評 価
File No.
1519
製作年 / 公開日
2011年 / 2011年12月10日
製 作 国
日 本
監 督
鶴橋 康夫
上 映 時 間
136分
公開時コピー
千年の時を越え、今、
「源氏物語」誕生の秘密が明かされる
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
生田 斗真
[as 光源氏]
中谷 美紀
[as 紫式部]
窪塚 洋介
[as 安倍晴明]
東山 紀之
[as 藤原道長]
真木 よう子
[as 藤壺/桐壺更衣]
多部 未華子
[as 葵の上]
芦名 星
[as 夕顔]
蓮佛 美沙子
[as 彰子]
室井 滋
[as 弘黴殿女御]
田中 麗奈
[as 六条御息所]
榎木 孝明
[as 桐壺帝]
甲本 雅裕
[as 藤原行成]
尾上 松也
[as 頭の中将]
東儀 秀樹
[as 一条天皇]
佐久間 良子
[as 王命婦]
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あ ら す じ
絢爛豪華な平安王朝の時代。
一条天皇
の心を娘の
彰子
に向けさせようと画策する時の権力者・
藤原道長
は、
紫式部
に物語を書くよう命じる。そして、紫式部が筆を執り書き始めたのが、あの有名な『源氏物語』だった。
物語の主人公は時の帝・
桐壺帝
と
桐壺更衣
の間に生まれた皇子・
光
。帝の寵愛を受ける桐壺更衣は、嫉妬心に燃える帝の正妻・
弘徽殿女御
によって殺害されてしまう。やがて元服した光は帝から源の姓を授けられ、臣下の立場から宮中に仕えることとなった。宮中の女性たちの憧れの的だった光源氏だが、桐壺に瓜二つの義理の母・
藤壺
への狂おしい思いを断ち切ることができずにいた。
その苦しさから逃れるため、正妻・
葵の上
、艶やかな大人の色香を放つ
六条御息所
、はかなげでつつましやかな
夕顔
らの間を、奔放に愛を求めて彷徨うのだった。やがて光源氏は、女の心の奥に潜む“嫉妬”という魔物に追いつめられていく。
紫式部が綴る『源氏物語』はたちまち帝の心を掴み、帝と彰子の間に男の子が生まれた。これによって道長の栄華は確固たるものとなり、紫式部の役目は終わるはずだった。しかし何故か紫式部は『源氏物語』を書き続ける。そんな中、道長の友人で陰陽師の
安倍晴明
は、物語に没頭する紫式部に不穏な気配を感じ始め、道長に式部の筆を止めるよう忠告する。光源氏に心奪われる女性たちに深く嫉妬した御息所の修羅の心が、道長への思いを心に秘めた式部自身の心と重なり、生き霊となって現実と物語の空間を越え始めていたのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
ご存知紫式部の手になる、稀代のプレイボーイ光源氏を主人公にした、世界最古の長編小説(この説には異論があり、アプレイウスの「黄金のロバ」や、ペトロニウスの「サチュリコン」に続く“古代世界最後にして最高の長編小説”とする説もある(Wikipediaより))である「源氏物語」をベースに、筆を執る紫式部の恋をも物語に取り込んだ、物語と現実が巧みに交錯する物語だ・・・・・というのはWebで得た情報の受け売りで、少なくともこの作品を観た限りでは、中谷美紀扮する紫式部の現実の恋が織り込まれているとは考えにくい、というのが正直な感想だ。確かに式部と東山紀之扮する道長の間にはただならない感情のわだかまりがあったことは察しがつくが、それが果たして恋だったのかというと疑問だ。その辺りの描写の曖昧さが災いしてか、どうも全体的に歯切れの悪さが感じられる。いや、メリハリのなさと言った方がいいかもしれない。
もちろん式部の恋はフィクションだから、藤原の道長に対して式部が恋したという事実は現実にはなかったのだろうと思う。道長が西暦966年生まれで、「源氏物語」の文献初出が西暦1001年だから、年齢的には恋愛関係に陥ったとしても不自然じゃないとは思う。しかし現実には「源氏物語」の作者さえ紫式部で間違いないかというと実は異説があり、光源氏のモデルとなったと言われる源高明自身が書いたという説もあるとのことだ。
今が旬の生田斗真が主演とあって、女性ファンがさぞかし詰めかけるかと思ったが、客層は意外にも高齢の男性陣が多かった気がする。道長役の東山紀之は、このところ現代劇よりも『山桜』や『小川の辺』といった時代劇への出演が多いように感じるのは、決して気のせいではないだろう。窪塚洋介の安倍晴明は、私にとっては野村萬斎のイメージが定着してしまっていて、他の誰が演じても物足りなく感じるのは仕方ないのかもしれない。そして、豪華な女性キャスト陣だが、時代劇向けの衣装やメイク、そして鬘を着けると、似合う・似合わないが両極端に分かれてしまうのが面白い。ちなみに私の受けた印象は、中谷美紀・・・○、真木よう子・・・◎、芦名星・・・×、多部未華子・・・×、田中麗奈・・・××といったところで、中でも真木よう子の美貌が光っていた。逆に、今まで一度たりとも可愛いと感じたことがない田中麗奈は、生き霊になって葵の上を殺すような役柄のメイクのためか、観ていてコワサさえ感じてしまう。本物の美人は、どんなメイクや衣装を着けても美しいということなんだろうな(笑)。ちなみに、室井滋と蓮佛美沙子には最後まで全く気づかなかった。