評     価  

 
       
File No. 1467  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年09月17日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   佐藤 嗣麻子  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   あなたは、誰を信じるか?
 
雪平、最後の事件。
すべての答えが、そこにある。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   篠原 涼子 [as 雪平夏見]
佐藤 浩市 [as 一条道孝]
山田 孝之 [as 村上克明]
阿部 サダヲ [as 小久保祐二]
加藤 雅也 [as 三上薫]
吹越 満 [as 武田信彦]
大森 南朋 [as 結城脩]
寺島 進 [as 山路哲夫]
香川 照之 [as 佐藤和夫]
 
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あ ら す じ    警察病院占拠事件の後異動となり、北海道の西紋別署の刑事課での勤務を余儀なくされた、警視庁捜査一課で検挙率ナンバーワンを誇った雪平夏見。彼女のいない東京で、ネイルガンによって体中に釘を打たれた猟奇的な殺人事件が発生する。ところが、事件の有力な容疑者として浮かび上がっていた武田信彦が、あろうことか第2のネイルガン殺人の被害者として遺体で発見されてしまう。第2の殺人現場からも犯人のものと思われる指紋が発見されるが、その指紋の主は雪平の元夫であるフリージャーナリスト、佐藤和夫のものだった。
 雪平は上司である刑事課長・一条道孝から、佐藤がネイルガン殺人の容疑者として指名手配されたこと知らされる。そして、そんな雪平の前に現れた佐藤は、今回の事件が容疑者となった人物が次に殺されるという予告殺人事件であり、次に殺されるのは自分であると告げた。佐藤は雪平から解読を依頼されていた、警察内部の機密データが記録されていると思われるUSBメモリを雪平に渡すと、海外へ逃げると言い残して姿を消した。ところが、その翌日に佐藤は本人の言葉通り第3のネイルガン殺人の被害者として、遺体で発見されるのだった。
 現場からは雪平の指紋が検出され、雪平は西紋別署に殺人容疑で逮捕されてしまう。そして、雪平を直接取り調べるために、東京から事件の担当である検察官・村上克明が訪れる。そして雪平は、村上を人質にとって西紋別署から逃走するが、実はこれは村上も雪平を逃がすために共謀した上での逃走劇だった。村上と共に東京へ戻った雪平は、かつての同僚である山路哲夫三上薫らの協力を仰ぎ、ネイルガン殺人事件の実行犯を探し始める。
 やがて事件の実行犯が結城脩だと判明し、結城の自宅に侵入する雪平だったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    篠原涼子主演のテレビドラマシリーズ『アンフェア』の劇場版第2作。前作から4年も経過しての続編だから、予め前作をDVDで観て予習しておくべきだったと、ちょっと後悔。なんせ、江口洋介が出演していたことも忘れていたし、その江口扮する斉木から雪平がUSBメモリを受け取っていた事なんて、当然のことながら微塵も記憶に残っていなかったからね。
 「雪平、最後の事件。」らしく、今回はレギュラー陣のうち雪平の元夫である、香川照之扮する佐藤和夫が殺されてしまい、どうやら本当に「雪平最後の」になりそうだ。いや、いかりや長介が亡くなっても『踊る大捜査線 THE MOVIE』の続編を製作したフジテレビのこと、コピーを額面通り受け取ってはいけないのかもしれない。
 決してつまらないとは思わないし、むしろ結構面白い部類に属する作品ではある。いかにも雪平の味方であるかのようにふるまう某人物が、クライマックスのどんでん返しで犯人であることがわかる、そこまでは私にとっても予想の範囲内だった。そういえば、佐藤監督がメガホンを執った『K-20 怪人二十面相・伝』でも、この作品と同様に意外な人物が二十面相だった。残念ながら、演じる俳優のおかげで確たる理由もなく「コイツが怪しい」と先読みしてしまうのも、『K-20』とこの作品に共通する点ではある。
 とにかく、その程度のどんでん返しは珍しくも何ともないが、さすがに最後にもうひと捻りしてあるのはまったく予想外で、見事に騙された。加えて、裏で実はあの3人が結託していたなんて事も、想像すらしていなかった。まったく予想のできない結末に唖然とさせられた人は少なくないと思う。
 とは言え、中身はともかく話題性からすると『世界侵略:ロサンゼルス決戦』や『サンクタム』を抑えて観客動員数1位になるほどの作品だとは思えない。粗も見られるし。だいたい、山田孝之演じる検察官の村上が被疑者の尋問などという初動捜査に直接携わるなんてことは、現実にはあり得ない。まして、北海道で起きた事件で東京の地検が動くのは、どう考えても管轄外だ。そんな不自然な真似をさせるもんだから、どうしても村上検事の行動に裏があるなんて勘ぐりたくもなるというものだ。