評 価
File No.
1477
製作年 / 公開日
2011年 / 2011年09月23日
製 作 国
日 本
監 督
大根 仁
上 映 時 間
118分
公開時コピー
恋が、
攻めてきたッ!
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
森山 未來
[as 藤本幸世]
長澤 まさみ
[as 松尾みゆき]
麻生 久美子
[as 桝元るみ子]
仲 里依紗
[as 愛]
真木 よう子
[as 唐木素子]
新井 浩文
[as 島田雄一]
金子 ノブアキ
[as 山下ダイスケ]
リリー・フランキー
[as 墨田卓也]
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あ ら す じ
1年前にモテキが訪れて4人の女性と恋をしたが、結局実らなかった
藤本幸世
、31歳。金無し夢無し彼女無しの彼はニュースサイトのライター職に就き、新たな一歩を踏み出そうとしていたある日、twitterでつぶやき合っていた男仲間と飲むことになった。ところが、待ち合わせ場所に現れたのは見た目がストライクど真ん中の女性編集者・
松尾みゆき
だった。実は年上の彼氏がいるという彼女だったが、趣味もピッタリ合うみゆきに惹かれる気持ちを抑えることができない幸世。彼女の友人も加わって幸世の部屋でDVD鑑賞をした後、みゆきの友人はみゆきを残して帰って行ってしまう。
その日はみゆきと同じベッドで眠ったもののキスまでだった幸世は、ますますみゆきに惹かれていく。そんな2人の間に割って入ったのは、みゆきの親友の
桝元るみ子
だった。ある日彼女に呼び出されてカラオケを楽しんだ帰り道、るみ子から告白された幸世は勢いで彼女と関係を結んでしまう。けれども、やっぱりみゆきが忘れられない幸世にはるみ子の想いは重すぎて、るみ子の気持ちを受け入れることはできなかった。
幸世のモテキはまだ続く。上司の
墨田卓也
に連れられて行ったバーで、ホステスの
愛
に気に入られ、翌朝彼女の部屋で同じベッド寝ていて目が覚める。そして、驚いたことに子持ちの彼女から「気が向いたら結婚してくださいね」と言われる始末だった。
そんなある日、幸世は仕事で彼と同い年ながら野外フェスを手がけるプロデューサーの
山下ダイスケ
が、みゆきの彼氏であることを知る。しかも、インタビューの中で山下が妻子持ちであり、みゆきもそのことは知っていると平然と語る山下に幸世は怒りを感じる。そして、衝動的に「るみ子とやった」などと言って以来疎遠になっていたみゆきのマンションへと向かう幸世だったが・・・・・。
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たぴおか的コメント
森山未來が主演する連ドラは全く存在すら知らなかったため、予備知識といえば何度も見せられた予告編だけ。そして、その予告編を観る限り、森山未來扮する草食系男子が長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、そして真木よう子の4人からモテまくる軽いノリのコメディだと思えた。ところが、観てみると思ったよりも随分シリアスな面もあり、また自分に照らし合わせてみたりすると身につまされる思いで笑うに笑えない作品だった。
黒縁の眼鏡をかけた森山演じる藤本幸世を観ると、真っ先に連想したのがコミック『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の主人公・田西敏之で、彼もまた女性にモテない草食系という点で藤本と同類だ。そして、私の予想と異なり、4人の美女のうち真木よう子扮する唐木素子は藤本の恋には全く絡んでこない(個人的にはそれがかなり残念だったが)。また、仲里依紗も本筋には影響のないカメオ出演的な登場の仕方で、結局は長澤まさみと麻生久美子が藤本の恋愛の相手ということになる。あ、カメオ出演といえば、ドラマではレギュラー出演していた菊地凛子の名前がエンド・クレジットにあったけど、どのシーンで出演していたのか気づいた人はいるだろうか?私は全く気づかなかったので、もし気づいた人がいたら教えてもらえると嬉しいんだけどね。
それにしても、この作品に登場する長澤まさみ演じる松尾みゆきみたいな女の子、いきなり初対面なのに口移しで水を飲ませてくれたり、「一緒に寝よう」なんて言われたり、そんな子がもし実在したら男ならほぼ例外なく彼女にのぼせ上がってしまうのは間違いない。大根監督曰く「可愛さ最強女優」というのも頷ける・・・・・ってか、監督の言葉がなくても私は昔から彼女をそう思ってたけどね(笑)。その辺りは“モテキ”だけに過度な設定もアリだろうけど、実はそのみゆきも不倫関係にあることに悩む普通の女性だったとは、そのあまりのギャップはちょと極端すぎる。そのためか、前半のコミカルな展開から一転して、後半はシリアスな内容になってしまっているように感じる。
とにかく私にとってこの作品は、今までにない小悪魔的な長澤まさみチャンの魅力に尽きる。そして、結局幸世にフラれてしまうるみ子を演じた麻生久美子の上手さ。ひとり牛丼を豪快に食べる時シーンは、ご飯粒を口の周りにつけながら「お代わり!」だなんて、その憑き物が落ちたような爽快な表情が気持ちいい。また、仲里依紗扮する愛がその派手な見た目からは意外とも言える、男女の結婚における違いを語るシーンも気に入っている。あれは名言だと思うね。そして、口は悪いし態度はタカビーな真木よう子演じる素子も、何だかんだ言って心の底では幸世を後押ししてくれているようだ。ラストの彼女の「走れぇ!」が余韻に残る。
そして何よりもみゆきが涙ながらに幸世に言った「幸世くんじゃ、私は成長できない」という言葉。あれほどキツイ拒絶の言葉を言われてしまっては、もう手も足も出なくなっちゃう。それでも野外フェス会場でみゆきと遭遇して、逃げ出す彼女を追いかける幸世。メゲない奴と褒めていいんだか、懲りない奴だと呆れるべきなんだか・・・・・。