評     価  

 
       
File No. 1447  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年07月23日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   ギャレス・エドワーズ  
       
上 映 時 間   94分  
       
公開時コピー  
国境まであと125km
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   クスート・マクネイリー [as アンドリュー・コールダー]
ホイットニー・エイブル [as サマンサ・ワインデン]
 
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あ ら す じ    太陽系に地球外生命体の存在を確認したNASAは、探査機でサンプルを採取する。しかし、大気圏突入時にメキシコ上空で探査機は大破してしまい、その直後からメキシコを中心に突如出現した地球外生命体が増殖し始める。そして、メキシコの半分は危険地帯として隔離されてしまった。
 6年後。モンスターたちの襲撃によって大きな被害を受けているメキシコで、スクープを狙っていたカメラマンのアンドリュー・コールダーは、怪我をした社長令嬢のサマンサ・ワインデンを、アメリカの国境まで送り届けるように上司から命令される。
 2日後にはアメリカ軍が国境を閉鎖してしまうという中、コールダーとサマンサは、モンスターたちから襲撃を避けながら海岸に向かう。しかし、コールダーのミスでパスポートとチケットを盗まれ、2人は港に取り残されてしまう。2人はやむなく最後の手段として、危険区域を通る陸路を進まざるを得なくなった。
 繁殖期を迎えたモンスターの襲撃とアメリカ軍の爆撃に怯えながら、国境を目指す2人が見たものとは? そして、2人は無事に危険区域を抜けることができるのだろうか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    わずか1万5千ドルという驚きの超低予算で製作され、昨年のカンヌ国際映画祭で話題を呼んだ作品。『クローバーフィールド』のようなモンスター映画を期待していると、完全に肩すかしを食わされることになるね、これは。しかも、完全なB級作品で(その点は覚悟していたけど)映像が観にくいことこの上なく、夜のシーンが多いために一体何が起きているのかさっぱりわからないというシーンが何カ所かあったりする。
 制作費を抑え過ぎたせいで、肝心のモンスターは作り物感がたっぷりだし、登場も控えめで全身像が観られるのは冒頭とラストシーンくらいしかない。もっとも、先にも書いたとおり、この作品のテーマはモンスターではなく、どうやら極限状態に置かれた男女2人の関係、早い話がコールダーとサムのラブストーリーのようだ。つまりモンスターは、あくまでも極限状態を演出するための手段に過ぎないということになる。
 メキシコで増殖した地球外生命体を入国させまいと、アメリカが万里の長城のような巨大な障壁を国境に築くというのは面白い。そして、コールダーとサムがやっとの思いで国境までたどり着いた時、その障壁はモンスターに破られたらしく全く機能していないのはさらに滑稽でさえある。そして、モンスターから逃れるために、敢えて命を危険にさらしてまで危険地帯を通り抜けてきた2人が、やっとのことでたどり着いた先は皮肉なことに安全地帯ではなかったのだ。
 それにしても、単に制作費が安いという理由だけで、カンヌで注目されるとは考えにくい。だったら、他にどこがこの作品の見所なのかを考えてみても、私にはどこが観るべき点なのか全く不明だ。モンスターと軍隊のバトルもなければ、主人公2人がモンスターに襲われるようなこともない。極めつけはラストシーンで、モンスターの交尾?それを観てサムはナゼ「帰りたくない」??さらに、コールダーとキス???もう一度観たら脈絡がないと思ったラストの意味がわかるのかな?でも、また料金を払ってまで観る価値はあると思えないし・・・・・。YAHOOムービーの書き込みに「松本人志監督作品」っていうタイトルのコメントがあったが、中身はともかくそのタイトルは 的確に的を射ている、そう思えるような珍妙なラストシーンだった。