評     価  

 
       
File No. 1522  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年12月17日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ニコール・カッセル  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   30歳。
余命半年で出会った恋が、
私を変えた
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ケイト・ハドソン [as マーリー・コーベット]
ガエル・ガルシア・ベルナル [as ジュリアン・ゴールドスタイン医師]
ウーピー・ゴールドバーグ [as ゴッド]
キャシー・ベイツ [as ヴェバリー・コーベット]
トリート・ウィリアムズ [as ジャック・コーベット]
ルーシー・パンチ [as サラ]
ピーター・ディンクレイジ [as ヴィニー]
アラン・デール [as サンダース医師]
ジョアン・アーブ [as ダグ]
ローズマリー・デウィット [as ルネ・ブレア]
スティーヴン・ウェバー [as ロブ・ランドルフ]
ロマニー・マルコ [as ピーター・クーパー]
 
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あ ら す じ    広告代理店に勤務する30歳のマーリー・コベットは、大好きな仲間たちに囲まれ、仕事も順調、恋も気ままに楽しんでいる。ただし、真剣な恋はお断り。物事が深刻になってもユーモアで交わし、独身生活を満喫するキャリアウーマンだ。ところがある日の検診で、医師ジュリアン・ゴールドスタインから、突然の“がん”の宣告を受けてしまう。
 何も起こっていないかのようにいつもの笑顔で元気に過ごそうとするマーリーだったが、友達はハレモノに触るようにマーリーに接し、母・ヴェバリー・コーベットはただ悲しみオドオドするばかり。父ジャック・コーベットは離れて暮らしていたために、娘とどう接していいかも分からない。ジュリアンとの出会いも、患者と医師という立場が二人を遠ざけていく。周りの気遣いにイライラしてしまい八つ当たりするマーリーは、友達とも険悪になり、両親との溝も深まっていってしまう。
 けれども、そんなマーリーを静かに受け止めてくれるジュリアンの存在がいつしか彼女の心を溶かし始めていた。明るく振舞い、自分の気持ちを隠していたが、本当は本気になって向き合って、傷つくのが怖かったのだ。ジュリアンが側にいてくれるおかげで友人や両親、愛する人に心を開き、素直になる大切さを知っていくマーリー。しかしその喜びに気付いた時、彼女に残された時間はあとわずかだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    2003年公開の『10日間で男を上手にフル方法』以来8年ぶりのケイト・ハドソン主演のラブストーリーを観た。もちろん、彼女が主演する作品はその間にも何作か公開されているが、どうしても『10日間』での彼女の印象があまりよくなかったために、無意識に避けていたのかもしれない。で、今回久しぶりに観た彼女の印象なのだが、やはり8年前と変わらなかった。可愛くもなければ魅力的にも思えないし、かといって演技がずば抜けて上手いわけでもない。今回この作品を観ることにしたのも、実は彼女の相手役がガエル・ガルシア・ベルナルであることが大きかった。
 邦題『私だけのハッピー・エンディング』とは、実に的を射たタイトルを付けたものだと感心してしまった。まさにケイトが演じる主人公のマーリーにとってだけのハッピーであり、周囲に遺される者の気持ちなどはどうでもいいと言わんばかりの内容だ。そしてそれが、私が彼女(マーリーじゃなくてケイトのことです)に対して持っている高慢というか傲慢というか、そんなイメージにピッタリなのだ。もちろん、当のマーリーが周囲の人間のことなどどうでもいいと思っていたわけではないはず・・・・・だと思う。そして、確実に死が迫っているマーリーは、むしろ周囲のことなど気にしている場合じゃないから、それが自然な姿だと思う。自分が死に行く時でもなお、自分をそっちのけで周囲のことばかり気に懸けるのは不自然だし、下手をすると偽善者扱いされかねないだろう。
 作品自体には特に目新しさも感じられず、よくあるラブストーリーの域を出ていないように思う。クライマックスでもいまひとつ盛り上がりが感じられず、終始ケイト・ハドソンのペースで繰り広げられた、彼女のための作品というイメージが強い。相手役を務めたガエル・ガルシア・ベルナル扮するジュリアンは非常にず爽やかで、マーリーの我が儘を受け止められるのは彼のような人物しかいないだろう。ただ、現実にあんな男性がいたとしたら周囲の女性が放っておくはずがなく、彼女がいないなんてことはまずあり得ないと思う。