評 価
File No.
1471
製作年 / 公開日
2011年 / 2011年09月17日
製 作 国
韓 国
監 督
キム・ゴック
上 映 時 間
106分
公開時コピー
センターは、ゆずらない。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ハム・ウンジョン
[as ウンジュ]
ジン・セヨン
[as ジェニ]
メイダニ
[as シンジ]
チェ・アラ
[as アラン]
ファン・ウスレ
[as スネ]
ピョン・ジョンス
[as 事務所社長]
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あ ら す じ
人気アイドルグループたちの影で未だに芽が出ないガールズ・ユニットの“ピンクドールズ”。彼女たちのブログには悪口の書き込みすらないという、惨憺たる有様だった。そんな中、最年長でバックダンサー出身のリーダー・
ウンジュ
は、ボーカルの
ジェニ
、ビジュアル担当の
アラン
、ラップとダンス担当の
シンジ
ら若いメンバーから嫌がらせをされながらも、メンバーをまとめるべく孤軍奮闘する毎日だった。
そんなピンクドールズはある日それまで過ごした合宿所兼スタジオから引っ越すことになる。そして新しく引っ越した先のスタジオにあった古いテープの中から、ウンジュは偶然“WHITE”と書かれたラベルのビデオテープを見つける。早速再生してたウンジュは、未発表のまま埋もれてしまったらしいその楽曲が気に入り、
事務所社長
にビデオを見せた。社長はその曲“WHITE”をピンクドールズの曲として売り出すことを決定し、瞬く間に“WHITE”が大ヒットしたピンクドールズは、一躍アイドルのトップグループにまでのし上がるのだった。
ところが、“WHITE”が大ヒットしたのを受けて、これまでは交代制だったセンターを固定すると社長が決めて以来、メンバーの間に不和が生じてくる。そして、センターに選ばれたメンバーは次々と事故に見舞われていく。最初にセンターとなったボーカル担当だったジェニは、常備薬を大量に服用した果てに錯乱して入院。次にセンターを取ったアランは、化粧品に何者かが混入した毒物によって異常を来し、撮影中にステージから転落してしまう。そして、3人目のセンターとなったシンジもまた、バラエティ番組に出演中にクレーンの下敷きとなり重体となってしまう。
“WHITE”のテープに何か秘密が隠されていると考えたウンジュは、先輩で親友でもあるバックコーラス担当の
スネ
と共に真相を探り始める。そして、かつて今いる合宿所で起きた火事によって、犠牲者がひとり出ていることを突き止める。ウンジュたちは、“WHITE”にはその事故によって亡くなった女性の呪いがかかっていると考えるが、真実は2人が考えていたよりもさらに複雑で、やがて“WHITE”を持ち歌としてソロデビューすることとなったウンジュ自身にも恐るべき結末が待ち受けていることを、彼女は知る由もなかった・・・・・。
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たぴおか的コメント
K-POPグループT-ARAのハム・ウンジョン主演のサスペンス・スリラー作品・・・・・とのことだが、私が思うにこれはサスペンスではなく明らかにホラー作品だ。それも、B級のね。ポスターの画像を観ただけではちょっと内容が想像つかないが、アイドル・ムービーとは思えないほど血なまぐさい内容で、先日の『ラビット・ホラー3D』よりもこの作品の方がよっぽどホラーらしいし、間違いなく面白い。韓国の芸能界を舞台にしたということで、ネタ的にもタイムリーな作品ではある。
人知れず葬り去られた“ホワイト”という楽曲のイメージビデオが悲劇の発端になっていて、“ホワイト”でセンター・ポジションを取ったピンクドールズのメンバーが一人ずつ惨劇に巻き込まれていくとは、少なからず『リング』の影響を受けているような気がするのは気のせいだろうか。先日も2度目のAKB48の総選挙が行われたように、グループのセンター・ポジション獲得にかける思いは、日韓を問わず共通のようだ。でも、ジェニとアランが事故に見舞われた時点で残り2人となってしまったピンクドールズ、もはやセンターも何もあったもんじゃないのでは?(笑)。
美人が多いことで有名な韓流芸能界で、この作品の主演であるハム・ウンジョンもその例に漏れないのは事実だ(ただし、ちょっとWINKの鈴木早智子を思わせる彼女のルックスは、個人的には好みとは言えないけど)。ただ、ポスターやチラシに載っているピンクドールズの残り3名については、メイクのおかげで大化けしているようで、後ほどほとんどノーメイクで登場する彼女たちはあまりにフツー過ぎて、ピンクドールズの時とは別人だとしか思えないほどだ。総人口が日本の半分以下の韓国で、皆が皆女優が美人ばかりのはずはないのは当たり前なのに、今までそんなことにも気づかなかったとは、オバチャン達と同じ熱病に冒されていたのかもしれないね。
それまでは他のメンバーに遠慮しすぎるくらい謙虚で控えめだったウンジュが、“WHITE”でのソロデビューが決まった途端に人格が変わったように傲慢に見えたのは、やはり“WHITE”の呪いなのだろうか。でも、それまでと違いバッチリとメイクを決めた彼女を観ると、T-ARAのメンバーの中でも彼女に人気がある理由が初めてわかったように思う。
作品自体は相変わらず力技で観る者をねじ伏せていく強引さのある韓流らしさが見られるが、重箱の隅をつつくような真似さえしなければ、最後まで退屈せずに観られる作品だ。ただ、主人公のウンジュまでもが不幸な最期に見舞われるのは、ウンジョンのファンにとってはかなりツライかもしれないね。