評     価  

 
       
File No. 1417  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2011年05月28日  
       
製  作  国   アメリカ / カ ナ ダ / フランス  
       
監      督   アトム・エゴヤン  
       
上 映 時 間   96分  
       
公開時コピー   あの人を誘惑して。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジュリアン・ムーア [as キャサリン・スチュアート]
リーアム・ニーソン [as デビッド・スチュアート]
アマンダ・セイフライド [as クロエ]
マックス・シエリオット [as マイケル・スチュアート]
R・H・トムソン [as フランク]
ニーナ・ドブレフ [as アンナ]
ミシュー・ヴェラーニ [as 受付係]
ジュリー・カーナー [as ビムジー]
ローラ・デ・カートレット [as アリシア]
ナタリー・リジンスカ [as エリザ]
ティファニー・リンドール=ナイト [as トリナ]
メイガン・ヘファーン [as ミランダ]
タムセン・マクドーフ [as ウエイトレス]
キャスリン・クリットマー [as ウエイトレス]
 
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あ ら す じ    独立開業している産婦人科医のキャサリン・スチュアートは、大学教授の夫・デビッド・スチュアート、それにひとり息子のマイケルとの3人で、満たされた生活を送っていた。ところが、デビッドの誕生日にサプライズ・パーティを準備していたにもかかわらず、デビッドから飛行機に乗り遅れてパーティには間に合わないとの連絡があった。そして翌日、帰宅したデビッドの携帯に送られていた教え子の女性からのメールを見て、キャサリンは夫が浮気をしているのではないかという疑惑にとらわれるのだった。
 そんなある日キャサリンは、美しい娼婦クロエと偶然知り合いになる。そして、キャサリンはあることを思いついた。それは、クロエにデビッドを誘惑させ、その一部始終を報告させるというものだった。キャサリンの依頼を受けたクロエは、早速デビッドと接触して彼の行動をキャサリンに報告を始めた。次第に過激さを増していくクロエの報告に、キャサリンはもはや冷静さを失い、そんなキャサリンの心の隙につけ込んだクロエは、キャサリンをも誘惑し関係を結んでしまう。
 魔性の女クロエに翻弄され続けるキャサリンだったが、やがて彼女はクロエが仕掛けた恐るべき罠に気づくことになる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ジュリエットからの手紙』に続く、アマンダ・セイフライドの主演作。もっとも、クレジットでは主演はキャサリンを演じたジュリアン・ムーアで、その夫デビッド役のリーアム・ニーソンに続く3番目になる。それにしても、この作品のポスターを見て、アマンダの美しさに惹かれたためにこの作品を観た人も少なくないだろう、なんて思えるほど、ポスターの彼女は美人に写っている。けれども、騙されてはけない(笑)。写真は決して「真」を「写す」ものではないからだ。
 アマンダ・セイフライドが大胆な演技で娼婦クロエを演じていて、キャサリンとのエロティックなラブシーンは最高の見せ場だ。個人的には相手がジュリアン・ムーアというのはビミューなのだが(笑)。ただ、アマンダは時には目の醒めるような美女(言い過ぎかも ^-^;)に見えてミステリアスな雰囲気を醸し出すのだが、時にはカエル顔の田舎娘に見えてしまい、せっかくの雰囲気が台無しになってしまうように思えるのは私だけ?彼女は絶対に髪をアップにしない方がいい。おそらくポスターの画像は、彼女が最も美人に見えるベスト・ショットだろう。できれば全編をあの髪型で通して欲しかった。
 主人公のキャサリンは、夫デビッドの自分に対する愛情に不安を感じて彼を試そうとするのだが、それは年齢を重ねたことからくる自分の外見の衰えに対する不安の裏返しだろう。特に女性は男性よりも外見の美しさには敏感なだけに、疑心暗鬼に陥りやすいように思える。そして、そんなキャサリンを大胆かつ細心の演技で表現しているジュリアン・ムーアはさすがだと言わざるを得ない。キャサリンの夫・デビッドを演じたのは、先日も『アンノウン』でお目にかかったばかりの、どちらかと言えばアクションのイメージが強いリーアム・ニーソンだ。彼が珍しく動きの少ない静かな役柄を演じているのは、ちょっと新鮮に見える。
 実はこの作品にはどんでん返しが用意されていて、それによってクロエがキャサリンの依頼を受けた意外な真意が明らかになる。そして、その真意をキャサリンに知られてしまったクロエは、途端にそれまでの優位を失ってしまい、あのような結末を自ら選択せざるを得なくなってしまったのだろう。私にとっては少なからず衝撃的なラストシーンだった。