評 価
File No.
1517
製作年 / 公開日
2011年 / 2011年12月09日
製 作 国
アメリカ
監 督
ショーン・レヴィ
上 映 時 間
128分
公開時コピー
「リアル・スティール」
。
それは、親子の絆が生み出す、“本当の強さ”。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ヒュー・ジャックマン
[as チャーリー・ケントン]
ダコタ・ゴヨ
[as マックス・ケントン]
エヴァンジェリン・リリー
[as ベイリー]
アンソニー・マッキー
[as フィン]
ケヴィン・デュランド
[as リッキー]
カール・ユーン
[as タク・マシド]
オルガ・フォンダ
[as ファラ・レンコヴァ]
ホープ・デイヴィス
[as デブラ]
ジェームズ・レブホーン
[as マーヴィン]
マルコ・ラッジェリ
[as クリフ]
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あ ら す じ
かつては将来を嘱望された期待のボクサーだった
チャーリー・ケントン
。時代は高性能のロボットたちが死闘を繰り広げる“ロボット格闘技”の時代に突入し、もはや人間のボクサーは生きる場所を失い、チャーリーは人生の敗残者も同然だった。辛うじてロボット格闘技のプロモーターとして生計を立てているものの、乏しい資金力で手に入れられるロボットは、リングの上であっという間にスクラップ状態になってしまう有様だった。
そんな人生のどん底ともいうべき状態のチャーリーに、さらなる災難が舞い込んでくる。赤ん坊の時に別れたきり11年も会っていない息子
マックス
が最愛の母を亡くして、初めて肉親である彼の前に現れたのだ。だが、マックスは、そう簡単にチャーリーに心を開くはずもなく、親子関係は最悪の状態だった。そんなある日、マックスはゴミ捨て場でスクラップ同然の旧式ロボット“ATOM”を発見する。それが、彼らの人生に奇跡を巻き起こす“運命の出会い”であることに、チャーリーもマックスもまだ気づいていなかった。
最初の試合で壊されると覚悟していたチャーリーの予想を裏切り、ATOMは次々と試合を勝ち上がっていく。そして、世間の注目を浴びるまでに有名になったATOMに対し、
ファラ・レンコヴァ
から彼女の所有する無敵のチャンピオン、ゼウスとの試合を申し込まれる。しかし、マックスを叔父夫妻に引き渡す約束の期限が訪れていた。チャーリーはこれが最後と叔父夫妻に頼み込み、ATOMと共にゼウスとの試合が行われる開場へと向かった・・・・・。
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たぴおか的コメント
今年最後に来て、やっと星10個を付けてもいいと思える作品に出会えたようだ。私の場合には、ヒュー・ジャックマンが主演というだけで満足なのだが、この作品はそんな私の期待を遥かに上回る感動作だった。ストーリーは小難しい理屈をこねることもなく極めて単純明快で、ロボット版『ロッキー』とでも言うべきだろうか。日本語吹替版ならば子供でも充分に楽しめるないようになっている。
とにかく、ヒュー演じるチャーリーのダメ男ぶりが板についていて、この作品で彼を初めて観たならば、ああいうダメキャラ専門の俳優と勘違いしてもおかしくない。せっかく大金を手に入れて買ったロボットも、何の戦略もないチャーリーの操作のおかげでクズ鉄になってしまう。腕だけでのし上がってきたボクサーが戦う場を失ってしまい、後には何も残らず何をやってもうまくいかないという哀しい末路だ。ゲーム慣れしたマックスの方が、操作に関してはよっぽと上手そうだ。
そんな自分のダメっぷりわかっていたからこそ、チャーリーはマックスを母親あずけっ放しにしていたわけで、母親が亡くなったために突然マックスを引き取ることになった時の動揺は大きかっただろう。そしてダメ親父チャーリーは、息子のマックスさえも金を手に入れるために利用してしまうのだが、半分は前金で残りはマックスを叔父夫婦に引き渡すときというのがミソで、勘のいい人ならば残りの半金がどうなるかはその時点で察しがつくかもしれない。
そして、この物語のもう一人・・・・・いや、もう一台の主人公であるロボットのアトムを見つけてから、負け犬だったチャーリーはマックスとの二人三脚で生まれ変わっていく。どん底から這い上がるサクセス・ストーリーは、それがお伽噺とわかっていてもやはり彼らにつられるように気持ちの高ぶりを抑えられなくなる。
クライマックスでは、ロッキーがチャンピオンのアポロと対戦したように、アトムが王者ゼウスと対戦するのだが・・・・・アトムとゼウスじゃ、どう観てもウエイトが違い過ぎるんじゃないの?(笑)それでもゼウスに果敢に立ち向かっていくアトムからは、痛みを感じることのない機械でるにもかかわらず、痛々しさがひしひしと伝わってくる。
試合の結果は『ロッキー』同様に判定に持ち込まれ、アトムは敗れてしまうのだが、チャーリーとマックスにとっては決してそれは敗戦ではない。どんな苦境に追い込まれても決して諦めない強さ、そして、父と息子の固い絆を勝ち取ったのだ。それまでは父親を「チャーリー」と呼んでいたマックスが、試合終了後に初めて「パパ」と呼ぶ、そんな小さな演出が私のような単純な人間には非常に効果的だった。