評     価  

 
       
File No. 1592  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2012年05月05日  
       
製  作  国   ロ シ ア  
       
監      督   レヴァン・ガブリアーゼ  
       
上 映 時 間   97分  
       
公開時コピー   今、逢いに行きます、好きな人に。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ミラ・ジョヴォヴィッチ [as ナージャ]
コンスタンチン・ハベンスキー [as スラヴァ・コロチロフ]
セルゲイ・ガルマッシュ
ウラジミール・メニショフ
アイヴァン・アーガント [as ダーニャ]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    教師のスラヴァ・コロチロフは恋愛小説を書いて出版社に持ち込むが、ダメ出しをされてしまう。そしてその帰路に、赤信号を無視した車に撥ねられてしまう。幸い怪我もなかったスラヴァだったが、あろうことか自分を撥ねた車を運転していた女性ナージャに一目惚れしてしまう。
 ナージャは助手席に乗っていた男性との婚姻届を提出する途中で、そんな彼女にスラヴァは思わず「結婚をやめて」と本音を漏らしてしまう。ところが、ナージャはその言葉通り婚約者を捨ててスラヴァと付き合い始めた。やがて愛を育んだ2人はめでたく結婚することとなったのだが、結婚式を翌日に控えてナージャの待つモスクワへ向かうスラヴァはトラブルに巻き込まれてしまう。
 スラヴァは校長の陰謀で少年サッカーチームの監督にされてしまい、その日から始まるサッカーの大会に参加する羽目に陥ってしまったのだ。チームが負ければその時点で解放されてナージャの元へ行けるのだが、チームは彼の意に反して次々とトーナメントを勝ち進んでしまう。果たして彼は、無事ナージャと式を挙げることができるのだろうか・・・・・?
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    “闘う女”のイメージが強いミラ・ジョヴォヴィッチの、おそらく初めてではないだろうかと思われるラブ・コメディに主演した作品。しかも、少なくとも私は滅多に観た記憶がないロシア映画とはねぇ。もっとも、ミラ嬢自身出身はロシアだから、彼女にとっては母国への凱旋とも言える出演なのだろうが。
 この作品の予告編を何度か観た限りでは、ミラ嬢扮するナージャとコンスタンチン・ハベンスキー扮するスラヴァの恋がメインに描かれているように思えたのだが、実際に観てみると少々趣は違っていた。明らかに2人の恋よりも、スラヴァがにわか監督にされてしまったサッカーチームの話の方に重点が置かれている。後半へ進むに従って、うっかりするとミラ嬢の存在をついつい忘れてしまいそうになり、私に言わせれば彼女の出演は作品の訴求力を高めるための、いわゆる“客寄せパンダ”だと思えて仕方ない。
 そもそも、ナージャとスラヴァが付き合い始めるきっかけがあまりに強引過ぎれば、スラヴァが無理矢理少年サッカーチームの監督にされてしまう経緯もまた強引。理屈を無理矢理力技でねじ伏せているので、そのあまりに無理があるストーリー展開には苦笑するしかない。
 ところが、ミラ嬢が登場しなくなる後半の少年サッカーの描写が意外に面白い。結婚式の前日に足止めを食ったスラヴァが、試合に負ければ解放されると知ってあの手この手を使ってチームを負けさせようと企てるのだが、それがことごとくハズレてチームが勝ち進んでしまう。そして、彼のチームの少年たちのテクニックが見事で、まぁ中には明らかに反則なプレーも見られるものの、そのアクロバティックでトリッキーなプレーが退屈させない。
 スラヴァも次第に子どもたちの気持ちを知って、結婚式のことをそっちのけで彼らを勝たせてやろうとする展開はお約束。そこにナージャも現れてすべてが上手くいくという、あまりにご都合主義と言えなくもない結末ではあるから、ミラ嬢の演技を真剣に観るつもりでいると期待外れに終わるので、その点は要注意。