評 価
File No.
1423
製作年 / 公開日
2011年 / 2011年06月11日
製 作 国
アメリカ
監 督
マシュー・ヴォーン
上 映 時 間
131分
公開時コピー
共存か、支配下。その<起源>を目撃せよ!
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
ジェームズ・マカヴォイ
[as チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)]
ローレンス・ベルチャー
[as 12歳のチャールズ・エグゼビア]
マイケル・ファスベンダー
[as エリック・レーンシャー(マグニートー)]
ビル・ミルナー
[as 若き頃のエリック]
ケヴィン・ベーコン
[as セバスチャン・ショウ]
ローズ・バーン
[as モイラ・マクタガート]
ジェニファー・ローレンス
[as レイヴン・ダークホルム(ミスティーク)]
モーガン・リリー
[as 10歳のレイヴン]
オリヴァー・プラット
[as CIAエージェント]
ジャニュアリー・ジョーンズ
[as エマ・フロスト]
ニコラス・ホルト
[as ハンク・マッコイ(ビースト)]
ゾーイ・クラヴィッツ
[as エンジェル・サルバドール(エンジェル)]
ルーカス・ティル
[as アレックス・サマーズ(ハボック)]
ジェイソン・フレミング
[as アザゼル]
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
[as ショーン・キャシディ(バンシー)]
エディ・ガテギ
[as アルマンド・ムニョス(ダーウィン)]
アレックス・ゴンザレス
[as ヤノス・クエステッド(リップタイド)]
ベス・グッダード
[as エグゼビア夫人]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
1940年代。
エリック・レーンシャー
少年は、彼のテレキネシスの能力に目を付けた
セバスチャン・ショウ
に母親を目の前で殺されてしまう。以来エリックは、ショウに復讐することだけを考えて成長していった。一方、大学で遺伝子学を学ぶ
チャールズ・エグゼビア
は、少年時代に自分と同じ特殊な能力を持つミュータントの少女
レイヴン・ダークホルム
と出会う。そして、チャールズとレイヴンは互いを唯一無二の理解者として固い絆で結ばれるのだった。
1960年代後半。冷戦状態にあった米ソ間に火種を持ち込もうと企てていたショウの動きを察知したCIAエージェントの
モイラ・マクタガート
から助力を求められたチャールズは、ショウを付け狙っていたエリックと出会う。他にも数多く存在するミュータントたちの特殊能力を平和のために活用したいと考えていたチャールズはエリックに強力を求め、次第に友情を育んでいく2人の元には、次々とミュータントたちが集まってくる。
しかし、そんな中もショウの陰謀は着々と米ソ間の緊迫感を一触即発な状態へと導いていく。そしてついに開戦は避けられないと思われた危機を、チャールズとエリックが率いるミュータントたちが未然に防ぐのだが、このことが思わぬ結果をもたらすのだった・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
前夜祭は『赤ずきん』に譲って、早速初日の初回を劇場で観てきた。『X-MEN』シリーズの1作目で、既に旧知の間柄だったプロフェッサーXとマグニートーの出会いを描いた、わゆるビギニングものの作品で、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア役にジェームズ・マカヴォイ、マグニートーことエリック・レーンシャー役にマイケル・ファスベンダーと共に適役で、思ったよりもしっかりした作りの作品だった。
この手の後付け作品で最も見所なのは、いかに後に続くシリーズと矛盾なく繋がっていくかという点で、プロフェッサーXが車椅子生活を余儀なくされていること、マグニートーが着用しているヘルメットの理由がこの作品で明らかにされている。そして、2人が互いを憎み敵視しているわけではなく、ある意味互いを尊重し合う好敵手としての立場にいることもわかる。また、マグニートーの腹心とも言うべきミスティークが、実はプロフェッサーXと子供の頃からの付き合いだったのは意外だった。だったらなぜ彼女はマグニートー側にいるのか?・・・・・その理由は作品を観てでご確認を。
チャールズと知り合ったエリックが、CIAの力を借りて他のミュータントたちを探し歩くエピソードが面白い。中でも目を疑ったのは、後のシリーズで主役を演じるヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンのまさかの登場だ。たったワンシーンで「おととい来やがれ」という一言のみのためにヒュー本人が出演していたとは、これは予想もしない嬉しいサプライズだ。もちろん、若いチャールズが既にウルヴァリンに接触していたことにも驚いた。どう観てもウルヴァリンよりチャールズの方が若く、ウルヴァリンもミスティーク同様に見た目は歳をとらないのだろうか。
最初は行きがかり上同じ道を歩んでいたチャールズとエリックだが、少年時代に抱いた怒りがモチベーションとなっているエリックに対し、裕福な家庭に育ったゆえに何よりも平和を願うチャールズ。所詮生まれも育ちも全く環境が異なる2人のこと、やがて袂を分かつことになるのは必然だ。時代背景が米ソ冷戦時代で、2大国の一触即発な状態をストーリーに絡めているのが功を奏している。そして、ミュータントたちが米ソの開戦を未然に防いだにもかかわらず、人類からは異形の物としか映らない彼らが皮肉にも一致団結した米ソ共同の敵と見なされてしまうのは、異物という外見だけで判断して本質を理解しようとしない人間の悲しい習性だ。