評     価  

 
       
File No. 1480  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年10月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ニール・バーガー  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   限界の、
その先を超えろ!
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ブラッドリー・クーパー [as エディ・モーラ]
ロバート・デ・ニーロ [as カール・ヴァン・ルーン]
アビー・コーニッシュ [as リンディ]
アンドリュー・ハワード [as ゲナディ]
アンナ・フリエル [as メリッサ]
ジョニー・ホイットワース [as ヴァーノン]
トマス・アラナ [as コートの男]
ロバート・ジョン・バーク [as ピアース]
ダーレン・ゴールドスタイン [as ケヴィン・ドイル]
ネッド・アイゼンバーグ [as モリス・ブラント]
T・V・カーピオ [as ヴァレリー]
リチャード・ベキンス [as ハンク・アトウッド]
パトリシア・カレンバー [as Mrs.アトウッド]
シンディ・カッツ [as マーラ・サットン]
 
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あ ら す じ    作家を志すバツイチのエディ・モーラは、出版社と契約を結んだものの一行も書くことができずに怠惰な生活を送り、恋人のリンディからも別れを告げられてしまう。ところがある日、元妻メリッサの弟ヴァーノンと偶然出会い、彼の人生は一変した。今は製薬会社のコンサルタントだというヴァーノンは、既に国からの認可も下りているという錠剤“NZT48”を1個エディに渡す。それは、通常は20%しか使われていない人間の脳を100%使用できるよう活性化する薬だという。
 ヴァーノンの言葉を信じられないエディだったが、“NZT48”を服用して30秒後、驚くべき変化を体験する。脳に埋もれていた過去のあらゆる記憶を喚起し、それらの記憶の中から必要な情報だけを繋ぎ合わせ、今の自分に必要な判断を下すという作業をほんの数秒でやってのけたのだ。そしてエディはその能力を使い、編集者も感嘆するほどの傑作を一夜で書き上げてしまうのだった。
 しかし、翌朝目覚めたエディは、“NZT48”の効き目が切れて元の状態に戻ってしまっていた。“NZT48”を手に入れようと彼が訪ねたヴァーノンは、顔にひどく殴られた後があった。そして、薬はやるからとヴァーノンに頼まれた用事のため一旦マンションを離れたエディだったが、再びマンションに戻ってみると部屋の中は荒らされ、ヴァーノンは物言わぬ死体になっていた。慌てて警察に通報したエディだったが、何者かが“NZT48”を奪いに来たことに気づき、部屋の中を物色した末に、オーブンの中に隠された大量の“NZT48”を発見し持ち帰るのだった。
 大量の“NZT48”を手に入れたエディは証券取引に目を付け、金貸しのゲナディから借りた元手をわずか10日間で200倍近くにまで増やすことに成功する。リンディとの関係も元に戻り、無名の投資家エディの噂はウォール街に響き渡るまでになる。そんな彼の成功に目を付けた大物投資家カール・ヴァン・ルーンのテストにも見事合格したエディは、史上最大規模の会社合併に関わることになる。
 ところが、「好事魔多し」という言葉通り、その頃からエディの身体に異変が起こり始める。薬の副作用で、効き目が薄れた時に記憶が欠落してしまうのだ。そしてある夜ついに、彼が一夜を共にした女性が死体で発見されるという事件が起きる。当夜の記憶が全く欠落していたエディは、果たして彼女を殺したのだろうか?疑心暗鬼に陥るエディは、かつての美しさは見る影もなく痩せ衰えたメリッサと再会し、彼女もまた“NZT48”の犠牲者のひとりだと告げられるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    このところ『ハングオーバー』シリーズに連続して主演して、てっきりコメディ俳優に転向したのかと思われた(冗談です。そんなこと思ってません)、ブラッドリー・クーパー主演のサスペンス作。人間は脳の数%しか使っておらず、それが20%に達するといわゆる“天才”と呼ばれる域に達する、というのが今までの私の認識。この作品では通常20%程度しか使われていない脳を100%活用できるという設定で、そうなれば理論上は驚くべき天才的な能力が発揮されることになる。劇場を出た帰りのコンコースで、後ろを歩いていた男性2人組が「もし一粒もらったら、お前だったらどうする?」「俺だったら絶対使わない」なんて会話を交わしていたが、誰も考えることは同じだなぁ。ちなみに、私だったら試してみずにはいられないと思う。ただし、エディのように錠剤を直接服用するのではなく、ゲナディ方式で少しずつ水に溶かしてだろうな。
 そんな夢のような薬“NZT48”(AKBの妹分みたいな名前の薬だ ^-^;)を、姉の元夫と言うだけの理由でエディにくれたヴァーノンって男、かなりの食わせ者だ。おそらくはエディに1錠使わせて虜にさせ、2錠目からは大金をむしり取ろうという腹だったんだろうけど。結局殺されてしまったから彼の真意はわからないままだけど、元義兄が落ちぶれた姿を見て同情して善意で薬を提供した、なんていう義兄思いの男には到底思えないからね。
 効き目が抜群の薬につきものなのが副作用で、このNZT48にも恐るべき副作用がある。常用してしまったNZT48の服用を急に止めると死に至るというもので、エディもがこの窮地からどう抜け出すかが一つの見所だ。そして、そこに絡んでくるのが金貸しのゲナディと、あらゆる事を金儲けに結びつけるという、大御所デ・ニーロ扮するカール・ヴァン・ルーンだ。ゲナディの場合は単純だから、力に対して力で抗すればいいのだが(いや、殺人まで犯してしまうからあまり良くもないか)、カールの場合はかなりの知能犯だから始末が悪い。NZT48の事などおくびにも出さず、エディが議員に当選した時初めて切り札だとばかりに突きつけてくるのだ。ところが、さすがはデ・ニーロの貫禄勝ちかと思わせておいて、エディには意外な逆転の逃げ道が用意されているのだ。
 ひとつ気になったのは、途中で記憶が飛んだエディ(ハングオーバーじゃないよ)が殺人事件の被疑者となるが、果たして彼が本当に犯人だったのか、それとも別に犯人がいるのか?また、実際に手を下してしまったゲナディ以下3名の殺害事件で、彼は罪に問われることはなかったのか?いや、それ以前にNZT48なんていうトンデモない薬を開発したのは一体何者で、なぜそれをヴァーノンが持っていたのか?本筋に関係のない枝葉だとはいえ、気になるよ〜(笑)。