評     価  

 
       
File No. 1579  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 212年04月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アーロン・ハーヴィー  
       
上 映 時 間   94分  
       
公開時コピー   すべてはこの一撃から始まる。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   フォレスト・ウィッテカー [as ロニー]
マリン・アッカーマン [as テス]
ブルース・ウィリス [as める]
ニッキー・リード [as カラ]
デボラ・アン・ウォール [as ドーン]
シェエー・ウィガム [as ビリー]
ジル・ストークスベリー [as フランシーヌ]
ブラッド・ドゥーリフ [as コナーズ保安官]
エドリック・ブラウン [as デヴォン]
ケヴィン・ベアード [as メルの運転手]
マイケル・ローゼンバウム [as ブランドン]
P・J・マーシャル [as エルモア副保安官]
 
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あ ら す じ    夜のラスベガス。金髪美女のテスは、仲間の姉妹ドーンカラと共に車を走らせている。3人は女強盗にしてヤクの売人であり、犯罪組織のボス・メルの命令で、郊外のダイナーに向かっていた。そこでメルのシマを荒らしている奴らの取引が行われるため、先回りしてトラックで運ばれてくるヤクを取り押さえ、彼らの正体を暴くのが彼女たちの目的だった。3人は前回の仕事をしくじっており、これ以上の失敗は許されなかった。
 夜の140号線を南下していた車は、エルモアと名乗る黒人の警官に呼び止められる。警官は目的地まで後ろから着いていくと言い張り、彼女たちは渋々承諾する。しかし彼は、本物のエルモア副保安官を射殺し、その制服を奪ったニセ警官だった。間もなくダイナーに到着した3人は、後から追ってきた偽エルモアの車をやり過ごして店内に入った。店には、トラック運転手と1組の夫婦らしきカップルとウェイトレスがいた。
 やがて予定の時間を経過したが、店内ではそれらしき取引は何も行われていなかった。店主と思しきウェイトレスが何か知っているはずだと判断した3人は、店内に向けて銃を構える。するとウェイトレスは、咄嗟にライフルを取り出してカラを射殺してしまう。激情したドーンはウェイトレスを射殺するが、トラック運転手がドーンを射殺してしまい、その運転手はテスに撃ち殺されてしまう。それは、あっという間に起きた惨劇だった。
 店の奥からライフルを構えたコックのビリーが現れる。ビリーは、テスを殺せばメルから大金が貰えることを告げる。そこにニセ警官が入ってきて、怯えるカップルを射殺する。彼は、2年前にキャバレーで働いていたテスをスカウトしてメルに紹介した、自称“配達人”のロニーだった。メルは、前回の仕事に失敗したテスたちを消すようビリーに命令していた。ところが、密かにテスに恋していたロニーは、ビリーが貰っているはずの報酬を奪ってテスと逃げようと誘う。しかしビリーは、金はまだ貰っていないと主張する。一方、ロニーの顔も覚えていなかったテスは、突然のロニーの提案に、メルの真意を図りかねて戸惑うのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「こんな作品、劇場で観るんじゃなかった」と、久しぶりに後悔させられた作品。キャスティングは、オスカー俳優のフォレスト・ウィッテカーにブルース・ウィリス、それにちょっとキツメの顔立ちの美女マリン・アッカーマンと、決して悪くない。オフィシャルサイトには、“ブルース・ウィリスが脚本に惚れ込んで出演を決めた”なんて書いてあるが、もしそれが本当ならば、そこまで面白い(と思われる)脚本をこの体たらくに仕上げる監督の手腕は、ある意味凄いと言わざるを得ない。尺が94分と短いのが唯一の救いで、それでもエンド・クレジットの途中で意識を失ってしまい、劇場のスタッフに起こされるという最悪の事態だけはかろうじて避けられたが、場内に照明が点灯されてやっと意識が戻ったという有様だった。
 とにかくクライム・サスペンスに不可欠な緊迫感が全くと言っていいほど感じられない。あるのは、ただただワケの解らないままに登場人物が殺されていくことだけ。冒頭こそ、テス、ドーン、カラの3人が何をしようとしているのか、あるいは、フォレスト・ウィッテカーが何者なのか興味を惹かれるものの、それも過去の映像にプレイバックして解説されるために、何の謎も残らない。そもそも、メインの舞台であるダイナーのシーンからスタートして、次々と過去の映像に遡るという構成になっているが、敢えてそんな構成にした意味が全く理解できない。オープニングはブルース・ウィリス扮するメルのセリフでスタートするが、それも実は時系列からいけば最も最後の部分のセリフだった。
 クレジットではフォレスト・ウィッテカーがトップに紹介されるが、実質的な主役はマリン・アッカーマン扮するテスだろう。どこかで目にした覚えのある名前だと思ったら、『ウォッチメン』で紅一点のローリーを演じた女優だった。そんなこともすっかり忘れていたのは、確かに美人なのは間違いないものの、どうしても好きになれないそのルックスのためだろう。フォレスト・ウィッテカーは相変わらずの怪演で、彼が演じるキャラクターだけはいつも真意がどこにあるのか計りかねる。そして、最近ではどーでもいい俳優の部類に入ってきたブルース・ウィリスだが、この作品では存在感もなく、最後だけ大物らしくおもむろに登場したものの、私にとっては本当にどーでもいいキャラクターで、誰が演じても同じだった。