評     価  

 
       
File No. 1598  
       
製作年 / 公開日   2012年 / 2012年04月28日  
       
製  作  国   スペイン  
       
監      督   パコ・プラサ  
       
上 映 時 間   80分  
       
公開時コピー  
この日、私は幸せになるはずだった
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   レティシア・ドレラ [as クララ]
ディエゴ・マルティン [as コルド]
イスマエル・マルティネス [as ラファ]
アレックス・モネール [as アドリアン]
エミリオ・メンチェータ [as ティオ・ヴィクター]
クレア・バシェット [as ナタリー]
 
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あ ら す じ    クララコルドの結婚当日。無事式を挙げた2人は、多くの参列者と共に次に用意されている披露宴会場へと車で向かう。そして始まった華やかな結婚披露宴が、やがて惨劇に一転するなどとは、その時は誰も想像すらしていなかった。
 事態はコルドの叔父が突如会場の2階から転落したことで一変する。驚いた駆け寄った妻の首筋に、あろうことか叔父が噛みついたのだ。そして、それを合図にしたかのように、会場には叔父同様に荒れ狂った数名の人々が乱入し、次々と出席者たちに襲いかかった。彼らは人間の理性を狂わせる未知のウイルスに感染しており、感染者に噛まれた者は新たな感染者となって人を襲う。こうして、感染者はねずみ算式に増えていった。
 目を覆いたくなるような惨劇の場と化した披露宴会場でクララとはぐれてしまったコルドは、従弟のアドリアンやカメラマンのアトゥン、それにクララの妹・ティータらと共に裏庭に脱出し、いち早く教会に逃れていた人々と合流する。そしてそこへ、スピーカーからクララの無事を知らせる声が聞こえてくる。コルドは、教会に展示してあった中世の甲冑を身につけると、安全な教会を出てクララの救出に向かう。
 果たして、コルドとクララは“感染者”の猛威をかいくぐって、無事に再会出来るのか?人生で最も幸せな一日となるはずだった2人に、この先待ち受けている運命とは・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    「恐怖拡!絶叫昧!割引戦!」でもって、公開日から333日間は誰でも1,000円(よっぽど“3”という数字にこだわりたかったようだ。)という、意味不明の割引のお陰で、1,000円だったらいいかぁ、と劇場で観ることにした作品。多分、私と同じようなノリで劇場に訪れた観客は少なくないと思う。でも、そこまで“3”にここだわるなら、いっそのこと料金も「誰でも333円」にしてくれればもっとよかったのに。それと、言っちゃ悪いが公開日から333日後(来年の3月26日らしい←オフィシャルサイト参照)まで、この作品が上映されている劇場なんて絶対にないと思うけどね(笑)。
 [REC]2の時に「続編への余地を残した終わり方」と書いたが、1作目・2作目と今回の作品はシチュエーションが全く異なるこの3作目は、“登場人物がハンディカメラで撮影した映像”という今までのパターンを踏襲することさえなく、同じタイトルを冠してはいるものの全く別物と言っていい。ただ、“登場人物がハンディカメラで撮影した映像”ではないだけに、映像は遥かに観やすくなってはいる。
 “ジェネシス(GENESIS = 創世記、発生、起源)”という副題も大いに疑問だ。時間の設定がハッキリしていないが、まさかドラゴンクエストじゃあるまいし、3作目が発端で、そこから1作目、2作目へと繋がっていくなんて、この作品の終わり方を観てもそんなふうには到底思えない。一体この作品のどこが“ジェネシス”だというのだろうか。
 ストーリーは数多あるゾンビ物と大同小異。ゾンビに噛まれた者が次々とゾンビ化していき、主人公のカップルがサバイバルを繰り広げるというもので、特に目新しい展開もない。ただ、コルドの祖父が補聴器を使用しながらも耳が遠く、そのことがラストシーンへの布石に巧く使われているのにはちょっと感心。最後の最後に、クララとコルドが互いの手を握り合う終わり方は、救いようのないラストシーンを少しだけ和らげてくれている。