評     価  

 
       
File No. 1474  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年09月23日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ラッセ・ハルストレム  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   恋のときめき、愛の痛み。
その2週間は、永遠になった。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   チャニング・テイタム [as ジョン・タイリー]
アマンダ・セイフライド [as サヴァナ・リン・カーティス]
リチャード・ジェンキンス [as Mr.タイリー]
ヘンリー・トーマス [as ティム・ウェッドン]
D・J・コトローナ [as ヌードルス]
カレン・モス [as ルースター]
ゲヴィン・マッカーレイ [as スタークス]
キース・ロビンソン [as ストーン隊長]
スコット・ポーター [as ランディ]
レスレア・フィッシャー [as スーザン]
ウィリアム・ハワード・バウマン [as ダニエルス]
デヴィッド・アンドリュース [as Mr.カーティス]
メアリー・レイチェル・ダドリー [as Mrs.カーティス]
 
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あ ら す じ    2001年、サウスカロライナ州チャールストン。。ランディが誤って海に落としてしまったサヴァナ・リン・カーティスのバッグを、サーフィンを終えたジョン・タイリーが海に潜って拾ってあげた・・・・・それがジョンとサヴァナの出会いだった。出会った時から惹かれ合った2人は間もなく恋に落ちるが、やがて離ればなれになる時が来ることもわかっていた。特殊部隊に属するジョンは2週間の休暇が終われば、再び任務に戻らなければならなかったからだ。サヴァナの気持ちは揺れ動くが、そんな彼女にジョンは1年経ったら除隊すると約束するのだった。
 休暇を終えて出発するジョンにサヴァナは、いつの間にか2人の間で決まり文句になっていた言葉“see sooner”を送り、ジョンも“see sooner”と応えた。それは、必ず生きて帰って来るという2人の約束だった。そして、サヴァナと戦場のジョンの間での手紙のやり取りが始まる。それはジョンにとってもサヴァナにとっても、相手と離れて過ごす辛さを癒してくれる大切なものとなった。ところが数ヶ月語、事態は一変する。9月11日、アメリカを襲った同時多発テロ事件によって、彼と同じ隊に所属する兵士たちは誰もが任期の延長を申し出る。そして、隊を指揮するキースは全員に2日間の休暇を取るよう命じ、休暇から戻った時に全員が希望すれば任期を延長すると明言した。
 チャールストンに戻ったジョンは、サヴァナに任期の延長をわかってもらおうとするが、取り乱すサヴァナにどうすることもできなかった。そして、短い休暇を終えて再び戦地へと赴くジョン。2人の手紙は再会されたが、ある時サヴァナからの手紙が途切れてしまう。そして、久しぶりに届いた彼女の手紙には、ジョンへの別れの言葉が記されていた。そして、失意のジョンは戦場で敵の銃弾を受けて重傷を負ってしまうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    今年日本で4作目の公開となる、アマンダ・セイフライドの主演作。コピーには“『きみに読む物語』を超え、全米No.1を獲得した珠玉の恋物語。”なんてあるけど、私にとっては『きみ読む』を超えたなんてとんでもない、どこにでもありそうな平凡なラブストーリーでしかなく、むしろどちらかと言えばズッコケたんじゃないかと思いたくなるような作品だった。
 キャスティングは主演の2人にチャニング・テイタムにアマンダ・セイフライド、それにリチャード・ジェンキンスまで引っ張り出して、メガホンを執るのがラッセ・ハルストレムとあれば、大方のファンが期待した挙げ句に肩透かしを食らったんじゃないかな。理由は簡単、決してキャストや監督のせいではなく、原作の力不足以外の何物でもないと思う。あの名作『アルジャーノンに花束を』を書いたダニエル・キイスが、後日周囲に「なぜあのような名作が書けたのか?」と尋ねられた時、「むしろ私がその理由を教えて欲しい」と語ったらしい。そこそこ平均点を超える作品を連発することはできても、100点に近い評価を受けるような秀作はそう書けるものではないということだろう。
 2人が出会うのが2001年という時代設定で、しかもジョンが特殊部隊に属する軍人とあれば「もしかしてアレか?」と思ったら案の定、2001年の9.11同時多発テロが絡んでくる。おかげで1年で除隊するはずだったジョンが除隊できなくなり、そこから2人の運命の歯車が狂ってしまうという設定だが、ジョンが除隊できなくなるような事態であれば9.11じゃなくてもいいのに、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、あの悲劇を安直に使い回ししているように思えるのは気のせいだろうか?
 2人の絆の強さを描き切れていないのが弱く、サヴァナから婚約したという手紙を受け取っただけでジョンが簡単に諦めてしまうのも「その程度だったのか」と簡単に納得できてしまう。サヴァナの方も愛情でなく同情で結婚できてしまうのかと思うと、2人が過ごした2週間が単なる一過性の熱病のようなものに思えてしまう。それから後の展開はさらに興醒めで、もう何が起きても驚かない(てか、驚くような出来事は何も起きないけど)。まぁ、サヴァナの結婚相手が誰かわかった時は、ジョン同様にちょっと意外に思ったけど。
 どうでもいい話だけど、アマンダの名前の日本語表記の“セイフライド”と“サイフリッド”、いい加減どちらかに統一してくれないかな?(笑)