評     価  

 
       
File No. 1458  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年08月27日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジェームズ・ワン  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー   この恐怖は、あなたの家までついてくる・・・  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   パトリック・ウィルソン [as ジョシュ・ランバート]
ローズ・バーン [as ルネ・ランバート]
タイ・シンプキンス [as ダルトン・ランバート]
リン・シェイ [as エリーズ・レイニア]
リー・ワネル [as スペックス]
アンガス・サンプソン [as タッカー]
バーバラ・ハーシー [as ロレイン・ランバート]
アンドリュー・アスター [as フォスター・ランバート]
コルベット・タック [as アデル看護師/人形の女性]
ヘザー・トッキグニー [as ケリー看護師]
ルーベン・プラ [as サーカーツ医師]
ジョン・ヘンリー・バインダー [as マーティン神父]
ジョセフ・ビシャラ [as デーモン]
フィリップ・フリードマン [as 老婆]
 
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あ ら す じ    ジョシュ・ランバートルネの夫妻は、3人の子供たちと共に新居に引っ越してきた。ところが、住み始めて間もない新居で、物が勝手に動かされたり、赤ん坊用のモニターから聞こえてくる不気味な声、そして誰もいないはずの屋根裏部屋から聞こえる物音など、奇妙な現象が起き始める。
 ある日、勝手に開いた屋根裏部屋に通じるドアに誘われるように、屋根裏に上がった長男のダルトンが、梯子から転落してしまう。そしてその翌朝以来、ダルトンは昏睡状態に陥ってしまう。家にいる“何者か”に怯えきったルネの訴えで、ジョシュには別の家への引っ越しを決意する。
 ところが、新居に越してきても奇妙な現象が収まることはなかった。極度に神経をすり減らしたルネを案じた、ジョシュの母ロレインの提案で、夫妻は特殊な能力を持つ女性エリーズ・レイニアを招き、家の中を調べてもらうこととなった。
 一通り家の中を見回ったエリーズは、ジョシュとルネに信じ難い話を始めた。何者かに取り憑かれているのは家ではなく昏睡状態のダルトンであること、そしてダルトンの意識が戻らないのは頭を打ったことが原因ではなく、彼は幽体離脱をしたまま幽体が体に戻れずにいるためであること、抜け殻と化したダルトンの体を狙って死者たちが家に集まっていること、そして最も憂慮すべきなのは死者ではなく、ダルトンの体をデーモンもまた狙っているとエリーズは言う。
 ダルトンの幽体離脱の能力は、実はジョシュから遺伝したものだった。そしてエリーズは、ダルトンを取り戻すためには幽体離脱したジョシュががダルトンの幽体を体に連れ戻すしかないと言った。半信半疑だったジョシュは、ダルトンを助けるために自ら死者の世界へ赴く決意をしたのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ソウ』シリーズと『パラノーマル・アクティビティ』のスタッフがダッグを組んだというこの作品。『ソウ』は1作も観ていないが、少なくとも『パラノーマル』よりは素直に面白いと言える作品だった。ただ、怖さという点について言えば、相変わらずいきなりの音響で観客を驚かせるという定番の手法の域を超えるものではなかったけどね。ただ、それだけにこの作品は家でDVDを観るよりも、劇場の大音響で楽しむべきだろう。
 冒頭で表示されたキャストでパトリック・ウィルソンが主演と知り、「ナゼ彼ほどのビッグネームがこの作品に?」という疑問をまず感じる。前半は彼の妻・ルネを演じたローズ・バーンが完全に主役。その彼女、目の辺りの疲れた感じが、怪奇現象に悩まされ憔悴しきった感じにぴったりとマッチしている。そして、後半は主演のパトリック・ウィルソンの独断場とも言うべき見せ場が続き、クライマックスでは手に汗握る緊張感をもたらしてくれるのはさすがだ。
 『パラノーマル・アクティビティ』の登場人物がハンディカメラで撮影した映像というアイデアは確かに斬新であったけど、同時に映像に大幅な制約が生じてしまうという弊害もあった。その点、そんな制約のないこの作品の方が、『パラノーマル』よりも面白いと感じるのはある意味必然かもしれない。そして何よりも、結局最後はうやむやになって不完全燃焼の感があった『パラノーマル』と違い、この作品にはちゃんとしたストーリーがあり、結末があり、そして最後に大どんでん返しのおまけ付きという、確たる構成がある点がおもしろさの差となって表れているような気がする。
 霊媒師(?)のエリーズのキャスティングがいい。下手にジプシーのシャーマンのような俳優を持ってくるよりも、リン・シェイのような理性的で落ち着き払った女性を配したのが功を奏している。彼女の助手と思われる2人はちょっとコミカルに見えてしまったけどね。