評     価  

 
       
File No. 1456  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年08月27日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョー・ライト  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   16才、罪を知るには若すぎる。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   シアーシャ・ローナン [as ハンナ]
エリック・バナ [as エリック]
ケイト・ブランシェット [as マリッサ]
トム・ホランダー [as アイザック]
オリヴィア・ウィリアムズ [as レイチェル]
ジェイソン・フレミング [as セバスチャン]
ジョン・マクミラン [as ルイス]
ティム・ベックマン [as ウォルト]
ヴィッキー・クリープス [as ジョハンナ・ザデック]
ジェシカ・バーデン [as ソフィー]
 
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あ ら す じ    元CIA工作員の父エリックと、フィンランドの人里離れた山奥で暮らすハンナ。幼い頃からエリックに格闘技や武器の扱いを徹底的にたたき込まれた彼女は、痛みや後悔といった感情を持たないという得意な資質も相俟って、16歳にして一流の暗殺者に成長していた。そしてある日、ハンナはついに外の世界へ旅立つ決意をし、発信器のスイッチをオンにする。それは、父の宿敵であるCIA工作員のマリッサと対決することをも意味していた。
 エリックが去った山小屋にひとり残ったハンナは、発信器の信号をキャッチしてマリッサが差し向けたコマンドに捕らえられる。そして、施設で身体の検査を受けた後、ついにマリッサと対面したハンナは、一撃でマリッサを殺してそのまま施設を脱出した。けれども、ハンナが殺したと思ったマリッサは替え玉で、本物のマリッサはハンナの行動の一部始終を監視カメラ越しに見ていたのだった。
 マリッサは元同僚だったアイザックを訪ね、彼にハンナを殺さずに捕らえることを依頼する。ハンナは途中で出会ったソフィーの一家と行動を共にし、エリックと落ち合う約束をしていたベルリンのグリムの家を目指す。そんな中、ついに本物のマリッサと遭遇したハンナは、マリッサから自分の卓越した身体能力に関わる出生の秘密を知らされることになる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    観る前から、シアーシャ・ローナンじゃミスキャストにならないだろうか、という危惧を覚えていた作品だが、結論は「当たらずといえども遠からず」といったところだろうか。『ラブリーボーン』では透明感がある彼女の雰囲気がぴったり作品にマッチしていたのだが、暗殺者となると透明感とは正反対の生々しい役柄だし、アクションにももっとスピード感が欲しかった。もしもこの作品の彼女のアクションがあれで充分だと思う方は、もしも『キック・アス』を観たことがないならば、是非ともクロエ・グレース・モレッツ扮するヒット・ガールのアクションを観てもらいたいものだ。単純に比較はできないだろうとは思うが、あれを観てしまうとシアーシャ・ローナンがどんなに熱演しても物足りなく感じてしまうのは仕方ないだろう。
 エリック・バナ扮するエリック(そのまんまだね)とハンナが素手で格闘するシーンが何度か観られるが、近距離の肉弾戦になれば彼女に勝ち目があるわけがない。ましてエリックがそれなりの訓練を受けたプロであればなおさらで、だから2人の格闘シーンを観ているとどうしてもエリックが手加減しているようにしか見えない。体格に圧倒的な差がある相手に捕まえられたら終わり、だからそんな相手とは距離を置いて、しかも必ず武器を手にして闘う、これって暗殺者の鉄則じゃないのかな?
 最近しばらく見かけないと思っていたケイト・ブランシェットに、まさかこの作品でお目にかかるとは思ってもいなかった。しかも、主人公に敵対するような役柄で。さすが演技達者なケイトだけあって、彼女が演じるマリッサの憎たらしいことといったら(笑)。あれじゃ、イヤでもハンナとエリックに肩入れしたくなるね。
 エリックとマリッサは昔はCIAの同僚だったようだが、なぜエリックがCIAを辞めたのかが今ひとつハッキリしない。赤ん坊の時のハンナに情が移ったから?それとも、ハンナの母親を愛してしまったから?加えて、なぜマリッサが執拗なまでにエリックを狙うのかも、説明が見当たらない。まぁ、その辺りは枝葉末節であって、本筋を理解するのには何の支障もないから気にしなくていいのかもしれないが。
 冒頭、鹿をボウガンで狙い一発で仕留められなかったハンナが、「心臓はずしちゃった」と言い銃でとどめを刺す。そして、ラストで再びボウガンの矢で致命傷を与えられずに「心臓はずしちゃった」。オープニングとエンディングの巧い対比が印象に強く残っている。