評     価  

 
       
File No. 1462  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年08月20日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アダム・マッケイ  
       
上 映 時 間   110分  
       
公開時コピー   観れば、元気と勇気と知恵をもらえる、
悪の金融業界に立ち向かう
新時代のインテリジェンス・アクション・コメディ!!
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ウィル・フェレル [as アレン・ギャンブル]
マーク・ウォールバーグ [as テリー・ホイツ]
エヴァ・メンデス [as シーラ・ギャンブル]
マイケル・キートン [as ジーン・マウチ警部]
スティーヴ・クーガン [as デヴィッド・アーション]
レイ・スティーヴンソン [as ロジャー・ウェズリー]
サミュエル・L・ジャクソン [as P・K・ハイスミス]
ドウェイ・ジョンソン [as クリストファー・ダンソン]
ナタリー・ジー [as クリスティニス]
ロブ・リグル [as マーティン]
デイモン・ウェイアンズ・Jr [as フォッセ]
ボビー・カナヴェイル [as ジミー]
デレク・ジーター [as Himself]
 
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あ ら す じ    ニューヨーク市警のP・K・ハイスミスクリストファー・ダンソンのコンビは、たとえ犯人追撃で街を破壊し、銃撃戦で市民を危険にさらそうとも、そんなことはお構いなしで犯人を追い詰めて逮捕するというスーパー刑事だった。ところがある日、2人は自分たちの力を過信してか、ビルの屋上から犯人を追って飛び降り、当然のことながら呆気なく殉職してしまう。そして、スーパーコンビ亡き後、市警の“その他大勢”の刑事たちは、自分たちこそ次期スター刑事の座をと色めき立つ。
 かつてヤンキースのデレク・ジーターを不審者と誤認して撃ってしまったというトラウマを抱えるテリー・ホイツもそのひとりだった。正義感に燃える空回り気味のテリーは、自分の手で悪党を退治してヒーローになりたかったのだが、そんな彼の前に立ちはだかる大きな障害があった。それは、相棒のアレン・ギャンブルの存在だった。会計課出身でデスクワーク好きのアレンは決して机から離れようとせず、そのために緊急通報が入ってもテリーは出動できずにイライラを募らせるばかりだったのだ。
 ある日、珍しく重い腰を上げたアレンは、テリーをとあるビルの建設許可違反の摘発に付き合わせた。そしてアレンは、ビルの建築主である投資家のデヴィッド・アーションを逮捕する。ところが、2人は武装したアーションの側近に取り囲まれ、身ぐるみをはがされた上にアーションを連れ去られてしまう。署に戻った2人は上司であるジーン・マウチ警部からアーションには手を出さないよう命じられてしまうが、あまりに強引で不自然なアーションの奪還に不審感を抱いたテリーは、密かに操作を続行する。
 実はアーションは、依頼された投資に失敗してクライアントに巨額の損失をさせてしまったため、その穴埋めをするために金融詐欺事件を企てていたのだ。知らずに巨大な陰謀に首を突っ込んでしまった熱血空回り刑事のテリーと引きこもり刑事のアランの2人は、ただでさえ複雑な事件をさらにこじらせていく。果たしてテリーとアランの2人は、“その他大勢”から抜け出してヒーローになることができるのか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    恥ずかしながらこの作品の公開を全く知らず、偶然に地元のシネコンの上映スケジュールで見つけ、『ゴーストライター』を後回しにして急遽観るこにした作品。マーク・ウォールバーグのコメディを観るのは初めてだし、共演はあの『俺たち』シリーズのウィル・フェレルという異色の組み合わせ、そして何よりもオフィシャルサイトのオープニング映像が完全にツボにはまってしまい、期待を膨らませて観たのだが、結論はかなり残念な内容だったと言わざるを得ない。
 タイトルの『アザー・ガイズ』とは、脚光の当たらない“その他大勢の奴”という意味合いで、じゃぁこの作品で脚光を浴びていたのは誰かというと、冒頭でド派手に登場するスーパー刑事、サミュエル・L・ジャクソン演じるP・K・ハイスミスと、ドウェイ・ジョンソン演じるクリストファー・ダンソンのコンビだ。2人の凄まじいカー・アクションを見せられて、この先一体どれだけハイテンションで展開するのかと大いに期待させておいて、2人が信じられない形でお役ご免になってしまい、これには正直唖然とさせられた(あんなバカ、どこを探してもいないと思う)。
 そんなこんなでウィル・フェレル扮するアレンと、マーク・ウォールバーグ扮するテリーを中心にストーリーが展開するのだが・・・・・・最初、「書類仕事好きの引きこもり刑事」と「熱血空回り刑事」のコンビだと知ったときは、何の迷いもなく前者がマークで後者がウィルだと信じ込んでいた。ところが蓋を開けてみるとキャスティングはその逆で、その点にこの作品が今イチだった最大の原因があると思う。
 デスクワーク好きな刑事という設定のおかげで、今回のウィル・フェレルがあまりにおとなし過ぎるのだ。やはり彼は傲慢この上なく他人のことなどお構いなしで我が道を行く、そんなキャラクターでなければ持ち味が生きてこない。それならば彼の代わりにマーク・ウォールバーグがバカに成り切れるかというと、それも無理な相談だ。確かに、イメージとは全く逆のキャラクターを演じさせることで意外な効果が生まれることもあるが、ことこの作品に限って言えば、「熱血空回り刑事」はウィル、「引きこもり刑事」はマークが演じるべきだった。
 彼ら2人が立ち向かう金融業界の巨悪がスティーヴ・クーガン演じるアーションだとは、いくらなんでも貫禄不足。そして、巨大金融犯罪の解決も実に呆気なく、とてもアレンとテリーの大手柄だとは言い難いが、そこが彼らが“アザー・ガイズ”である所以なのかもしれないね。