しは困難を極め、何人ものロレンツォを探し当てたもののすべて別人だった。それでも決して落ち込むことのないクレアにチャーリーの心もいつか解きほぐされ、3人の間には次第に絆が育まれていく。そして、やがて50年越しのクレアの恋に奇跡が訪れ、それはソフィの人生をも大きくえることになるのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
美人には違いないのだが、どうも積極的に好きになれないそのルックスのために、『マンマ・ミーア』を観るのをやめてしまったというアマンダ・セイフライド。もっとスリムな女優だと思っていたのだが、実はスカーレット・ヨハンソンのように豊満なボディの持ち主であることを、この作品を観て初めて知った。今年は彼女の主演作がこの作品を筆頭に『クロエ』、『赤ずきん』と立て続けに3作品公開されるとあって、彼女にとっては大ブレイクの年となりそうだ。
原題は“
LETTSES TO JULIET
”で、つまり「ジュリエットへの手紙」なのに、ナゼか邦題は『ジュリエットからの』になっている。前者はクレアがロレンツォに宛てた手紙を意味するのに対して、後者はソフィがクレアに宛てて書いた返事を意味することになる。決して間違いではないけれど、敢えて邦題を逆にしたのには何か意図があったのだろうか?知りたい気がする。
『ロミオとジュリエット』はシェイクスピアの戯曲だから、舞台も当然イングランドと思い込んでいたのだが、実はイタリアのヴェローナだったことを初めて知った。そして、ヴェローナの市街地も郊外の田園風景も共に美しい。そして、世界中の女性が恋の悩みをジュリエットに宛てて手紙に綴り、それにジュリエットの秘書と称する女性たちが返事を書いているという事実も、当然ながら知らなかった。そして、50年間誰の目にも触れなかった手紙をソフィが見つけたことから、彼女の運命も大きく変わることになるのだ。
50年前に書いた手紙のことを忘れず、返事が来たら即座にイギリスからイタリアへ飛んで来ちゃうなんて。相手が今生きているかもわからないし、生きていてもクレアのことを覚えている保証はないし、もし覚えていたとしてもクレアと同じ思いとは限らない。それでも我慢できないほど、クレアにとっては10代の恋が何物にも代え難い大切な物だったのだろう。そんなクレアのキューピッドを務めることになるソフィなのだが、そのソフィ自身もまたクレアというキューピッドのおかげで運命の相手と結ばれることになる。クレアがかつての恋人・ロレンツォと巡り会えただけで充分感動的だったのに、ソフィまでもだとは嬉しい悲鳴をあげたくなりそうだ。
クリストファー・イーガン扮するチャーリーがまたいい味を出してくれている。最初こそソフィに対して喧嘩腰だったが、その後もソフィに対する態度がぎこちないのは、ソフィに対して惹かれている自分に戸惑いを感じている表れだ。そして、ラストは期待通りのハッピーエンドで、『ロミオとジュリエット』さながらのバルコニーでの告白が効果満点で、悔しいけどこういう設定が私は大好きなのだ。仕事のためとはいえ、フィアンセを放ったらかしにしていたガエル・ガルシア・ベルナル扮するヴィクターは、逃した魚の大きさを痛感したことだろう。