評     価  

 
       
File No. 1553  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年02月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   松居 大悟  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   アフロの中は、
妄想だらけ。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   松田 翔太 [as 田中広]
佐々木 希 [as 加藤亜矢]
堤下 敦 [as 大沢みきお]
田中 圭 [as 岡本一]
遠藤 要 [as 村田大介]
駒木根 隆介 [as 井上真也]
原 幹恵 [as ユミ]
美波 [as 吉岡幸子]
吹越 満 [as 鈴木シンジ]
皆川 猿時 [as 西田シンジ]
辺見 えみり [as 広の母]
リリー・フランキー [as 旭工務店社長]
長塚 圭史 [as 教師]
武田 修宏
佐藤 二朗 [as 結婚式の司会]
 
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あ ら す じ    強烈な天然パーマでこの世に産まれた田中広は、幼い頃からその髪質ゆえ理不尽なイジメを受け、不遇の少年時代を過ごしてきた。成長し高校生となった田中はノープランのままその場のノリで学校を中退。その後、さらなる自由を求めて埼玉から上京する。肉体労働で日々汗を流しながら、田中(松田翔太)は24歳を迎えるが、いまだ、彼女も出来ない寂しい生活を送っていた。そんな時、学生時代からつるんできた地元の仲間たちの1人、井上真也の結婚式の招待状が送られてくる。高校時代の約束を思い出し、田中は真っ青になる。その約束とは「田中、井上、大沢みきお岡本一村田大介の仲間5人のうち誰かが結婚する日には、その時の彼女を連れてくる」というものだった。
 焦る田中の部屋の隣に、ある日トリマーの加藤亜矢が引っ越してくる。そのあまりの可愛さに激しく心をときめかす田中だったが、あんな可愛い子が自分と釣り合うはずがない、と瞬時に諦めてしまう。そんな中、田中は彼女がいないことを仲間たちに告白しようと決め、久しぶりに帰郷する。だが半年ぶりに再会した仲間たちは、それぞれ適度に生活に疲れながらも、身の丈にあった彼女をしっかり作っていて、結局田中は彼女がいる振りを続けるしかなかった。
 東京に戻った田中は、精力的に合コンに参加する日々をスタートする。だが頭でっかちで、ことごとくズレている田中を相手にする女子がいるはずもない。合コンで出会ったユミとなんとか連絡先を交換し、彼女が酔った勢いでホテルまで行くが、やはり肝心なところでうまくいかない。もはや悟りの境地まで達した田中はすべてを諦めようとするが、そんな時亜矢の部屋から悲鳴が聞こえてくる。「ゴキブリが出た」と騒ぐ亜矢を助けたことがきっかけで、2人の仲は伊賀にも急接近する。煩悩を捨てようと一人戦う田中だが、亜矢の魅力の前にあふれ出る好意(と性欲)を抑えられない。
 そして遂に運命のクリスマスが訪れる。悪友たちと会う約束がドタキャンとなってしまった田中は、「もしよろしければ、お食事でも」と頬を赤らめながら健気に誘う亜矢の申し出を受ける。一気に幸せの絶頂まで駆け上る田中をもう誰も止められない。まるで恋人同士のようにクリスマスデートを楽しむ田中と亜矢だったが、そこには大きな落とし穴が待ち受けていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    かつて週刊ビッグコミック・スピリッツを欠かさず買っていた頃、この作品の原作が連載されていたことは知っていたのだが、正直一度も読んだことがないし、申し訳ないが読む気にもなれなかった(笑)。だから、『アフロ田中』が映画化されても、劇場で観るのは松田翔太のファンか佐々木希のファン、あるいはよっぽど物好きな映画ファン(ちなみに、もちろん私は主に3つ目、やや1つ目に属する)だけだと思っていたのだが、意外に観客が多いのには少々驚いた。
 観てみると、主人公田中の間の悪さ同様に、非常に間を持たせるのがツライと感じるシーンは少なくなかったものの、これが予想した以上に面白い。もちろん、“interesting”じゃなくて“funny”の方の面白さだけど。そして、そう思えた理由の大半は、松田翔太の演技にあったような気がする。こう言っちゃ何だけど、兄貴の龍平はこのところ演じるキャラが同じようなキャラに定着してしまっているように思えるのに対して、弟の方は幅広いキャラクターを演じて、その演技の幅を着実に拡げているように思える。あの『LIAR GAME』の秋山深一を演じた役者に『アフロ田中』を演らせようなんて、一体誰が考えたんだろうね(笑)。むしろ、その英断を下した人間の方が、この映画の最大の功労者なのかもしれないね。
 その松田翔太扮する田中広の相手役・亜矢が佐々木希というのは、結果論だがいかがなものかと思ってしまった。『天使の恋』ではもっと可愛かったように記憶していた彼女だが、この作品では思ったよりも可愛く感じない。希望を言わせてもらうならば、北川景子チャンや石原さとみチャンが演じてくれれば、もっと田中の心情が理解できただろうな、なんて思ったりする。佐々木希だと何だか裏と表の顔がありそうで、素直にいい娘だとは信じられないんだよね。田中の部屋に隠れていた4人の悪友たちがビデオを構えていたのを見て「ハメ撮り?」なんて勘違いしたり、田中が言ったバック(鞄のこと)をあの時の体位のBackと勘違いしたり、むしろ田中より亜矢の頭の中の方が妄想だらけなんじゃないの?
 そういう意味で、私にとっては田中と亜矢の恋が成就するかより、4人の悪友との関係の方に興味が行ってしまった。結婚式でのスピーチで仲直り、なんていうのはお約束の流れだが、なかなかいいオチでまとめてくれたのにはさすがに笑ってしまった。余談になるが笑ったと言えば、場内から最も笑い声が起きたのは、サッカー場で田中がヘディングを決めたシーン。どうやら、相手チームの選手が全員あの元ヴェルディの武田修宏だったことがその理由のようだ。私としては武田のことなんてどうでもよく、本当にあの頭(アフロ)でヘディングなんてできるのか?なんて事の方がが気になってしまったけど(笑)。