評     価  

 
       
File No. 1461  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年08月27日  
       
製  作  国   韓  国  
       
監      督   イム・サンス  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   この家の欲望には、
果てがない。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   チョン・ドヨン [as ウニ]
イ・ジョンジェ [as フン]
ソウ [as ヘラ]
ユン・ヨジョン [as ビョンシク]
パク・チヨン [as ヘラの母親]
アン・ソヒョン [as ナミ]
 
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あ ら す じ    料理店に勤める身寄りのない女性・ウニは、とある上流階級の一家が住む豪邸でメイドとして働くこととなった。表情一つ変えない先輩のメイド・ビョンシクに厳しく叱責されながらも、ウニは家事全般に加えて双子を妊娠中の妻・ヘラと6歳になる娘・ナミの世話を、努めて笑顔を絶やさずにこなすのだった。
 ある夜、ワインを片手に半裸でウニの部屋にやってきた主人・フンに求められたウニは、これを拒むことなく関係を結んでしまう。やがて、フンの子を身籠もってしまうウニだったが、そのことに最初に気づいたのはビョンシクだった。ビョンシクはヘラの母親にウニの妊娠を密告し、ヘラの母はどんな手を使ってでもウニにフンの子を産ませないようと画策する。手始めは階段を掃除していたウニを突き飛ばし、階段から転落したウニはそのまま入院することとなった。
 入院時の検査で、ウニは初めて自分が妊娠していることに気づく。そして、屋敷に戻った日からはヘラの母に加えてヘラからもまた、陰湿な嫌がらせをされるようになる。やがてウニは、メイドを辞めて生まれてくる子供を育てていこうと決意するが、ヘラたちはウニが子供を産むことを決して認めようとしなかった。そして、ついにウニは強制的に子供を中絶させられてしまう。悲劇のどん底に突き落とされたウニは、一家への復讐を誓うのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ユア・マイ・サンシャイン』『シークレット・サンシャイン』のチョン・ドヨンが主演するエロティック・サスペンス。初日に観ようかどうか迷ったが、結局映画の日である9月1日にTOHOシネマズシャンテへ。そう言えば、彼女を初めて観た『ユア・マイ・サンシャイン』の上映劇場も同じシャンテ・シネだったなぁ。この日のTOHOシネマズシャンテは、平日にもかかわらず場内はほぼ満席状態だった。
 いきなり女性がビルの上から投身自殺を図るというシーンから幕を開けるが、そのシーンの意味合いがまったく理解できない。チョン・ドヨン扮するウニの以後の人生にその自殺が関わってくるわけでもないのに。理解できないと言えば、ラストシーンはナミが意味ありげな視線を投げかけて終わるのだが、あのシーンもまた何のためにあるのかが全く不明。ナミを演じたアン・ソヒョンって、確かに可愛いんだけど、幼い子供とは思えないコワイ表情をしばしば見せるんだよね。
 チョン・ドヨンといえば、私にとってはとことん不幸な女性の役柄でしかお目にかかったことがないせいか、「不幸な女」というイメージが2作目の『シークレット・サンシャイン』の時既に定着してしまっている。幸せな役柄を演じる彼女なんて、もう微塵も想像できないほどに。で、やっぱりこの作品も虐げられるメイド役で、彼女の本領発揮というところだろうか。ただ、作品自体は“『母なる証明』『息もできない』に続く衝撃”というほどの衝撃的な作品ではなかった気がする。
 とにかく登場人物の誰もが狂ってる。一家の主・フンのチョン・ドヨン扮するウニに対するセクハラ。夫がウニと関係を結んだことを知って、手のひらを返したようにパワハラに走る彼の妻・ヘラ。ウニの敵なのかそれとも味方なのか、その時々によって立場をコロコロと変えるために真意を測りがたい先輩メイドのビョンシク。そして、最も怖ろしいのが、ビョンシクから“大奥様”と呼ばれるヘラの母親。まともなのはまだ幼い少女のナミだけという有様だ。
 それでもなお、今までの2作品に比べれば、チョン・ドヨンの不幸せさは生ぬるいように思える。それだけに、「復讐する」と言った彼女の行動は全くの予想外だった。だって、彼女が精神的にそこまでするほど追い込まれているとは、とうてい思えなかったから。どうも所々に脈絡を欠いているように思えるのは、気のせいだろうか?