評     価  

 
       
File No. 1475  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2011年09月23日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ポール・ハギス  
       
上 映 時 間   134分  
       
公開時コピー   逃げ切れるのか。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ラッセル・クロウ [as ジョン・ブレナン]
エリザベス・バンクス [as ララ・ブレナン]
マイケル・ビュイエ [as ミック・ブレナン]
モラン・エイティス [as エリット]
レミー・ノジック [as ジェナ]
ジェイソン・ベギー [as クイン捜査官]
アイシャ・ハインズ [as コレロ捜査官]
タイ・シンプキンス [as ルーク・ブレナン]
オリヴィア・ワイルド [as ニコール]
ブライアン・デネヒー [as ジョージ・ブレナン]
レニー・ジェームズ [as ナブルシ警部補]
ヘレン・ケアリー [as グレース・ブレナン]
リーアム・ニーソン [as デイモン・ペニントン]
 
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あ ら す じ    愛する妻ララと一人息子のルークと平穏な生活を送っていた、大学教授のジョン・ブレナン。ある朝、その平静を打ち破る事態が発生する。警察が彼の家に踏み込んできて、妻のララを殺人容疑で逮捕・連行してしまったのだ。
 それから3年というもの、ジョンは男手ひとつでルークを育てながら、妻の冤罪を晴らすために奔走していた。しかし、彼の努力も虚しく妻の無罪を証明するほどの有力な証拠は見つからず、ついにララの殺人罪は確定してしまう。
 刑が確定して絶望のあまり獄中で自殺未遂を図ったララに、ジョンは彼女の人生と家族の幸せを取り戻すべく、ララを脱獄させるという決断を下す。そして手始めに、過去に何度も脱獄に成功したというデイモン・ペニントンに会ったジョンは、デイモンから脱獄に関する指南を受け、綿密な脱獄計画を練り上げていく。
 手始めに家族3人分のパスポートと社会保障番号を手に入れるために売人に接触したジョンだったが、金だけを巻き上げられた上に殴る蹴るの暴行を受けてしまう。そして、金も残り少なくなったジョンの前に、パスポートと社会保障番号を手に入れてやると申し出る男が現れ、藁をもすがる思いで彼に仕事を依頼するジョン。こうして、次第に脱獄の準備を整えていたジョンに、寝耳に水の事態が発生する。ララが3日後に遠方の刑務所へ移送されることとなったのだ。
 もはや猶与は許されない状況の中、ついにジョンはララの脱獄計画を実行に移した。果たしてジョンは見事ララの脱獄を成功させ、警察の追求をかいくぐって家族3人で逃げおおせることができるのだろうか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    昨年末に公開された『ロビン・フッド』以来のラッセル・クロウの主演作。オリジナル・ストーリーだと思っていたら、どうやら20089年のフランス映画『すべて彼女のために』のリメイク版らしい。もちろんオリジナル版は存在すら知らなかったから、機会があれば一度観て比較してみたい。それにしても、同じ日にサミュエル・L・ジャクソン主演の『4デイズ』が公開され、10月1日にはルパート・フレンドの『5デイズ』が公開されるのは単なる偶然?過去にはシュワチャン主演の『シックス・デイ』、キム・ユンジン主演の韓流作品『セブンデイズ』、さらにはJ・チェンの『80デイズ』というのもあったなぁ。もっとも、他は○日間という意味なのに対し、『シックス・デイ』だけは6日目という意味合いだから、タイトルも“DAYS(複数)”じゃなくて“DAY(単数)”なんだけどね。
 スリーデイズ、つまり3日間しか猶予がない中の脱獄を描いた作品だが、ラッセル演じるジョンが脱獄するのではなく、無実の罪で囚われた妻・ララを脱獄させるというのがミソ。本人が脱獄するよりも数倍の困難が伴うはずだ。そして、ずぶの素人であるジョンが妻を脱獄させるなど簡単にできるはずはなく、またその知識もない。だから、脱獄のプロ(?)で著書も出しているデイモン・ペニントンに相談するのだが、ほんのワンシーンのみの登場にもかかわらず、デイモン役をリーアム・ニーソンが演じていたのは驚き。スクリーンに映る時間は短いが、欠くことのできない重要なキー・パーソンだ。
 ジョンの入念な脱獄計画には脱帽だ。予想外の殺人まで犯してしまうのが悔やまれるだろうけど、おかげで予期しない大金を手に入れることもできる。いや、もしかして最初からそれが狙いだったのかな?そして、事前の準備が脱獄当日に思わぬ効果を発揮していることが、細部まで注意して観てみるとよくわかる。圧巻なのは、家の壁に貼ってあった脱獄計画の青写真で、それをいくつかのゴミ袋に分けて捨てるのにもちゃんと意味があったとはね。また、車で逃げるシーンでは、警察の追求が夫婦と子供の3人連れに絞られたことを知ってか知らずか、見知らぬオジサン2人を同情させて検問を逃れるのには笑いを禁じ得ない。
 それにしても、アメリカの司法制度がこれほど簡単に冤罪を生んでしまうようなシステムなのかははなはだ疑問だ。確かに凶器にはララの指紋が付いているし、彼女が殺人現場から立ち去ったのも事実。だが、彼女を尋問した調書の裏付け捜査は行われないのだろうか?そうすれば、ラストシーンで下水に落ちていってしまった、事件の鍵となるボタンも見つかったんじゃないのだろうか。有罪が確定したララを脱獄させるよりも、無罪となる証拠を何が何でも探し出すべきだったんじゃないのか?まぁ、それを言ってしまうと、そもそもこの作品自体成り立たなくなってしまうんだけどね(笑)。