知人リック・リカルデッリ仲介で、英国元首相・アダム・ラングの自叙伝のゴーストライターを務めることとなった男。ラングが滞在するアメリカ東海岸の孤島の別荘を訪れた彼は、ラングの秘書アメリア・ブライから説明を受けた後、不慮の死を遂げた彼の前任者の遺した分厚い自伝の原稿を渡され、数時間でそれを読むように命じられる。
やがて間もなく、別荘に到着したラングと対面し、彼は“I'm your ghost”と自己紹介する。ところがその矢先、ラングがイスラム過激派の逮捕や拷問に加担した疑いがあるというニュースが報じられ、このスキャンダルは国際刑事裁判という大騒動になっていく。そんな中一方、彼は溺死した前任者の部屋から、ある資料を見つける。それはインタビューで聞いたラングの経歴を覆すものだった。さらに、引き出しの裏に隠された数枚の写真を見つけた彼は、その1枚に書かれた電話番号にかけてみる。すると、電話口に出た相手は、ラングの最大の政敵であるリチャード・ライカートだった。
写真を調べていた彼の目は、その中に写っていた一人の人物に釘付けになった。若き日のラングと一緒に写真に写っていたその男ポール・エメットは、大学教授という表の顔の他に、CIAの工作員だという疑惑がかけられていたのだ。そして、フェリーで本土に渡った彼は、彼の前任者が設定したままの車のナビに導かれ、たどり着いたのはエメット邸だった。前任者の死にエメットとCIAが絡んでいるという疑惑を深めた彼は、直接エメットに会って話してみることにするのだが・・・・・。