評     価  

 
       
File No. 1452  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年08月13日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   サイモン・ウェスト  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   この男、完璧  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジェイソン・ステイサム [as アーサー・ビショップ]
ベン・フォスター [as スティーヴ・マッケンナ]
トニー・ゴールドウィン [as ディーン・サンダーソン]
ドナルド・サザーランド [as ハリー・マッケンナ]
ジェフ・チェイス [as バーク]
ミニ・アンデン [as サラ]
ジェームズ・ローガン [as ホルヘ]
クリスタ・キャンベル [as ケリー]
ジョシュア・ブリッジウォーター [as カージャッカー]
ジョン・マコーネル [as ヴォーン]
 
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あ ら す じ    コロンビアの麻薬王がプールで溺死するという事件が発生する。事故死として処理されたこの事件は、“メカニック”と呼ばれるプロの暗殺者によるものだった。暗殺者の名はアーサー・ビショップ、組織の依頼を受けて仕事を行い、殺人の痕跡を一切残さないという、プロ中のプロだった。
 組織のトップ、ディーン・サンダーソンからアーサーに下された次のミッションは、“メカニック”としての彼の師であり親友でもあるハリー・マッケンナだった。ハリーが仲間を殺し、組織に対して裏切りを企てているというのだ。逡巡するアーサーだったが、アーサーが引き受けなくとも次の暗殺者に任務を遂行させるというディーンの言葉に、アーサーはハリーの暗殺を引き受けるのだった。
 アーサーはハリーの葬儀で、彼の息子・スティーヴ・マッケンナと再会する。スティーヴから暗殺のテクニックを教えて欲しいと頼まれたもののきっぱりと断ったアーサーだったが、半ばやけになり父を殺した犯人に当たるかもしれないと無差別に車強盗を殺そうとするスティーヴに、アーサーも折れて“メカニック”のノウハウを教える決意をする。そして、その翌日からスティーヴに対するアーサーの訓練が始まる。
 スティーヴの最初の仕事はアーサーの指示を無視したために実に手際の悪いものだったが、アーサーは次第に腕を上げていくスティーヴと組んで初めての大仕事を手がけることとなった。ターゲットは新興宗教の教祖・ヴォーンで、彼が滞在するホテルにたやすく侵入した2人だったが、ここでもスティーヴの些細なミスが原因で、ヴォーンを仕留めたものの激しい銃撃戦を繰り広げることとなってしまう。
 常に単独で行動していたアーサーの歯車が、この頃から少しずつ狂い始めていく。そんなアーサーの前に、ディーンからハリーに殺されたと聞かされていた男が現れる。ディーンが私欲のためにハリーを殺害したことを確信したアーサーはスティーヴと共に、ディーンを排除することを決意する。しかし、父の敵討ちを狙うスティーヴに、ハリーを殺したのがアーサーであることが知られてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    1972年にチャールズ・ブロンソン主演で製作された作品のリメイク作・・・・・だと知ったのは観終えてからWebで調べてのことで、てっきりオリジナル・ストーリーだと思っていた。主演のジェイソン・ステイサムが相変わらず期待を裏切らないアクションを披露してくれているのだが、それが原因で逆に他の作品群(例えば『トランスポーター』シリーズ)との差別化が図れていないような気もする。
 この作品でいう“メカニック”とはいわゆる機械工のことではなく、依頼を受けて殺しを実行するヒットマンのことだ。そして、冒頭であまりに鮮やかな暗殺の手口を披露してくれたジェイソン扮するアーサー・ビショップにディーンが命じた次のミッションのターゲットが、あろうことか彼にすべてを教え込んだ親友でもある、ドナルド・サザーランド扮するハリー・マッケンナの暗殺で、ここから少しずつ完璧であったはずの彼の歯車が狂い始めるのだ。その依頼に実は裏があるだろう事は簡単に想像がつく。だって、誰が見てもドナルド・サザーランドとトニー・ゴールドウィンを比べたら、ゴールドウィンの方が胡散臭いに決まっているから(笑)。
 親友を殺してしまった負い目からか、常に単独行動をモットーにしていたアーサーが、ヘンリーの息子・スティーヴにメカニックの仕事を教え込むのだが、これは敢えて火中の栗を拾うような危険な行為だ。自分を殺すかも知れない男を殺し屋として鍛え上げる、そんな無謀とも思える危険な行為を敢えてするところに、アーサーの絶対の自信がうかがえる。いつ何時スティーヴが襲ってきても、自分は切り抜けられるという。けれども、観ている側は当然そうはいかず、いつアーサーが真相を知ってしまうのか、そのスリルが前半の醍醐味だと言える。
 暗殺のテクニックもさることながら、スティーヴのミスがきっかけで繰り広げられる銃撃戦や、クライマックスのカーチェイスもド派手で見応えがある。ただ、ラストに控えているどんでん返しは予想がついてしまう。アーサーが死んでThe End、なんて結末は誰一人として予想していないし、まして期待なんてしていないから。