評 価
File No.
1539
製作年 / 公開日
2011年 / 2012年01月21日
製 作 国
アメリカ / オーストラリア / メキシコ
監 督
トロイ・ニクシー
上 映 時 間
100分
公開時コピー
背筋も凍るおとぎ話。
気をつけて!やつらは、暗くなるまで待っている。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
ケイティ・ホームズ
[as キム・ラファエル]
ガイ・ピアース
[as アレックス・ハースト]
ベイリー・マディソン
[as サリー・ハースト]
ジャック・トンプソン
[as ハリス]
ギャリー・マクドナルド
[as ブラックウッド]
ジュリア・ブレイク
[as Mrs.アンダーヒル]
ニコラス・ベル
[as 精神科医]
アラン・デイル
[as チャールズ・ジャコビー]
テリー・ケンリック
[as ビル]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
建築家
アレックス・ハースト
はロードアイランド州プロヴィデンスの郊外で、家主
ブラックウッド
の失踪によって100年近く放置されていた屋敷に、助手で恋人でもあるインテリア・デザイナーの
キム・ラファエル
と住み込みながら、修復に携わっていた。彼には、ロスで暮らす別れた妻と小学生低学年の娘
サリー・ハースト
がいた。アレックスとキムは、両親の離婚で心を閉ざしたサリーを屋敷に呼び、一緒に暮らし始めるのだった。
屋敷に来たサリーは、通風孔の奥から何者かが話しかけてくるのを感じる。翌日、サリーは地下室を見つけ、アレックスに伝える。祖父の時代から屋敷を管理してきた使用人
ハリス
の制止を振り切り、サリーは封印されていた地下室に入っていく。そこは、著名な動物画家だった家主ブラックウッドのアトリエだった。そしてサリーは地下室で、厳重に封印された小さな扉を見つける。夜な夜な話しかけてくる声がそこから聞こえるのに気づいたサリーは、大人の目を盗んでその扉を開けるてしまう。
その夜、扉の奥から這い出した小さな魔物たちは悪戯を始める。魔物たちは、子供をさらいその歯や骨を食べる“トゥースフェアリー”という邪悪な妖精だった。そして、地下室の小さな扉が開いているのに気づき閉めようとしたハリスが、魔物たちに襲われ瀕死の重傷を負ってしまう。サリーは魔物たちの仕業だとアレックスとキムに訴えるが、彼らは信じてはくれなかった。しかし、ハリスの見舞いに行ったキムは、サリーを屋敷から逃がすよう言われ、公立図書館で屋敷に関する公式記録を見るよう助言される。記録には、約100年前トゥースフェアリーが原因でブラックウッドと8歳の息子が行方不明になったことが記されていた。
キムはただちに屋敷から逃げるべきだと主張するが、その夜には屋敷修復のスポンサーを集めたパーティーが予定されていた。しかしパーティーの最中、サリーが魔物たちに襲われる。アレックスも脱出を決意するが、アレックスとキムの前にその姿を現した魔物たちは、ついに彼らに牙を剥くのだった・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが製作と脚本を担当している作品とあって期待していたのだが、いきなり冒頭からメイドの口にノミ(犬や猫に付くノミじゃなく、工具のノミなのでお間違えなく)を・・・・・なんていうショッキングなシーンが繰り広げられるとは、さすがにちょっと引いてしまった。そのダークな世界観からも作品のジャンルは“ホラー”となっているようだが、それでいてコピーにあるようにどこかおとぎ話のような幻想的な雰囲気をまとっているのは、やはりデル・トロらしさの表れだと言うべきだろう。
この作品、実はオリジナルと言うべき作品が存在するようで、1973年に放送されたアメリカのTVムービー『地下室の魔物』がそれらしい。どうやらそのTVムービーを観たデル・トロは相当なインパクトを受けたようで、リメイク版製作にあたっては自らオリジナル版の作者を探し出してリメイクの許諾を得たとのこと。そして、子供の歯を食べる“トゥースフェアリー”という設定は、リメイク版で新たに加えられた設定のようだ。
おそらく欧米人にはお馴染みだと思われる“トゥースフェアリー”だが、日本人である私は存在すら知らなかったために、早速調べてみたところ、トゥースフェアリーとはその名の通り歯の妖精で、英国では子供の歯が抜けるとそれを枕の下に入れて、子供が眠っている間にトゥースフェアリーがお金と引き替えに歯をもらっていくという、まるでサンタクロースのような妖精で、決して人に危害を加えるような「ダークな」妖精ではないように思われる。ちなみに、そんなお話を事前に知るはずのない私は、作品を観て「これじゃ、ダーク・フェアリーってタイトルは間違ってるんじゃないの?どう観てもダーク・ゴブリン(Dark Goblin)なのに」という疑問が頭から離れなかった。
オリジナル版では若い夫婦の妻が魔物に狙われるのだが、この作品では少女に置き換えられているのは、『パンズ・ラビリンス』でイバナ・バケロを大抜擢したデル・トロならではの設定だと思う。ただ、今回の少女サリーを演じたベイリー・マディソンは、残念ながらイバナ・バケロの透明感のある可愛らしさには及ばない。しかも、主演は彼女ではなく、ガイ・ピアースが演じる彼女の父親の恋人・キム役のケイティ・ホームズが主演になっている。トム・クルーズと結婚して、確か一子をもうけたはずの彼女、以前とはすっかり人相が変わってしまったように思えて、最後まで本当にこれがケイティだろうか?と信じられずにいた。