前作『LIAR GAME The Final Stage』で多くの出資者は破産してもうゲームが行われることはない、と吉瀬美智子扮するエリーが言っていたはずなのに、なぜか再び開催されることとなったLIAR GAME。今回は主役のひとり・戸田恵梨香演じる神崎直(『SPEC天』とバッティングしたからかな?)と事務局のエリーは登場せず、福永とヨコヤがなぜか事務局となっているという奇妙な設定には、どうしても違和感を覚える。
やっぱり馬鹿正直の直がいないと物足りなくて、多部未華子演じる篠宮優じゃその穴を埋め切れていないと思ってしまうのは、シリーズ全作を何度もDVDで観て、神崎&秋山のコンビが当たり前に思うせいだろうか。それに、福永の「直ちゃんって、ホントに馬鹿だよね〜!!」の決まり文句も聞けない(笑)。そして、何よりも大きな違いは、松田翔太扮する秋山にとって、神崎直は絶対的に信頼できる相手だったのに対して、篠宮優はそうでないということ。事実、一度は秋山を裏切っているし。
今回事務局側の人間賭して登場する芦田愛菜ちゃんだが、髪をアップにするとイメージが全く変わってしまう。でも、しゃべり方はいつもの愛菜ちゃんのままで、イヤな役柄にもかかわらずどうしても憎めないんだな、これが(笑)。そして、いきなり脱落してしまう小池栄子扮する月乃エミは、演じているのが彼女だけに、他のチームのスパイだということはバレバレだ。もっと意外性のある女優を起用して欲しかったな。新井浩文と船越英一郎は、秋山の敵としてなかなか良い味を出してくれている。
『カイジ』と『カイジ2』(あれは酷かった)ほどの悲惨な落差はないものの、やはり前作のエデンの園には及ばないようだ。ラストもエデンの園のように単純明快とはいかず、一瞬何がどうなったのか理解不能な状態に陥ってしまった。ただ、この終わり方だと、続編への可能性を充分に残している。江角マキコ扮する主宰者Ωも、理由はわからないが相当秋山に復讐したいようだし、観客もかなり入っていから、興行成績によってはまたLIAR GAMEが開催されるんじゃないだろうか。