評     価  

 
       
File No. 1455  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年08月20日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   SABU  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   まわりを見渡せば
世界は愛で溢れてる
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   松山 ケンイチ [as 河地大吉]
香里奈 [as 二谷ゆかり]
芦田 愛菜 [as 鹿賀りん]
桐谷 美玲 [as 河地カズミ]
キタキ マユ [as 吉井正子]
佐藤 瑠生亮 [as 二谷コウキ]
秋野 太作
木野 花
根岸 季衣
斎藤 洋介
綾野 剛 [as キョウイチ]
高畑 淳子 [as 杉山由美子]
池脇 千鶴 [as 後藤由起]
風吹 ジュン [as 河地良惠]
中村 梅雀 [as 河地実]
 
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あ ら す じ    女性と子供が苦手な27歳のサラリーマン・河地大吉は、亡くなった祖父の葬儀に訪れて6歳の少女と出会う。彼女の名は鹿賀りんといい、驚くべきことに祖父の隠し子だという。親戚中の誰もがりんを厄介者扱いして世話を押しつけ合うのに腹を立てた大吉は、勢いでりんに「俺ん家来るか?」と言ってしまう。母・良恵や妹のカズミらは反対する中、引っ込みがつかなくなった大吉は、りんを連れて帰ることとなった。
 親戚を前に大見得を切ったものの、翌朝りんに起こされて6歳の子供と生活するという現実に直面した大吉は、前日の自分の言動を早くも後悔する。カズミに助けてもらいながらりんを“ゆりかご保育園”の一時保育にあずけることにした大吉は、毎朝出社前にりんを満員電車に乗って保育園へ送り届け、その後出勤して仕事をこなし、仕事が終わったらりんを保育園へ迎えに行くという生活を送ることとなった。けれども、そんなペースの生活を続けられるはずもないと考えた大吉は、ついに自分を残業のない部署に異動させてほしいと上司に願い出るのだった。
 りんを本格的に“はつはな保育園”に入園させ、希望通り残業のない倉庫勤務となった大吉。ある日りんを迎えに保育園を訪れた大吉は、そこで以前から雑誌で目にしていたモデルにばったり遭遇する。彼女の名は二谷ゆかり、偶然にもりんが仲良くなった男の子二谷コウキの母親で、夫を亡くして以来女手ひとつでコウキを育てていたのだ。大吉はゆかりから子育てのアドバイスを受けながら、次第にゆかりとの距離を縮めていく。ところがそんなある日、りんとコウキが保育園から姿を消してしまうという事件が発生する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ドラマ『マルモのおきて』を観ていない私は、芦田愛菜ちゃんの演技を観るのはこれが初めてだった・・・・・なんて思ったらそれは大間違いで、既に『半分の月がのぼる空』『告白』『ゴースト もういちど抱きしめたい』『阪急電車 片道15分の奇跡』と4本も彼女の出演作を観ていたようだ。そう言われてみると、『ゴースト』と『阪急電車』では彼女らしき少女が出演していたことが記憶に残っている。それにしても、今回じっくりと観ることができた彼女の可愛さはハンパじゃなく、完全に持って行かれてしまった(笑)。そりゃぁ大吉じゃなくても、あんなに愛らしい女の子だったら保護欲にかられて「自分が面倒を見る!」と言いたくもなるものだ。ハッキリ言って彼女だけなら文句なしに満点の星10個と言いたいところなのだが、残念ながら作品自体は手放しで満点にするわけにはいかなかった。
 キャスティングは思いのほか豪華で、しかも適材適所。自分の事しか考えない身勝手な親戚に秋野太作や斎藤洋介、これまた身勝手なりんの母親にキタキマユ、傍若無人だが実は兄思いの妹に桐谷美玲、親身になって大吉の相談に乗ってくれる会社の先輩に池脇千鶴、大吉のように息子を一人で育てるシングルマザーに香里奈、そして大吉の両親には中村梅雀と風吹ジュンという、そうそうたる顔ぶれだ。また、大吉を取り巻く会社の同僚たちもいい奴ばかりで、いくらなんでもあれではちょっとでき過ぎとさえ思えるが、この手の作品ではそれもアリかも。
 どうも納得いかないのは、大吉に生活感が感じられないことだ。20代後半で、平屋とはいえなぜ一戸建てに住めるのか?りんを引き取ることになって、時間や手間がかかるのはわかるのだが、経済的な心配はないのだろうか?りんと一緒にいると癒されるというのは説得力が充分だから、精神的に苦痛を感じないのは当然だろうと思う。けれども、最初に行き当たる壁はたいていが経済的な問題じゃないのかな?と小市民である私などは最初に疑問を感じてしまったのだが。
 また、クライマックスでは大吉とりんの関係にひびが入るものの、何かの出来事をきっかけに「雨降って地固まる」という展開を期待していた私にとっては、少なからず盛り上がりに欠けたように感じるのが残念だ。正直、「今さら父親にお別れか?」という不自然さと、いかにもここで感動させようという作為を感じてしまったのは私だけだろうか。
 意外な場面で登場した綾野剛。私はてっきり誘拐犯かと思ってヒヤヒヤしたものだ。以前から彼のルックスは怪しいと思っていた上に、『GANTZ』での黒服星人を観てしまったら、あの顔がますます怪しく見えるのは仕方ないだろう(まぁ、もともと怪しい顔つきではあるけどね)。