評     価  

 
       
File No. 1487  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年10月14日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョー・ジョンストン  
       
上 映 時 間   124分  
       
公開時コピー   なぜ彼は、世界最初の
ヒーローと呼ばれたのか
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   クリス・エヴァンス [as スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ]
ヘイリー・アトウェル [as ペギー・カーター]
セバスチャン・スタン [as ジェームズ・ブキャナン・“バッキー”・バーンズ]
トミー・リー・ジョーンズ [as チェスター・フィリップス大佐]
ヒューゴ・ウィーヴィング [as ヨハン・シュミット/レッド・スカル]
ドミニク・クーパー [as ハワード・スターク]
リチャード・アーミテージ [as ハインツ・クルーガー]
スタンリー・トゥッチ [as エイブラハム・アースキン博士]
サミュエル・L・ジャクソン [as ニック・フューリー]
トビー・ジョーンズ [as Dr.アーニム・ゾラ]
ニール・マクドノー [as ティモシー・“ダム・ダム”・デューガン]
デレク・ルーク [as ゲイブ・ジョーンズ]
ケネス・チョイ [as ジム・モリタ]
JJ・フィールド [as ジェームズ・モンゴメリー・ファルスワース]
ブルーノ・リッチ [as ジャクエス・デルニエ]
 
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あ ら す じ    1941年、第二次世界大戦のさなか。体重わずか40kgという小柄で痩せ細ったスティーブ・ロジャースは、軍隊に入隊して戦争を終わらせるために尽力したいという熱意にあふれる青年だった。しかし、幾度となく受けた入隊テストにはすべて不合格で、皮肉にも彼の親友のバッキー・バーンズが一度でテストに合格し、107連隊に配属されて戦地へ赴くという報せにもどかしさを募らせていた。
 そんなスティーブの人生は、軍医のエイブラハム・アースキン博士との出会いによって一変する。アースキン博士が推進する軍の“スーパーソルジャー計画”に志願したスティーブは、計画の共同推進者であるチェスター・フィリップス大佐の反対を押し切ったアースキン博士の強い推薦で、計画の第一号被験者に決定した。
 実験前夜にスティーブはアースキン博士から、実験で使用される“超人血清”の秘密を打ち明けられる。ドイツ人である博士にはかつて、ナチの極秘化学部門“ヒドラ党”の幹部・ヨハン・シュミットに不完全な血清の実験を行い、彼を凶暴かつ邪悪な怪物にしてしまったという過去があった。そして、その失敗を悔いた博士はアメリカに亡命し、血清を平和のために役立てることを誓ったのだった。

 いよいよ実験当日、スティーブは入隊後に面倒を見てくれた女将ペギー・カーターに連れられて、実験室へと訪れる。そして、政府の要人が見守る中、博士とその助手ハワード・スタークの手によって実験は開始された。血清を投与されたスティーブは、血清を増幅させる装置の中で体格、パワー、跳躍力、スピードのすべてを備えた超人に生まれ変わった。ところが、すべての秘密を握るアースキン博士が潜入していたヒドラ党のスパイに射殺されてしまい、「スーパーソルジャー計画」は終わりを告げてしまう。
 彼一人では何もできないと判断した軍からスティーブに与えられた任務は、星条旗の柄の派手なコスチュームに身を包み、軍のマスコット“キャプテン・アメリカ”となることだった。ところが彼の親友バッキーが所属する107連隊がヒドラ党によって全滅させられたという情報を耳にしたスティーブは、フィリップス大佐の制止を振り切って、単身で生き残って捕虜となっているかもしれない親友と兵士たちの救出に向かうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『アイアンマン』『マイティ・ソー』と同様にMARVELのコミックを映画化した作品。キャプテン・アメリカは確かに常人を凌ぐ身体能力を身につけたというものの、スーパー・ヒーローとしてはあまりに物足りなく、「なぜこんな作品を?」という疑問を強く感じていた。ところが、観てみるとこの作品自体の存在価値というよりはむしろ、このところ『アイアンマン2』や『マイティ・ソー』で情報が小出しにされてきた“AVENGERS”への布石という意味合いが大きいことがわかった。この作品の最後にもやはり次作の予告編ともいうべき特別映像が用意されており、『マイティ・ソー』同様に「キャプテン・アメリカには“AVENGERS”で会える」という字幕が。
 その“AVENGERS”とは2012年8月に日米(いや、全世界かな?)同時公開となる映画“MARVEL'S THE AVENGERS(原題)”のことで、MARVELのヒーローたちが一堂に会するという、いわば「MARVELだヨ!全員集合」とでも言うべき作品だということがはっきりした。だから、この作品にもサミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーや、ロバート・ダウニー・Jr扮するトニー・スタークの父であるハワード・スタークが登場するのだ。そして、こういう宣伝展開をされてしまうと、どうしても“MARVEL'S THE AVENGERS”を観ざるを得なくなるような気持ちにさせられるワケで、まんまとMARVELの戦略に乗せられてしまった私としては、来年8月公開の“MARVEL'S THE AVENGERS”を間違いなく劇場で観ることになるはず。あ、でもその前に、“MARVEL'S THE AVENGERS”に登場するヒーローを主役にした作品がまだあるのかな?
 んなわけで、この作品は“MARVEL'S THE AVENGERS”の導入的に過ぎない位置づけのためか、今ひとつ主人公のキャラクターに魅力が感じられないのは致命的だ。肉体改造によって常人を遙かに上回る力を身につけたとは言っても、所詮はただの人間であって、ただ特殊金属でできた円形の盾をブーメランのように操るだけじゃねぇ(苦笑)。そして、1940年代に活躍したという設定の、最初の“AVENGER”である彼を、21世紀のヒーローたちと一緒に活躍させるために、「70年もの間眠り続けてきた」という設定はちょっと苦しい気がする。彼は常人の4倍も新陳代謝が早いっていうことだから、年老いていくのもまた常人の4倍の早さなんじゃないのか?なんて思うのは素人の勘ぐりに過ぎないかもしれないけど。
 キャプテン・アメリカを演じたのは『ファンタスティック・フォー』でヒューマン・トーチを演じたクリス・エヴァンスだが、肉体改造を受ける前の貧弱な体型がVFXだとは、その効果は『ベンジャミン・バトン』でも実証済みだが、改めて凄いと痛感させられる。どちらかというと細身という印象のクリスだから、肉体改造後のムキムキもやはりVFXによるものだろう。
 ヒューゴ・ウィーヴィングが相変わらず悪役を怪演している。最初の方こそ素顔を見せるものの、後半は真っ赤なガイコツ顔になってしまうなんて、本当に顔を出さない役が多い。でも、あの独特の声を聞けばすぐ彼だとわかっちゃうんだけどね。