評     価  

 
       
File No. 1478  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年10月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   七高 剛  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   それは、最高の装備か、真実の絆か。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   市原 隼人 [as 早川勇作]
戸田 恵梨香 [as 水野夏希]
村上 淳 [as 竹清悟]
カンニング竹山 [as 西村孝]
阿部 進之介 [as 永井孝介]
矢島 健一
堀部 圭亮
小林 且弥
本田 博太郎
相島 一之
きたろう
伊武 雅刀
若葉 竜也
松重 豊
時任 三郎 [as 向井寛]
 
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あ ら す じ    高い検挙率を誇るが協調性に欠け、とかく単独行動に走りがちな血気盛んな警察官、早川勇作。彼はある日ショッピングモールの爆破事件に遭遇し、不審な男を発見して追跡、逮捕にこぎ着けた。残念ながら男は爆破犯ではなく麻薬の売人だったが、これがきっかけで勇作に辞令が下される。ついに念願の刑事昇格かと胸を膨らませる勇作だったが、彼の異動先は警視庁警備部警備二課装備第四係という思いもよらない部署だった。警備部警備二課装備第四係とは、警備犬とそのハンドラーが所属する部署で、災害時の人命救助から犯人制圧といった警備出動まで幅広い任務を請け負うものの、警備犬が導入されて以来30年にわたって、一度も警備出動の実績がなかったのだ。
 犯人逮捕への情熱を捨てきれない勇作は、上司の向井寛に刑事課への異動を願い出るが、向井の返答に言葉を失ってしまう。彼のように単独行動ばかりに走る警官は、組織で行う捜査には必要ないと判断されたと言うのだ。そして向井は、失意の勇作の教育係として水野夏希を指名する。彼女は国内ナンバー1ともいえる優秀な警察犬ブランドのハンドラーで、かつて向井が犯したミスが原因で退職した彼の上司の娘だったのだ。さらに向井は勇作に、劣性遺伝として生まれたために警備犬は無理だと言われていた犬・シロをバディとしてあてがった。以前に、危うく死産となるところを救ったシロが自分のバディになる、そんな状況に複雑な思いに駆られる勇作だった。
 かつて勇作がシロと出会うきっかけとなった爆破事件と同じ犯人によるものと思われる爆破事件が連続し、警視庁は連続爆破事件として捜査を開始するが、手がかりは皆無の状態だった。そしてついに爆破を予告してきた犯人に対し、捜査本部は四係に対して出動を要請する。ショッピングモール内で爆弾が竹清悟のバディによって無事発見されるが、仕掛けられた爆弾は1個ではなかった。屋外駐車場でシロとブランドが車に仕掛けられた爆弾を発見するが、爆破に巻き込まれたブランドが重傷を負ってしまい、挙げ句に勇作は犯人らしき男を目撃しながらも取り逃がしてしまうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    警察が使う犬に、警察犬と警備犬の2種類あるということを、この作品を観て初めて知った。それもそのはず、今までドラマや映画で扱われていたのはすべて警察犬で、この作品の原作者が徹底取材し、今回この作品で初めてスポットが当てられたのが警備犬なのだ。ちなみに、警備犬とは警視庁警備部警備二課警備装備第三係に所属しており警察の警備・捜索活動や災害現場で被災者の捜索などを行えるように訓練された犬であり、警察犬とは違い警視庁の警備犬はハーネスや鈴を付け替えることで性格が変わり、犯人制圧や爆発物捜索犬として爆発物などの捜索から災害救助犬のように被災者の捜索まで1頭で複数の任務を行う事が可能とのことだ(Wikipediaより)。
 市原隼人の演技がどうこうという話は今さらしたくないし、私にとってはどうでもいい。この作品の主人公は警備犬のシロで、シロが生まれた時から死ぬ時まで(ウソです。シロは死なないのでご安心を)を描いた作品だと思えば気にならない。そして、このところ『LIARGAME』にハマっている私にとって、神崎直とは対照的なキャラクターである水野夏希を演じている戸田恵梨香が新鮮だった。
 動物が登場する作品にはどうにも弱い私なのだが、それはこの作品でも例外ではなかった。まして、シロが生まれつきアルビノ(劣性遺伝)というハンデを負っているとあってはなおさらのこと。クライマックスシーンで、勇作の袖を咥えて引っ張ろうとする姿や、彼の危機を知らせるために疾走する、そんなシロの姿を観ていると、否が応でも応援したくなってしまう。
 現実にはアルビノは警備犬にはなれないようだが、なぜ時任三郎扮する向井は勇作のバディをシロと決めたのか?その点は映画の中だけは推測がつきかねる。また、矢島健一や堀部圭亮、松重豊らは俳優からキャラクターの性格も一目瞭然なのだが、肝心の向井の部下である村上淳扮する竹清悟、カンニング竹山扮する西村孝、阿部 進之介扮する永井孝介らは、実は細かい性格設定があるにもかかわらず、作品ではそれが全く描かれておらず、その他大勢に過ぎないのはもったいない。
 また、犯人があれほどにまでに用意周到な連続爆破事件を企てた動機も弱すぎる。それに、なぜ彼はいつもパンツ一枚だけの格好をしているのか?観ていて奇異に感じるのを通り越し、どこか滑稽で思わず笑っちゃうよ。