評     価  

 
       
File No. 1503  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年11月11日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ターセム・シン・ダンドワール  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   すべての運命は、神が握っている。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ヘンリー・カヴィル [as テセウス]
ミッキー・ローク [as ハイペリオン]
ジョン・ハート [as 老人]
スティーヴン・ドーフ [as スタブロス]
フリーダ・ピント [as パイドラ]
イザベル・ルーカス [as アテナ]
ルーク・エヴァンス [as ゼウス]
ケラン・ラッツ [as ポセイドン]
ダニエル・シャーマン [as アレス]
ジョセフ・モーガン [as ライサンダー]
ロバート・メイレット [as ミノタウロス]
スティーヴ・バイヤーズ [as ヘラクレス]
コリー・セヴィエール [as アポロ]
スティーヴン・マクハティ [as カサンドラ]
アラン・ヴァン・スプラング [as ダレイオス]
ピーター・ステッビングス [as ヘリオス]
ロマーノ・オルザリ [as イカルス]
グレッグ・ブリック [as 僧侶]
 
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あ ら す じ    人間が誕生する遥か昔、“光”と“闇”の神々の戦争が起きた。戦いは光の神が勝利し、闇の神は奈落の奥底に封印された。時は流れ、古代ギリシアの時代。闇の力を手に入れ、世界を支配しようと野望を抱くハイペリオンが人類に対し宣戦布告。光の神が造った武器の一つであり、闇の神を解放するための重要なカギ“エピロスの弓”を捜し求めるハイペリオンは、軍隊を結集してギリシアの地を侵攻していく。万が一弓がハイペリオンの手に落ちれば闇の神は復活し、人類が破滅破滅へと向かうことは間違いなかった。。
 そんなハイペリオンの野望を阻止すべく、光の神の頂点に立つゼウスが選び出したのは、自らが来るべき運命の時に備えて鍛え上げた人間、テセウスだった。母親を無残にも目の前でハイペリオンに斬り殺されたテセウスは、ハイペリオンの野望を阻止すべく、“エピロスの弓”を先に見つけ出すためにスタブロスらの仲間と共に出発する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    なんだか趣旨がよくわからない、というのがこの作品に対する正直な感想。原題の“IMMORTALS”とは不死不滅を意味する名詞なのだが、冒頭のナレーションに「神が死ぬことがわかり、タイタンとの間で争いが始まった」とあり、「えっ!?神が死ぬ??だったら一体何が不死なのか?」と大きな疑問を突きつけられた思いだった。ちなみに、神じゃなければ何が不死かという疑問に対する回答は、結局得られずに終わってしまった。
 そもそもギリシア神話などには全く興味のない私はタイタンだのギリシア十二神だのについて知る由もないので、これを機にちょっと調べてみた。神話でいうところの神々の世界は、最高神ゼウスを筆頭とする“オリンポス神族”と、巨神族である“ティーターン族”(ティーターンは古代ギリシア語。英語読みだとTitan=タイタンとなる)に二分されていたようだ。そして、ティーターン族の男神クロノスと女神レアーの間に生まれたのが万能神ゼウスや海の神ポセイドン、冥府の神ハデスで、オリンポス神族と呼ばれるクロノスとレアーの子孫の系譜だけがティーターン族とは一線を画す存在のようだ。元は同じ系譜であったティーターン族とオリンポス神族との間で(理由はわからないが)戦いが始まり、オリンポス神族が勝利を収めたという。先祖に対して反旗を翻した一部の少数派が、あたかも下剋上のようにのし上がったという図式になる。そして、敗れたティーターン族は、地底奥深く(その距離は、真鍮の金敷きを九昼夜落とし続けて十日目に着く距離だという)のタルタロスに幽閉された。ちなみにこの作品では“タルタロス山”となっているが、神話にはタルタロスという山は登場しないようだ。
 この作品のメガホンを執ったのはあの『落下の王国』のターセム・シンで、『300』の製作スタッフの手になるとあれば、あまりに幻想的で美しい映像も納得できるというものだ。美しいのは映像だけではなく、主人公のテセウスを筆頭にギリシア十二神たちの肉体美も見事。彼らが装着する鎧甲も黄金色に輝いて、神々しいとはまさにこのことを言うのだろう。
 そして、クライマックスでの神vs.タイタン族の戦いは、スローモーションを巧みに使い3Dの効果と相俟って迫力充分だ。ただ、クドいようだが神といえども決して不死ではなく、意外にあっさりと殺されてしまう。多勢に無勢、タイタン族の群れに襲われた神々は、アレスや、ヘラクレス、果てはアテナまでもが殺されてしまい、生き残ったのはゼウスただ一人という有様だった。あんなに神々を殺してしまっていいのだろうか?
 未来を予知できる巫女のパイドラを演じたのは『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』に続いての出演のフリーダ・ピントだが、後ろ姿だけとはいえ、オールヌードを披露してくれている・・・・・と思ったら、どうやら彼女本人の希望であのシーンだけは別の女優の代役だったようだ。どうやら彼女、ヒップの形に自信がないようで、そう言われてみればあの後ろ姿は完璧と言っていいほど整ったプロポーションだった。