評     価  

 
       
File No. 1583  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年04月13日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アンドリュー・スタントン  
       
上 映 時 間   133分  
       
公開時コピー   世紀のディズニー・スペクタクル巨編、誕生!  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   テイラー・キッチュ [as ジョン・カーター]
リン・コリンズ [as デジャー・ソリス]
サマンサ・モートン [as ソラ]
マーク・ストロング [as マタイ・シャン]
キアラン・ハインズ [as タルドス・モリス]
ドミニク・ウェスト [as サブ・サン]
ジェームズ・ピュアフォイ [as カントス・カン]
ダリル・サバラ [as エドガー・ライス・バローズ]
ポリー・ウォーカー [as サルコジャ]
ブライアン・クランストン [as パウエル]
トーマス・ヘイデン・チャーチ [as タル・ハジュス]
ウィレム・デフォー [as タルス・タルカス]
 
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あ ら す じ    1881年のニューヨーク。大富豪ジョン・カーターが謎の失踪を遂げる。しかし、愛する妻と娘を失って以来、他人とのつき合いを絶ってきた彼は、唯一心を許していた甥エドガー・ライス・バローズに全財産と共に一冊の日記を遺していた。そして、その日記に記されていたのは、想像を越えた体験談だった。家族を亡くし、生きる意味を見失っていたジョン・カーターは、不思議な現象によって未知の惑星バルスームに迷い込んでいたというのだ。
 高度な文明を持ったバルスームは、全宇宙を支配しつつあるマタイ・シャンによって滅亡の危機に瀕していた。地球上でも強靭な意志と身体的能力を誇っていたジョン・カーターだが、重力の異なるバルスームでは桁違いの超人的パワーを発揮した。そんな彼のパワーは緑色人サーク族の皇帝タルス・タルカスの目に留まり、彼の国へと連れて行かれる。そしてある日、ソダンガ王国の飛行船からヘリウム王国の王女デジャー・ソリスを救ったジョンは、彼女から自分が今いるバルスームと呼ばれる星が、実は火星であることを知らされる。
 ジョンはデジャーから、ソダンガ王国のヘリウム王国への攻撃を止めさせることとの引き替えに、ソダンガ王国の王サブ・サンと結婚させられることを打ち明けられる。デジャーはジョンに、ヘリウムを救うために力を貸すよう懇願するが、妻と娘を救えなかったという無力感が、ジョンに戦うことを躊躇させていた。けれども、マタイ・シャンの無慈悲な攻撃にさらされるバルスームの惨状は、彼の中に新たな感情を芽生えさせる。それは、愛する者を二度と失いたくないという強い思いだった。果たしてジョン・カーターと惑星バルスームの運命は?そして、カーターの日記を受け取ったエドガー自身も、この壮大な冒険の重要なカギを握っていたのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ウォルト・ディズニー生誕110執念記念の作品で、メガホンを執るのはこれが実写初監督作となる、『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』のアンドリュー・スタントンだ。この作品、観る前からずっと気になっていたことがあって、それはジョン・カーターを演じている俳優が誰なのかということだった。どこかで観たことがあるようでないような気がしていた、そんな彼の名をエンド・クレジットで観て、正直ブッたまげた。なんとわずか数時間前に『バトルシップ』でお目にかかったばかりのテイラー・キッチュだったのだ。
 この作品、そしてユニバーサル映画100周年記念の『バトルシップ』。その両メモリアル大作でいずれも主演を務めるなんて前代未聞だが、そんな快挙(?)を成し遂げたテイラー・キッチュとは一体何者なのだ?と思って彼の経歴を調べてみたが、今まで大作と呼ばれる作品への出演歴はおろか、主演作すらないようだ。唯一『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』だけが私が観た彼の出演作だが、もちろん彼が出演していたことなど記憶に残っているはずもない。そんな彼がなぜ2大メジャースタジオのメモリアル作でほぼ同時期に主役に抜擢されたのだろうか?私が知らないだけで、こういったキャスティングは往々にしてあるもののだろうか?
 バルスームの景観は地球のいかなる場所も比較にならないほど壮観の一言に尽きる。一体どこでロケを行ったのだろうかと考えると、すべてCGによる物だとしか思えない。そして、4本の腕を持つサーク族には、『アバター』のナヴィと同様にモーション・キャプチャーが使われているのだろう。そんな異形の者が登場する世界に、もはや何の驚きも感じない自分に気づき、CGが描き出す驚異の世界に慣れっこになってしまっている自分にむしろ驚いてしまう。今や映画にCGは不可欠で、CGさえ使えば表現できない世界は皆無と言っていい、そんな時代が速くも到来したのだ。
 これは原作のなせる業だと思うが、地球でのジョンに絡む謎がバルスームでの出来事と絶妙に絡み合っているのは見事だった。でも、一方的にあんな遺言を押しつけられた甥っ子のエドガーにしてみれば、いい迷惑だったかもしれないけど。
 まるで神のようなおもむろな登場シーンで「あれ?」と思わせるマーク・ストロングだが、やっぱり彼は悪役なんだね。あの顔で神は絶対に似合わない(笑)。何かとジョンに献身的に尽くすサーク族のソラは、『アバター』でネイティリが次第に可愛く見えてくるのと同様に・・・・・はいかなかったな、さすがに。