評     価  

 
       
File No. 1413  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年05月21日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   関 顕嗣  
       
上 映 時 間   82分  
       
公開時コピー   仏恥義理の青春  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   寺島 咲 [as 高橋すえこ]
片岡 信和 [as 竜也]
秋山 莉奈 [as メグミ]
山崎 みどり [as 美穂]
小田 あさ美 [as サキ]
亜紗美 [as チヅル]
Rio [as 里佳]
安藤 あいか [as 静香]
久保 由利香 [as 美奈]
鎌田 奈津美 [as 由美]
丸尾 みゆき [as みゆき]
津田 寛治 [as 村上武]
パンチ佐藤 [as 高橋邦夫]
秋本 奈緒美 [as 高橋美津子]
 
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あ ら す じ    埼玉県東松山市。4人姉妹の末っ子に生まれた高橋すえこは、水商売で家計を支える母親・美津子と、美津子に暴力をふるっては金をむしり取る飲んだくれの父親・邦夫の元、荒んだ家族環境で愛情や絆といった人と人との繋がりを知らずに育った。中学に入学したすえこは、先輩のメグミと知り合い、その影響で髪を染めてタバコや万引き覚えた。そして、彼女の仲間のツッパリ連中を紹介され、すえこはその中でリーダー格の竜也と恋に落ちた。
 竜也たちはバイクを盗んでは知り合いの村上モータースに買い取ってもらうという小遣い稼ぎをしており、すえこも村上モータースに入り浸るようになる。ところがある日、村上が盗難バイク密売で逮捕されてしまい、すえこも補導されてしまった。そのうえ、竜也がメグミと浮気している現場に出くわしてしまい、メグミとこれが初めてのタイマン勝負を張ることになった。仲間はバラバラになり、すえこの心はますます荒んでいった。
 ある日、スケバンの由美里佳にからまれた末子を、偶然に通りかかったレディース“紫優嬢”の総長・美穂と副総長・みゆきに助けられる。そして、気合いが入ったすえこの態度を気に入った2人は、すえこを“紫優嬢”の集会に誘う。そして、“紫優嬢”こそが自分の生きる場所だと感じたすえこは、メンバー全員からの一発という関門をくぐり抜けて、メンバーの一員として認められる。
 それ以来、すえこの人生は一変した。紫の特攻服に身を包み、喧嘩に明け暮れる日々の中、すえこは次第に頭角を現していく。そして、総長の美穂が引退し、4代目の“紫優嬢”総長にすえこが指名された。弱冠15歳のレディース総長はマスコミの注目を浴びもてはやされるが、そのことが“紫優嬢”のメンバーたちにすえこに対する妬みを生んでしまう。そして、その妬みがやがてカリスマ少女と呼ばれたすえこを奈落の底へと突き落とすことになるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    1990年代に15歳でレディース「紫優嬢」の総長となった、中村末子(旧姓:高橋)の自伝を映画化した作品。『スケバン刑事』シリーズもこの作品もそうなんだけど、どうしていわゆる不良、ヤンキーとは正反対のイメージの女優を起用するのだろうか?それが悪いというわけではないが、いかにも定型的な清純派のような寺島咲チャンじゃんぁ、いくら凄んでみても怖くないんだけどなぁ。もっとも、彼女のようなタイプがヤンキーにならないとは限らないわけで、逆に意外だと思えるようなタイプの人間が得てしてそういう世界に足を踏み入れるものなのかもしれないが。事実、風の噂によれば実物の末子は中山忍似で可愛いとか・・・・・(真偽のほどは??)。
 裕福な家庭に育った者や、あふれるばかりの親の愛情を受けて育った者は、ヤクザやレディースのメンバーになろうなどとは思わないもので、その点末子の場合は酒浸りで仕事もしないDVの父親に、水商売をする母親と、観ていてもかわいそうになるほど条件が揃っていたようだ。親の愛情を受けることなく、家族の中では得ることができなかった人との繋がりを求めた彼女が、“紫優嬢”というレディースに生まれて初めて人と人との繋がりを見いだしたのだ。だが、対人関係というものはいい面ばかりではなく、時として人を陥れるものであることを、末子が知らなかったのは仕方のないことだろう。
 余談だけど、『ハードライフ』というタイトルがどうも安直に感じて気に入らない。むしろ、原作となった自伝のタイトル『紫の青春』のままの方がずっといいと思う。