評     価  

 
       
File No. 1488  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年10月15日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   エリオット・レスター  
       
上 映 時 間   97分  
       
公開時コピー   この刑事、凶暴。
ゆえに天職。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジェイソン・ステイサム [as トム・ブラント]
パディ・コンシダイン [as ポーター・ナッシュ]
エイダン・ギレン [as バリー・ワイス(ブリッツ)]
ゾウイ・アシュトン [as エリザベス・フォールズ]
デヴィッド・モリッシー [as ダンロップ]
マーク・ライランス [as ロバーツ]
クリスティーナ・コール [as 婦人警官]
ルーク・エヴァンス [as クレイグ・ストークス]
ロン・ドナキー [as クロス巡査部長]
ネッド・デネヒー [as ラドナー]
ニッキー・ヘンソン [as ブラウン]
リチャード・リデル [as マクドナルド]
 
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あ ら す じ    サウスロンドン警察のトム・ブラントは、犯罪者に対して行き過ぎとも思える制裁を加える強硬派の刑事だった。彼を目の敵のように追う新聞記者ダンロップには誤った記事を書かれ、マスコミから叩かれることも少なくなかった。
 ある日婦人警官が通りすがりの相手に殺されるという事件を皮切りに、立て続けに警官が殺害される事件が起きる。ブラントは長期休暇中の先輩刑事ロバーツの後任として配属されてきたポーター・ナッシュと組んで捜査に当たることとなった。一方、ダンロップは情報提供者から電話を受けるが、その男バリー・ワイスこそが殺人鬼であることが判明する。自称ブリッツを名乗るワイスはダンロップに記事を書かせ、自らを虐げてきた警官を殺害し、有名になろうと目論む愉快犯だったのだ。
 早い段階でワイスがブリッツであるという目星をつけていたブラントとナッシュだったが、残念ながら決定的な証拠を得ることができなかった。そして、警察の捜査が進展しないことをあざ笑うかのように、次の標的だったロバーツがブリッツにハンマーで撲殺されてしまう。
 ブラントはブリッツに殺された警官をコンピュータで調べていくうち、殺された警官全員がかつてワイスの逮捕に関わっていることを突き止める。警察は思い切ってワイスの逮捕に踏み切るが、決め手となる証拠がないままに拘留期限が切れ、ワイスは釈放せざるを得なかった。そして、釈放の翌日に行われたロバーツの葬儀に、ロバーツの制服を着て紛れ込んだワイスの姿があった。ワイスの次の標的はブラントだったのだ・・・・・。
 
 
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たぴおか的コメント    2週連続で新宿バルト9に行くこととなり、2週連続で期待を見事に裏切られる結果となったこの作品。ジェイソン・ステイサムの主演作とあって、前週以上に期待していたのだが・・・・・残念。こんな役柄だったら彼が演じる必要なんて全くなく、ただ“ジェイソン・ステイサム主演”という看板が欲しかったための起用だとしか思えない。彼にとっては母国であるイギリス作品なのだが、ロンドンという街の雰囲気は彼が暴れ回る舞台には似つかわしくないように思える。
 ジェイソン扮する刑事・ブラントは「この刑事、凶暴」という設定で、確かに冒頭で3人の車上荒らしを叩きのめすシーンや、ラストのブリッツことワイスへの仕打ちは凶暴と言えるだろうが、観ている側にとっては実に溜飲の下がる一種のカタルシスでさえある。ところが、彼の凶暴さはその両シーンを除くとすっかり影を潜めてしまい、単なるフツーの刑事に豹変してしまうからつまらない。おかげで、この手のジャンルの作品では初めて睡魔に襲われてしまった。相手が悪党ならば凶暴も大歓迎。もっと常軌を逸するような暴れぶりを見せて欲しかったものだ。
 ブリッツを名乗る連続警官殺しの真犯人ワイスが卑劣な小悪党で迫力不足も甚だしくで、あんな男を捕らえられないとはロンドン警察は無能かと言いたくなる。また、犯人も簡単に判明してしまうから謎解きの楽しみなんてものをこの作品に期待するならば大きく裏切られる。そして何よりも、『トランスポーター』シリーズで見せたジェイソンの華麗なアクションがほとんど見られない。端的に言ってしまえば、盛り上がりに欠けるひじょ〜に地味な作品ということになる。
 そんなワケで、もしもジェイソン・ステイサムを知らない人が観れば、それなりに面白い作品に映るのかもしれないが、私のような人間にとっては、欲求不満が募るだけの結果に終わってしまった。