評 価
File No.
1593
製作年 / 公開日
2011年 / 2012年05月12日
製 作 国
アメリカ / フランス
監 督
マッシー・ダジェディン
上 映 時 間
92分
公開時コピー
好き。
愛してる。
あなただけ。
忘れない。
どれも本当で、
みんな嘘。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
キーラ・ナイトレイ
[as ジョアンナ・リード]
サム・ワーシントン
[as マイケル・リード]
エヴァ・メンデス
[as ローラ]
ギョーム・カネ
[as アレックス・マン]
アンソン・マウント
[as ニール]
ダニエル・エリック・ゴールド
[as アンディ]
グリフィン・ダン
[as トルーマン]
スコット・アツィット
[as スチュアート]
ステファニー・ロマノフ
[as サンドラ]
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あ ら す じ
ファッション雑誌のライター、
ジョアンナ・リード
と、建築関係の会社に勤める夫
マイケル・リード
夫妻は、ニューヨークのマンションで誰もが憧れるような充実した毎日を送っている。そんなある日、マイケルの仕事関係のパーティーに招かれたジョアンナは、そこで夫の新しい同僚、
ローラ
を紹介される。ジョアンナは、夫とローラの間に漂う恋の予感にひと目で気が付くが、帰宅後、その疑いをマイケルはキッパリと否定する。だがひと月前のLA出張も、翌日からのフィラデルフィア出張もローラが一緒だと知ったジョアンナは、感情を抑えることができなかった。
翌朝マイケルを送り出して、いつものカフェにコーヒーを買いに行くジョアンナ。呼び止める声に振り向くと、パリにいるはずのジョアンナのかつての恋人で作家の
アレックス
だった。新作の出版の打ち合わせのためにやって来たのだと言う。アレックスとディナーの約束を交わしたジョアンナは、念入りにメイクをして迷った末に選んだドレスを着て車に乗る。偶然車の中で携帯にマイケルからの着信が入るが、ジョアンナは無視してしまう。
無事に商談を終えたマイケルは、つながらない電話を気にかけながらも「飲みたい」と言うローラに付き合う。そして、誰もいないホテルのプールで、ローラはマイケルへの想いを打ち明ける。ニューヨークでは、犬の散歩を頼まれて立ち寄ったマイケルの友人のアパートで会話を交わすジョアンナとアレックス。会話は2人が別れた理由にまでさかのぼり、やがて2人は互いにまだ愛していることに気付くのだった。
夜が深まるにつれ4人の想いは、激しくも切なく交差していく。夜明けまであと数時間、果たして絡まった恋と愛の行き着く先は・・・・・?
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たぴおか的コメント
『恋と愛の測り方』なんて邦題から、てっきりお気楽なラブコメディかと思って観たら、実は夫婦の微妙な関係を描いた結構シリアスな内容だった。原題が“LAST NIGHT”では邦題を付けるのに苦労するのもわからないではないが、内容とあまりにもかけ離れた、しかもいかにも“How to”ものでるかのような苦し紛れの邦題はやめて欲しいものだ。
この作品、主演のキーラ・ナイトレイが今までの出演作の中で最も美人に撮られていると思う。キーラやミラ嬢といったキツメの美人よりも、ダイアナ・アグロン(『アイ・アム・ナンバー4』)やイモージェン・プーツ(『フライトナイト−恐怖の夜−』)のように柔らかさのある美人が好みの私にとって、この作品で見せたキーラの今までにない柔らかな表情は新鮮。27歳という年齢からくる円熟味意なのか、それとも、『パイレーツ・オブ・カリビアン』以来10年もハリウッドで活躍してきたという自身からくる余裕なのかはわからないが。
『タイタンの逆襲』でも感じたのだが、サム・ワーシントンは坊主頭の方が精悍に見えて、絶対にカッコイイし似合っていると思う。まぁ、どんな髪型をしていたとしても、キーラと彼は誰もが認める美男美女の夫婦には違いないが。そんな夫婦の関係に訪れた初めての危機、それが、エヴァ・メンデス扮する夫マイケルの仕事仲間のローラと、妻ジョアンナの元カレのギョーム・カネ扮するアレックスなのだが、正直私はアレックスのような未練たらたらで諦めの悪い男を観ていると腹が立って仕方ない。だから、これは決して私が男だからというわけではなく、マイケルとローラの方は仕方ないにしても、アレックスはジョアンナに拒絶されて当然だと思ってしまう。どちらも浮気なのだから、どんな理由があるにしても決して許される事じゃないんだけどね。
面白いのは、フィラデルフィアとニューヨークで同時に配偶者以外の異性からの誘惑に葛藤するマイケルとジョアンナなのだが、マイケルがローラに応じたい、だが、妻のジョアンナに申し訳ないという「接近・回避」の葛藤に苦しむのに対し、ジョアンナは、夫のマイケルを愛している、でもアレックスに対する思いも断ち切れないという「接近・接近」の葛藤だという点で、それがいかにも男女の思考の違いを表しているように思えるのだ。マイケルの葛藤は言い換えれば、異性を求める感情を「不倫」という行為に対する倫理観という理性が抑制しようとしていたもので、これに対してジョアンナのそれは、2つの相反する感情のいずれかを選択しなければならないというもの。男は左脳で考えて、女性は右脳で行動するとはよく言ったもので、まさにその典型的な例示ではないだろうか。